芸能生活55周年記念作品の初日舞台挨拶に登壇!!子役に心奪われる!?

今年2016年で女優生活55周年を迎える松原智恵子の主演映画『ゆずの葉ゆれて』が8月20日より有楽町スバル座他全国公開となりました。本日、初日公開日に松原智恵子、山時聡真、辻本祐樹、中村美沙、神園浩司監督登壇による初日舞台挨拶を実施いたしました。

■日時:8月20日(火) 
■会場: ※観客275名
■登壇者:松原智恵子(71)、山時聡真(11)、辻本祐樹(31)、中村美沙(20)、神園浩司(57)監督

本作は、緑豊かな鹿児島の喜入を舞台に、近所の「ジイちゃん」の死をきっかけに成長する小学4年生の男児タクヤの姿を描いた作品。「ジイちゃん」が懸命に生きた昭和40年代の場面を織り交ぜながら、愛情や地域のつながりなど、現代人が忘れかけているものの大切さに迫っています。

主演を務めるのは、16歳で芸能界入りを果たし、吉永小百合、和泉雅子と共に「日活三人娘」と呼ばれ、日活映画『明日に向かって突っ走れ』(61)のヒロインデビューを皮切りに、120本以上の映画とNHK大河「龍馬伝」(2010)等、数多くのドラマに出演してきた、日本映画黄金時代から活躍する松原智恵子。本作では長年連れ添った夫を亡くし、深い悲しみに打ちひしがれながらも気丈に偲び、残された者の思いや生きる意味をタクヤに優しく諭す「バアちゃん」を演じ、今の日本人が忘れかけている〈人と人との絆〉を静かな演技で訴えかける。
あいにくの空模様にも関わらず、立ち見が出るほどの大入り満員!舞台挨拶開始前から熱気にあふれた場内に登壇者が呼びこまれると大きな歓声があがりました。

MCに呼び込まれ登壇すると松原智恵子は「今日はご来場いただきまして、ありがとうございます。こんな立ち見が出るなんて、日活時代を思い出します。」と大雨にも関わらず、満員の観客に向けて挨拶。続いて、本作が映画初出演で子役の山時聡真は「みなさん、こんにちは。今日は見にきてくださってありがとうございます。」ととても11歳とは思えないしっかりした口調で挨拶。辻本祐樹は「少しの時間ですがトーク楽しんでいってください。色んな裏話を話していきたいと思います」、中村美沙は「本日は雨の中、ありがとうございます」、そして神園浩司監督は「今からちょうど1年前に鹿児島の喜入(きいれ)という場所で撮影をし、ようやく1年経って、初日を迎えることができました。感謝の気持ちで一杯です。」とそれぞれ挨拶。

最初にこの映画への出演の話を聞いたときに松原は「この映画の脚本をいただいたとき、すぐに『やりたい』と思ったほど、感銘を受けました。「ぼくとあいつのラストラン」という原作で、「子供」を中心に書かれた作品だったのを監督が「おジイちゃん」と「おバアちゃん」の話を膨らませて書いてくださいました。」と振り返った。さらに、今年で芸能生活55周年を迎え、本作がその記念作であることについて聞かれると「私自身、(芸能生活が)55周年経ったとは思っていませんでした。宣伝スタッフから55周年と言われて、初めて気づきました。この映画は、ちょうどそんな年にめぐりあった作品です。スタッフ全員が、去年の今頃、とても暑い中で撮影をしました。そして、今日皆様に観ていただけて、とても嬉しいです。」とコメント。監督は「松原さんはイメージ通りだった」と松原の円熟した演技を絶賛。

実際に住人がいる家で撮影された本作について松原は「撮影しているときに、多くの人がドカドカ家の中を歩くのに、何一つイヤな顔をしないばかりか、お昼になると、何気なく昼食を机に置いてくれました」と撮影に協力してくれた住人のおもてなしの心に深く感動したことを明かした。山時も「撮影後のご飯がすごく楽しみだった。」と語るほど、その料理の虜になっていたそう。

11歳の山時のかわいさに、すっかり心を奪われた松原は撮影中にヤンキースの帽子をプレゼント。本日もその帽子を被ってきた山時は「松原さんとご飯を食べる時は『野菜を食べなさい』と優しく注意されました」と語り、二人の姿は、深い愛情がありながらも、しつけを怠らない祖母とその孫のような関係性を彷彿させた。
津川雅彦が演じた「おじいちゃん」の若かりし頃を演じた辻本は「津川さんをモノマネするわけにもいかなかったので、意識したわけではなく、あの時代を生きた若者をしっかり演じることに努めました。」と実直に役作りに望んだことを話した。また、本作が映画初出演になる中村は「松原さんに初めてお会いしたときに、この方の若い頃を演じてホントにいいのだろうかと、とても緊張しました」と大きなプレッシャーを感じたことを明かした。
人の生と死をテーマにしている本作だが、監督は「大切な人が亡くなると、残された家族は、もちろん悲しさや寂しさを感じますが、それと同時に、改めて感謝や家族に対する愛情を感じることがあると思います。おじいちゃん、おばあちゃんはお孫さんを連れて、親御さんはお子さんを連れて、是非家族で観てほしい」とこの作品に込められた思いを語った。

舞台挨拶の最後には、観客に松原自ら、映画の感想を聞く場面も。一人の観客が「とても感動しました」と返すとホッとした表情を見せた。「この映画を見終えた後、優しい気持ち、温かい気持ち、人を思いやる心、そういうものを受け取っていただけたら、とても嬉しいです。本日はありがとうございました。」と締めのコメント挨拶で、大盛り上がりのうちに舞台挨拶は終了しました。