岩井俊二監督の待望の最新作は、女の子が日常の中で「ありえなそうだけど、現実にはそんなこともある」事件や不条理に出逢いながら成長していく物語。格差やおカネの問題、自立すること、恋愛の多様なあり方など、現代社会が今、そしてこれから抱え続けて行く問題を描いた、共感度満点の一作です。
このたび、この話題作のブルーレイ、DVD 化を記念して、お互いにリスペクトしあう岩井俊二監督と、映像化もされた大ヒットコミック「闇金ウシジマくん」で知られる漫画家・真鍋昌平によるスペシャル対談を実施いたしました!
トークショーでは、ふたりが脚本家で映画監督の北川悦吏子を介して意気投合した知られざるエピソードや、黒木華演じる主人公・皆川七海が体現しているメッセージなどをはじめ、今の時代を切り取った作品を手掛けるふたりのクリエイターが語る内容に、満席の場内は大いに盛り上がりました!
また、岩井監督が大ヒットコミックである「闇金ウシジマくん」の大ファンであることを、本人の目の前で告白! 「まるで奇跡のような作品」という賞賛の言葉に、真鍋先生も大感動! それだけでなく、「ウシジマくんのエピソードの中には撮ってみたいものもある。ワンカットごとに丁寧に映像化してみたいですね」とラブコールが送られ、 「サングラスの下は泣いていますよ(笑)」と、会場の興奮と笑いを誘っていました!

【日程】 9 月 7 日(水) 19:30〜
【場所】 代官山 蔦屋書店 1 号館 2F イベントスペース
【登壇者】: 岩井俊二監督、漫画家・真鍋昌平 合計 2 名

【主なトーク内容(一部)】
●主人公・皆川七海のキャラクターを通してみえることについて
真鍋:七海は主体性がない性格と環境的な状況で、綾野剛さん演じるなんでも屋の安室に巻き込まれ、良くない方向にどんどん行ってしまう。お父さんの教育の一環で彼女にはモノを言わなかった上に母親は天然で、場の空気が読めない人だったから、そこでバランスを取っていたと思うんです。そのまま世間に出て行ってしまうけれど、武器がないから生きていけないわけですよね。
だから、合わせることしかできなくて、翻弄されて、流されていく。それは誰にでも起こり得ることで、彼女が特別な子だからではないんですよね。
岩井:なぜ七海は、あそこまで主体性がないのか、観ていてイライラするとよく言われます(笑)。でも、僕が世の中を観察している限りでは、ほとんどの人が彼女のようだ、と思うんです。本当は要らないサービスとか、どんどん乗っていってしまうじゃないですか。彼女の場合も社会に出て引きずられてしまうけれど、人生のレールで重要なポイントに差し掛かっても、たとえば周りが就職するから自分もするみたいな、よく考えなかったりして決めてしまうことってあると思う。それは大企業の社長や会長であっても、自己判断に疲れていると、霊媒師に頼るとか、そういう話ってあるじゃないですか。だから、七海に限らず、そういう弱さは誰でも持っていると思う。誰に起こっても、不思議なことではないんです。

■PROFILE■岩井俊二
1963 年、仙台市生まれ。88 年よりドラマやミュージックビデオ、CF 等の映像世界で活躍を続け、その独特な映像は“岩井美学”
と称される。監督作に『Love Letter 』(95)『スワロウテイル』(96)『リリイ・シュシュのすべて』(01)『花とアリス』(04)『花とアリス殺人事件』(15)など。最新作は『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16)。小説家・作曲家などの多彩な顔を持ち海外にも活動を広げている。

■PROFILE■真鍋昌平
1998 年、漫画家デビュー。2004 年より週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて連載中。「闇金ウシジマくん」でブレイク。借金を重ね、底辺へと堕ちていく人間の閉塞感を繊細に描写し人気を博している。
◆「闇金ウシジマくん」単行本第 38 集 9 月 20 日頃発売
◆映画『闇金ウシジマくん Part3』 9 月 22 日(木・祝)より全国公開
◆映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』 10 月 22 日(土)より全国公開

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