この度、8月20日(土)より先行公開、8月27日(土)より全国拡大公開となります鷹の爪10周年記念作品『鷹の爪8 〜吉田くんのX(バッテン)ファイル〜』の先行試写会を8月11日(木祝)に実施いたしました。

当日は、ヒップホップ・グループ「ライムスター」のラッパーで、定評のあるトークスキルで、ラジオパーソナリティとしてもブレイク、ラジオ、テレビ、雑誌、ウェブなど各種メディアで活躍中の宇多丸、FROGMAN監督作品『古墳ギャルのコフィ—』で声優デビューし、その後2007年公開「秘密結社 鷹の爪THE MOVIE総統は二度死ぬ」、2013年公開「秘密結社 鷹の爪GO美しきエリエール消臭プラス」、2015年公開「天才バカヴォン 甦るフランダースの犬」と、FROGMAN監督作品には欠かせない声優・上野アサ、そして主人公の吉田くん役など計21役の声を兼務するFROGMAN(監督)が登壇。

鷹の爪10周年記念作品『鷹の爪8 〜吉田くんのX(バッテン)ファイル〜』の制作裏話、上半身しか描かない理由とは?声優のおかげで名前まで変わったキャラとは?など、熱くお話していただきました!

映画『鷹の爪8 〜吉田くんのXファイル〜』先行試写会 詳細

日時:8月11日(木祝)15:00〜15:30
場所:神楽座(東京都千代田区富士見2-13-12 KADOKAWA富士見ビル1階)

登壇者:宇多丸、上野アサ、FROGMAN監督

8月20日(土)よりシネマメディアージュ、TOHOシネマズ梅田にて先行公開、
8月27日(土)より全国拡大公開となります鷹の爪10周年記念作品
『鷹の爪8 〜吉田くんのX(バッテン)ファイル〜』のファン先行試写会を実施いたしました。

鷹の爪も映画館の幕間映像も大好きライムスター宇多丸さん、FROGMAN作品の常連声優・上野アサさん、
吉田くん、そして監督のFROGMANが登壇し、トークショーを行いました。

鷹の爪10周年を迎えたお祝いで、宇多丸さんから監督に花束が贈呈され、
トークでは本作の制作裏話なども飛び出すなど、ファン垂涎のイベントとなりました。

MC:まずは一言、ご挨拶をいただけますでしょうか?

宇多丸:濃いファンがたくさんいる中、恐縮です。普段はラッパーをやっているおじさんです。
ラジオ番組「ウィークエンド・シャッフル」で映画評なんかをやっておりまして、
FROGMANさんにも出演していただきました。
実は今度、8月20日にも生出演いただくことになり、今日はそのバーターで(笑)、呼んでいただきました。

上野:10年前からFROGMANさんに参加させていただいております上野アサです。
昨年は『天才バカヴォン』でもご一緒させていただきました。
今日は楽しくお話しできればと思っております。

吉田:はい、どうも吉田です!みんな元気〜?みんなムビチケ持ってるのになんで来たの〜?
(本試写会の応募条件がムビチケ購入者)楽しんで行ってね〜!

監督:お暑い中、お休みの中、お越しいただきありがとうございます。久しぶりの映画で気合いを入れて
作りました。NHK Eテレ「鷹の爪NEO」のおかげで子どもたちにも裾野が広がったので、
今回子ども向けに作ってみようと思いました。今日はよろしくお願いいたします。

【お題①】新作『鷹の爪8 〜吉田くんのXファイル〜』の感想は?

宇多丸:めちゃくちゃ面白い!フラッシュアニメで出来ることの想像を超えてくるんですよね。劇場版は特に。
ストーリーもそうくるか!という感じで、いろんなコネタに楽しみつつ、思いもよらず泣かされました。
タイトにまとめてあって、笑えて、最後は泣けます!
編集すごい調整したと聞きましたよ?(監督「ばっさりカットしました」)成功だと思います!

上野:今までは大人向けでクールでシャープな印象でしたが、今回は子ども向けということもあり、
ニコニコ、あったかい気持ちになります。とても面白かったです!

宇多丸:吉田くんたちに女の子も加わった子どもたちチームの大冒険で、成長物語でもあるんですが、
子どもたちが「なんにでもなれる!」と未来に希望をもてるストーリーになっています。

【お題②】FROGMANと上野アサさんの出会い

上野:声優を目指して、養成所などにも通っていたのですが、なかなか芽が出ず、
派遣社員をしていました。そこが広告会社で、「THE FROGMAN SHOW」の広告を
作っていたんです。そこで、会社のお偉い方が、「声優になりたかったんでしょ?頼んであげるよ!」
と言ってくださったのが縁で、「古墳ギャルのコフィー」をやらせていただきました。

