MC:大友監督から見て、生田さんの薪剛はいかがでした?

大友:この役は「背中で感じてくれ」という本当に難しい役で、この若さで色々なものを背負った
  薪という役を演じられる役者はそうそういないと思っています。生田君とは初めての仕事だったのですが、
  ただ単に演じるのではなく、背負っているものの重さとか香りが漂ってくるような演技を、
  ストレスフルな現場の中で意識的にしてくれたなと、ひしひしと感じました。
  僕自身、彼からいろいろな刺激を受けましたし、新しい生田斗真が映画にあらわれているなと思っています。
  本作が、生田君の代表作になってほしいなと強く思っていますね。

MC:生田さんに続き、もう一つおめでたいことがあります。先週の15日は岡田さんの誕生日でした!おめでとうございます!
  岡田さんも本作では、これまでとは違った一面を見せられていらっしゃいますが、今年はどんな一年にしたいですか?

岡田:斗真くんと同じく、僕もいろんなチャレンジをしていこうと日々お仕事をさせて頂いていますが、
  この作品もこれまでの演じてきた役とは全く違う、大きなチャレンジでした。
  これからも守りに入らずいろいろなことにチャレンジしていきたいなと思っています。

MC:さて、ここからは公式Twitterで募集した質問に答えていこうというコーナーです!
  映画の謎を解き明かしていこうという事で、映画に関わる質問、そうでない質問を用意しております。
  みなさん一つずつ気になる質問キーワードを選んでいただいて、そのキーワードに関する質問にお答えいただきます。
  ということで、生田さん気になるキーワードはありますか?

生田:うーん、どうしましょう。客席の皆さん、どうですか?

客席:8番!

生田:8番のキーワードは「生田斗真、5変化」ですか(笑)。では8番で!

MC:「生田斗真、5変化」の質問は「斗真さんは今回、死体のシーンが何回もありましたが、
  どれも美しかったです!撮影は大変でしたか?」です。

生田:これは吉川晃司さん演じる貝沼が殺人を重ねる際に、被害者の姿を薪と重ねるというシーンなんですが、
  監督の思い付きだったんですよね(笑)。撮影を進める中で、貝沼が殺した少年たちの姿に
  薪を重ねるのは面白いかも、というその場のアイデアだったので、撮影の一番最後に撮ったんでしたよね?

大友:クランクアップ前だったね。だから生田くんのクランクアップは薪じゃなかったんです。
  死体の様子も、「血がこう飛び散って…」、「布団がこうなって…」と、その場で決めていったから、
  ものすごく時間がかかりました(笑)。薪の親友である鈴木(松坂桃李)がこの映像を見て
  精神錯乱を起こすんだけど、彼は刑事で死体をたくさん見てきた訳だから、生半可なものでは錯乱しない。
  だから、鈴木が「貝沼の殺人の理由が薪だったのかもしれない。もしこの映像を薪が見たら狂ってしまうかもしれない」
  と思うような映像になるようバックグラウンドを考えながら撮りました。

MC:続いて岡田さん、気になるキーワードは?

岡田:うーん、どれにしよう。時間があったんだから考えとけって話ですよね(笑)。では「お互いの謎」で!

MC:このキーワードの質問は「お互いにこの場を借りてどうしても聞きたいことはありますか?」です。

生田:これいろんな取材で聞かれてさんざん答えたやつじゃん(笑)

岡田:やっちゃったな…。聞くこともう無いんだよなあ…。じゃあ別のキーワード「究極の選択」で!

MC:これは「映画と同じように記憶の映像化ができる世の中になったとして、
  『人の脳を覗く』のと『人に脳を覗かれる』のとどちらを選びますか?」という質問です。

生田;これも散々聞かれてる〜(笑)。

岡田:やっちゃったなー。僕は斗真さんの脳を覗いてみたいと毎回答えているんですけどね。
  もう一回チャンスください!「熱い夏」で!

MC:これは「みなさんに。この夏、一番アツかったこと、夢中になったことは何ですか?」という質問です。

岡田:実は先日サマーソニックに行ったんです。大好きなレディオヘッドを聞けて最高でした!

MC:生田さんはどうですか?

生田:夏全然遊びにいけなかったんですけど、サタニックカーニバルという、
  横山健さんが主催しているフェスに行ってきました。めっちゃ楽しかったですね〜。

MC:監督の気になるキーワードは?

大友:僕はさっきから「あの人から」というキーワードが気になっています。

MC:こちらはなんと本作の鍵を握る、貝沼役の吉川晃司さんからの質問です!
  「血みどろ担当の吉川です。次の血みどろはいつやりますか?」

大友:吉川さんとやりたいことがあって、いろいろ話しているんですが内緒です。
  『下町ロケット』の続編で血まみれやろうかな(笑)。

MC:続いて生田さん、「貝沼が死ぬシーンで突然監督が現場で思いつき、同じ衣装を着て撮影になりましたね。
  あの時、本当はなんなのそれって思わなかった?」と、吉川さんより質問です。

生田:これは貝沼が牢屋の中で自殺する場面で、先ほどと同じように貝沼の顔に薪の顔が
  重なるというシーンです。実はこの撮影がすごく嬉しかったんです。
  撮影前に、吉川さんと同じ囚人服を着て一緒に写真を撮ってもらいました。
  吉川さんとペアルックだーって嬉しかったですね(笑)。

MC:では生田さん、最後にもう一問だけいきましょう。

生田:では「薪の秘密」で!

MC:これは「薪さんがスーツの下にハイネックを着ていますが、その理由を教えてください。
  また、薪さんの歩き方が最後変化しますが、それについても教えてください。」という質問です。

生田:設定では、薪は常に防弾チョッキを着ているんです。昔は着ていなかったんですが、
  親友の鈴木を自らの手で殺してしまった事件以降、自分が死ぬときは記憶を他人に見られないよう、
  必ず頭を撃たれて死ぬようにしているので、防弾チョッキを着ている。
  そのためのインナーとしてハイネックを着ているんです。
  また、手を後ろに組んで歩いている癖は現場で思いついたものではあるのですが、
  少し傲慢な感じが出せればと思ってのことでした。また、薪は無駄な動きなどはなるべくしないだろう、という考えもありました。
  撮影が終わった後、手を後ろに組む人間の心理状態を人から聞く機会があったのですが、
  「人の上に立っている」という自己顕示欲と、「人に心を読まれたくない」という自己防衛のあらわれなんだそうです。
  この仕草が、心理学的にも合っていて嬉しかったですね。

MC:・それでは最後に一言ずつ、ご挨拶をお願いいたします。

大友:本作は皆さんに育てて頂く作品だと思っています。色々なことを発見して頂いて、
  それぞれ解釈をしてもらって頂くことがこの映画のテーマでもあります。
  一人でも多くの方に観ていただくように、今日観て持ち帰ったものを、
  周りの人に伝えてもらえると嬉しいです。本作をよろしくお願いいたします。

岡田:さきほどの薪のハイネックのように、いろんなところに発見がある作品です。
  僕にとっても渾身の作品なので、ぜひ周りの人に広げて頂けるとうれしいです。

生田:監督同様、皆さんに育てていただく作品だなと思っています。この作品を観て何を思ったのか、
  皆さんそれぞれの解釈を、観た人同士で語り合いながら楽しんでもらえるとうれしいです。
  今日はありがとうございました!

以上