2014年11月、韓国で小さな規模で公開をスタートすると、たちまち感動が口コミで広がり、公開館数は800スクリーンまで増え、『インターステラー』などのハリウッド大作を押さえて大ヒット。10人に1人が観たこととなる480万人を動員し、韓国ドキュメンタリー映画史上、驚異的な「NO.1」の観客動員数を達成した『あなた、その川を渡らないで』。ある村に住む、いつもお揃いの服を着て手を繋いで歩く一組の夫婦を主人公にした本作は、韓国本国でお年寄りから若者まで巻き込む社会現象となりました。とくに観客の4割は20代の若者だったそうで、そのことについてチン・モヨン監督自身は、「本物の愛を求めていながら、本物の愛なんてないと思っていた若者たちが、この映画を通じて不可能だと思っていた愛を目の当たりにした。不可能な愛が現実に存在する。それを知って、彼らは希望を持てたのではないか」と分析しています。

この度、早稲田大学韓国学研究所(WIKS)との共催で、この映画の舞台になっている韓国の学生と日本の学生たちを対象とし、特別試写会&早稲田大学国際教養学部の教授で「恋愛学」を教える森川友義先生をお迎えし「『あなた、その川を渡らないで』から学ぶ、幸せな結婚を続けるための秘訣」というテーマで特別講義を実施しました。100組中35組が離婚し、残り65組中の45組がセックスレスであるこの現代に、良好な夫婦関係を継続させるためのとっておきの秘訣を大公開!巷で話題の「不倫」や「浮気」も30代40代の既婚者に多いかと思いきや、意外にも若い世代、それも未婚者に多いそう。決して人ごとではないと講義に参加していた学生たちの熱も一層高まりました。

★秘訣その①→恋愛、結婚、結婚生活のメカニズムを知っておく!

幸せというものは消費材であり、幸福感というものはどんどん下がるもの…相手に対するトキメキが持続されるのはもってたった2年だそう!幸せ・恋愛・結婚が永遠に続くものでは必ずしもないということを知っておくことが重要。76年もの間スキンシップのある良い夫婦関係を維持できている本作の夫婦は、ごく自然にそのことを理解しているという。

★秘訣その②相手への「期待値」を下げる!

相手への期待値を下げ、何事にも感謝の気持ちを忘れずに「ありがとう」を言えることが夫婦関係を良好に保つのに大事な秘訣だそう。映画では、贅沢な物や特別なサプライズが登場するわけではないけれど、日常の中で、おじいさんからのささやかな贈り物に、おばあさんが心からの感謝をのべるシーンが出てくる。

★秘訣その③「子」はかすがい

子供の存在ということが夫婦関係の潤滑油になるという。夫婦二人でいるよりも、子供がいることで家族のリレーションシップが増えること。映画の夫婦は、6人の子を育て、共に人生を送ることで常に夫婦の共有事項があった。

★秘訣その④「飽きないもの」をつくる

映画の中で、おばあさんが、おじいさんに毎日季節の料理を振る舞っていたことに注目。変化に富んだ季節の食材を手作りすることで、常に新鮮なメニューを食卓に並べている。相手を飽きさせることのない結婚生活が、良い関係を長引かせると熱く語った。

★秘訣その⑤「不倫をしないこと」

ずばり不倫をしないこと!相手を一途に想い慕うこと。

いくつになっても新鮮な気持ちでパートナーに接し、共有の話題を常にもって夫婦間のコミュニケーションを深めることこそが、良好な夫婦関係を継続させるために大切な秘訣だと学生たちに語りました。