監督:上野さんは憂いがある感じで、悪くいうと不幸そうな感じでしょ(笑)。僕の作品、
ずっと顔にタテの線が入っているような不幸な女性キャラが多いんです。
藤沢周平作品ファンで、よく出てくる不幸な女性が最後に希望を見出すというのが好きなんです。
きゃぴきゃぴした女性は好きじゃないんですよね(笑)

宇多丸:女性に限らず、おじいさん、おじさんなどの男性キャラも顔にタテの線入ってますよね(笑)
本作でもグレイという宇宙人が出てきて、人間の姿になるときがあるんですけど、絶妙に嫌な顔してますよね(笑)

【お題③】FROGMANと宇多丸さんの出会い

宇多丸:10年前、TOHOシネマズのマナームービーで、鷹の爪団が突然登場してきて、初めて認識しました。
本編前に余計なものがついてるのはあまり良くないと思っていたんですが、面白くて、映画好きのツボを
押さえてるなと。マナーCMを作っている方としてラジオにも出演いただいたときも、とても熱い男でした。

【お題④】録音厳禁!FROGMANによるここでしか話せない裏話

監督:チラシにはグレイ司令官を若本規夫さんが演じていると書いてあるんですが、エンドロールを見ると、
ヨマーズ司令官になっています。収録のときに、若本さんに台本を渡したら、「こんなのつまんねえ。
俺がおもしろく直してやるよ」と言って、第一声から台本に書いてないことを言い出して、スタッフみんな
「どこを読んでいるんだ!?」ってなって全部セリフを変えられたんです(笑)だから、台本を“読まない”ので、
“ヨマーズ司令官”(笑)。その若本さんの読みにあわせて、画も変えて、キャラデザインも最初とは違うんですよ!
プレスコ(絵ができる前に声の収録が先行すること)って面白くて、森川葵さんに演じてもらった里美も、
その演技にあわせて、ここは微笑みを足そうとか、ちょっと怒らせようとか、画を変えたりしました。

【お題⑤】鷹の爪と他のアニメ(表現方法の違い)

監督:簡単に言うと紙芝居みたいな映像ですね。あと、早く作るための技法なんですが、
ほとんどバストアップのショットなんです。全身入れると、足を動かさないといけなくて大変なんです(笑)
これって連ドラの撮り方と同じで、人気の役者を使うと時間もなく早く撮らないといけないので、
それでも成立するように、というやり方ですね。
その中でも奥行感は大事にしています。ローアングルで撮っているようにして、
吉田くんと総統の位置関係なども違和感なくするように考えたり。

宇多丸:制限されているほうが、クリエイティブの幅が増えますね。
セリフのテンポなども調整されてますよね?

監督:めちゃくちゃしてます。三宅裕司さんの語りって、面白いこと言ってなくても
面白く聞こえてくるんです。あれって落語なんですよね。落語は長年演じられ、お客さんの反応を見て
トライ&エラーを繰り返して洗練されているものなので、流れるような言葉なんです。
それを参考にして、僕は台本書いたあと、自分で芝居してすぐ直せるのがいいのかも。
その中でも、先ほどの若本さんのような嬉しい事故があったりもして(笑)、モレルダーを演じた
杉田智和くんにもどんどんアドリブしてもらって、今までいちばん多くの声優を起用させていただきました。

【お題⑥】一般客Q&A

Q.監督にお聞きします。一人で何役を演じ分けるコツはありますか?

監督:そういうふうに適応してきたんですよね(笑)
最初は島根の山奥で作っていて、声優さんも近くにいなく、頼める予算もないわけで(笑)。
なので、最初の作品はど下手くそでしたよ(笑)やっているうちに演じ分けできるようになって、
声帯をぐっとしぼったり、ひろげたり・・・吉田くんの声も最初はピッチを上げてたんですが、
今では自然にできるようになりました。

MC:それでは最後となりますが、この映画を楽しみにしてくださっている人たちに向けて、それぞれお一言ずつ頂けますでしょうか?

宇多丸:映画好きなら本当に楽しめる作品です。ネタバレ全開で、「あの後ろにいたヤツがー!」「あのポスターがー!」とか
話したいくらい!それとオーパーツの勉強にもなります(笑)

上野:私はナスカリー捜査官が吉田くんたちに翻弄されている姿がかわいくて好きです。
とても楽しい作品なので、よろしくお願いいたします!

吉田:振られると思わなかったから、何も考えてなかった(笑)面白いからぜひ見てね〜とか、つまんないこと言ってる〜〜!

監督:ギャグ作品を作ってる側からすると、完成するころってもう笑えないんですよね。
なので、これ面白いのかなと、とても心配していたのですが、完成披露試写会などで
「すごく面白い、今までの作品で1、2位を争うくらい」と言われて、自信を取り戻しています。
この作品はシリーズ化していきたいと思っていますので、皆さんスマホ持ってますよね?
ぜひ、いいことだけ、拡散してください!