アメリカ最大規模の巨大フェス SXSW (サウス・バイ・サウスウエスト)の映画部門(SXSW FILM)が、
7月16日(土)から22日(金)までの一週間限定で「SXSW TOKYO SCREENING WEEK」として、
新宿シネマカリテで行われているカリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016内で開催中です。

開催4日目の7月19日(火)、 SXSW FILM2013に正式出品され、
濱田岳が初めて挑戦した英語映画『サケボム』の上映を記念し、
本作に出演する俳優・渡辺裕之さんと『サケボム』プロデューサー・妹尾浩充氏・
エグゼクティブプロデューサー・汐巻裕子による、海外での撮影秘話や、
SXSW現地のリアルを語るトークイベントが開催されました。

■日米の撮影現場の違い
濱田岳主演の全編英語のアメリカ映画『サケボム』は、撮影のほとんどがアメリカで行われている作品です。
日本と海外での撮影現場の違いについて、俳優の渡辺裕之さんは「撮影中のしきたりが日本と全く異なる。
スタッフの役割分担がはっきりしていて、誰が何をしているかが全員で確認ができる。
日本では撮影現場でスタッフを走らせるが、アメリカでは絶対に「走れ!」とは言わない。
転んで怪我をしたら誰も責任がとれないから。」と撮影現場の違いについリアルに語りました。
プロデューサーの妹尾浩充氏は「お芝居の始め方も異なる。海外では俳優陣が自分のタイミングで芝居を始めることができる。
日本のように、カチンコをしてから芝居がスタートするわけではない。」と現地を体感した者ならではのエピソードを語りました。

■映画祭出品がゴールではない。SXSWに出品されることの価値とは?
エグゼクティブプロデューサーの汐巻裕子は、「『サケボム』がSXSWFILMでワールドプレミアした後、
サキノジュンヤ監督は、本作がデビュー作で無名の監督だったにも関わらず、インディペンデント映画界で一躍有名人となった。
大手配給会社からも一目置かれ、“正式出品”という箔が付くことにより、世界が広がる感覚を実感した。」と
SXSW FILMに出品することの価値について語った。
プロデューサーの妹尾浩充氏は映画製作を通して「映画祭に出品する作品を作ること自体をゴールにしてほしくはない。
『サケボム』では、サキノジュンヤ監督の“アメリカで活躍したい”という夢を叶えるため、
最もベストな方法はSXSW FILMを狙うことだ、という戦略で動いていった。
世界には様々な映画祭があるが、それぞれがどんな意味を持っているのか、
映画を製作する側の人間は理解していなくてはいけないと思う。」と語りました。
SXSWFILMに出品された『サケボム』の魅力は?と聞かれた渡辺裕之さんは、
「サキノジュンヤ監督の才能に、日本人として誇りを持てる作品!」と熱く語りました。

■トークイベントゲスト 俳優・渡辺裕之
1955 年、茨城県生まれ。1980 年に飲料水のTVCMで芸能活動を開始。
2 年後に出演した大正製薬の「リポビタンD」のCMで一躍人気を博す。
映画『オン・ザ・ロード』(82)で俳優デビュー。その後、フジテレビ系列で放送された『愛の嵐』以降、
映画、テレビドラマ、テレビコマーシャルと幅広く活躍。2007 年には『劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!』に、
シリーズ史上最高齢となる51 歳の仮面ライダーとして登場した。
映画『サケボム』では、濱田岳演じる主人公ナオトの叔父、タカノリ役を演じている。