2014年カンヌ国際映画祭正式出品を始め、ELLE シネマ大賞ノミネート、2015年サンタバーバラ国際映画祭で観客賞、2015年セントルイス国際映画祭で最優秀作品賞を受賞するなど、各国の映画祭で絶賛された感動作
『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』がYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町、角川シネマ新宿 他にて大ヒット上映中!

本作は、学校から見放された問題児クラスに赴任したベテラン教師アンヌの情熱と、アウシュヴィッツに関するある授業が落ちこぼれの生徒たちの人生を変えていく…パリ郊外の高校で本当に起こった奇跡の物語。当時18歳だった「落ちこぼれクラスの元生徒」が自身の体験を元に、監督と共に脚本を共同執筆、出演も果たした。

日本では、8月6日に公開されるや、SNSでも多くの感動の声が広がり、映画館は満席回も続く大ヒットに!
そして今回大ヒット御礼として、ブロードキャスターのピーター・バラカン氏を迎え、トークイベントを開催!
学生時代に印象深かった先生の話やご自身のお父様のお話など、いろいろな視点で本作を語るイベントとなりました。
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【日 時】 8月20日(土) 【場 所】 YEBISU GARDEN CINEMA
【登壇者】 ピーター・バラカン氏 (65歳)   
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まず本作を観て「素直に感動しました。知っている俳優がいるわけではないけれど、一人でも多くの人に観てほしい映画だと思いました」というピーター・バラカン氏。続けて「教育というものは、人から与えられるものではなく、子供たちが意欲をもって自分から進んで学ぶことがどれだけ大切か、つくづく感じた。僕は私立の高校でラテン語と古代ギリシャ語を両方7年間やったのだけど、高校3年生のときはそれを専門に学んでいて、その古代ギリシャ語の先生がすごい人で、一度も教科書を使わなかったけれど、彼の教室にいると、その情熱が伝わってきて、習いたくなる先生だった。学びということがどういうことか、あのとき知った気がするし、一生忘れない体験ですね」と自らの学生時代を述懐。

さらに「この映画に出ているマリック役の青年が、自ら体験したことを元に脚本を作ったことを知らなくて、僕はそれだけでも感動しました!彼が自分で書いた脚本を何人もの映画監督に送って、でも何度も断られてもあきらめずに次に持っていくということはすごいこと。あのビートルズもそうだった。イギリスのほとんどすべてのレコード会社に断られたけれど、最後にジョージ・マーティンに持って行ったことで、ビートルズが生まれたわけで、自分のやっていることに信念を持つのは素晴らしいし、難しいことだと思う。この映画のきっかけとなった生徒も同じだよね。あの先生のおかげで、奇跡のような体験ができて、それに価値があるということを信じることができたのではないかな」とピーター・バラカン氏ならではの解説も。

また、ご自身のお父さんが、ユダヤ系のポーランド人だというピーター・バラカン氏は「父は最初自分がユダヤ系の人間だということを話さなかったんです。12,3歳くらいの頃初めて知って、言わなかった理由をきいたら〝もしかしたら第2のヒトラーがまた現れるかもしれないし、子供たちは知らないほうが良いと思っていた。知らなければ嘘つく必要もないし″と。彼らはその当時、ユダヤ人とわかればひどいことになったわけで、同じように語ろうとしなかった人も多かったのではないか。父は結局戦争の体験について、80歳すぎるまで話すことはなかった。戦争体験は生易しいものではないからね」と語った。

イギリスでは現在10代の子供たちが毎年どの学校からも2名ずつアウシュヴィッツに行って勉強する機会を持つそうで、ヨーロッパではアウシュヴィッツの記憶を代々伝えていかなければならないという意識が高いそう。そういう状況もふくめ「現在の教育は、あまりにもテスト中心になってしまっているが、学びの面白さを自分で発見することができる体験教育がすごく大切だと思う。また歴史教育に関してはナショナリズムが介在してはいけない」とピーター・バラカン氏。最後に「この映画はぜひ多くの高校生くらいの方々に観てほしいです!」と語り、本作をより深く知ることができるトークイベントとなりました。