昨年の東京フィルメックスで上映され、大反響を巻き起こした『クズとブスとゲス』が7月30日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開となりました。

日本映画はこじんまりとしてしまうとつまらない。

タイトルの通りクズとブスとゲスの3名が登壇する予定だった本日、リーゼントの男(クズ)役板橋駿谷さんが急性胃腸炎で欠席。

リーゼントの男の恋人(ブス)役の岩田恵里さん、スキンヘッドの男(ゲス)役の奥田庸介監督が登壇しました。

前作『東京プレイボーイクラブ』で華々しいデビューを飾って以来、奥田監督にとっては4年ぶりの長編作品となる今作。「映画しかない人生をおくってきて、撮れないという状況はしんどかった。くだらない映画を撮るくらいなら、撮らない方がマシと思ってきたが、それでも表現の世界にいながら撮れないのはとても苦しいこと。今作は肉体的には辛かったけれど、日本映画にはこういう作品があっても良いのではないかと。こじんまりとしてしまうとつまらないから」と話しました。

メインキャストとしては今作が初の映画出演となる岩田さんは「2年前にオーディションを受けた。現場のイメージはまさに男臭(笑)。地鳴りがするような掛け声が飛び交っていた。士気が高まる中で奮い立たせられて幸せな日々でした」と当時を振り返ると、奥田監督は「心構えに清々しいものがあった。現場に対する心構えが士気に繋がって、良い作品が出来上がっていくということがあるから」と岩田さんの起用理由について言及。岩田さんも「奥田監督はガツンとくる精神的に頼もしい監督だった。役者としても監督としても誠心誠意、作品に向かわれていたので、いつも背中を見ていました」と現場での奥田監督について振り返ると、監督からは「ガツンとって言っても殴ってないから」と突っ込みも。

本作の登場人物たちに名前がないという特徴について訊かれると奥田監督は「例えば岩田さんの役名にユウコと付けたとして、初恋の人の名前なんだろうなと思われたら恥ずかしいから!」と言いつつも、「名前や場所を特定することで物語を転がすというロジックではなく、もっと目に見えるもので理解するような、直感的な映画にしたかったので」と明かしました。

最後に監督は本作について「人に見せるようなものではないかもしれないと思いましたが、公開してこのように足を運んでくれる方がいるので、”よし来い!”という受け入れ体勢で見てくれたら嬉しい。わたし個人なんですよね、これ。映画を越えたところで共感してくれたら嬉しいです」と締め括りました。