婚活大国ニッポンにおいて、現在結婚相談所は全国に約4000社、利用者は60万人と言われています。長寿化、核家族化に伴い結婚観は変化し、年金制度改革による熟年離婚件数は急増。65歳以上の1人暮らしは約600万人。65歳以上の男性の5人に1人、女性の2人に1人が独身という昨今、熟年婚活の倍増に目を付けて、金持ち男の後妻に入り財産を奪うのが、<後妻業の女>です。
そんな<後妻業の女>をテーマにした、直木賞作家・黒川博行による小説「後妻業」を原作に、ドラマや映画で多くの社会派作品を手がけてきた名匠・鶴橋康夫が監督を務め、映画『後妻業の女』が完成しました。
そしてこの度7月5日(火)、本作の舞台となった大阪にて、完成披露イベント「なにわクルーズ会見」を実施。本編にて<後妻業の女>として金持ち男をだます主役・“小夜子”を演じる大竹しのぶ、“小夜子”とともに老人をだます結婚相談所所長・“柏木”役の豊川悦司、“小夜子”のターゲットとなる不動産王・“舟山”役の笑福亭鶴瓶、監督の鶴橋康夫、原作者の黒川博行が来阪し、大阪を代表する風景である道頓堀川を舟で航行しながら水上の会見を行いました。戎橋(えびすばし)で行う水上会見は史上初となります。
水の都と称されるほどに河川が多い大阪。映画本編にも、大阪の川をめぐる船上の婚活パーティーが描かれており、大阪らしい印象的なシーンとなっています。昨年の7月〜9月という暑い時期に行われた撮影を振り返り、船に乗り込んだばかりのキャスト・スタッフの面々は暑い撮影の思い出話に花を咲かせていました。航行中、今回のクルーズで最も低い橋である深里橋にさしかかると、キャスト・スタッフともども子供の様にオーバーにはしゃぐ姿も見られました。
大阪でも指折りの繁華街を両岸に眺めることができる道頓堀橋界隈に差し掛かると、沿道には大勢の人が集まり、中には子供が「鶴瓶!」と呼び捨てで声をかける場面も。当の鶴瓶氏は、「呼び捨てにされる喜びというものもある」とにこやかに手を振って答えていました。本作縁の地にて、人情味あふれる大阪の人々とふれ合いながら行われたこの度の会見は、“人間喜劇”である作品のテーマに相応しいお披露目イベントとなりました。水上会見後はTOHOシネマズ 梅田にて700人を超える観客を前に舞台挨拶を行い、大阪・完成披露試写会を行いました。

会見コメント
≪大竹しのぶ コメント≫
長い間映画の仕事をしていますが、このような会見は初めてでとても嬉しいです。
鶴橋組は雰囲気も良くて、きつかったけど毎日「楽しい、楽しい」と思っていました。撮影が終わって仲間とサヨナラするのが寂しかったくらいです。
豊川さんは昔から共演しているので一緒にいて楽だし、楽しいし、芝居なのかわからないくらい自然でいることができました。逆に鶴瓶さんの方が「芝居している」という感じでした。鶴瓶さんとのベッドシーンでは、自然と拒否が出てしましました(笑)
小夜子は自信家だし、バイタリティにあふれていて、演じていて本当に楽しかったです。
この映画には笑いもありますが、一人で生きることのつらさ、寂しさ、厳しさも描かれています。普段あまり映画には行かないという大人の方たちにも是非観ていただきたいです。

≪豊川悦司 コメント≫
大竹しのぶさんは魅力の塊。恐ろしいくらいです。私が演じた柏木は根っからの悪人ではなく、悪党になりきれないかわいさもあります。小夜子を操っているようで、本当は操られているのかもしれません。
映画の中の婚活パーティーでも水上クルーズのシーンがありました。舟に乗り込んだ湊町でも、水川あさみさんとのシーンを撮影しています。大阪の色々な場所が登場しますが、この映画は「大阪」を舞台にしたという点が一番の肝だと思います。大阪には毒を楽しんで、笑う文化がある。人間の本質をパロディ化している映画です。

≪笑福亭鶴瓶 コメント≫
大竹しのぶさんとベッドシーンがあると聞き、本も読まずに出演をOKしました。大竹さんと濃厚な「からみ」があります。(大竹:からんでないです) 大竹さんは関西弁が非常にうまく、違和感がなかったですけど、関西の人と付き合ったことがあるんじゃないですか? (大竹:記憶にありません(笑)) その関西の方には、番組で一緒になった時に共演の報告をしました。彼は「そんな報告しなくていい」と言っていました。

大竹さん演じる小夜子みたいなおばちゃん、シミーズとズロースでそのまま外をうろうろしているような人は昔いっぱいおりました。よー似合ってた。こんな役を演じられる人はもう出てこないんじゃないでしょうか。ただ、ラブシーンだけは納得がいかない。大竹さんとのベッドシーンは、実際には手も触れさせてもらえませんでした。監督から「若いころからずっとかわいがってきた女優さんなんだから、触れないで!」と指示があったんです。

予告編で私の尻が使われていますが、奥さんには「お友達と映画を観に行った時の予告で夫の尻を見る気持ちになってみぃや!」と怒られました(笑)

≪監督:鶴橋康夫 コメント≫
映画の公開を前に、未決の囚人のような気持ちです。公開し、執行猶予くらいになったらいいと思います。ここにいらっしゃるのは大好きな役者さんばかり。またこの人たちと映画を撮りたいものです。撮影をしたのは1年前の夏でした。本日のように暑かった。
鶴瓶さんはとてもきれいな尻をしていました。地球が回っているようだと感じた。あのきれいな尻を撮れたので大満足です。

≪原作:黒川博行 コメント≫
もうすでに映画を2回観たのですが、観れば観るほどおもしろい。大竹さんキレイだわ。写真写りが悪いのでは、と思ってしまいます(笑)。実際にお会いしたらこんなにもきれいな人かと驚きました。
この映画で気に入った点は、まずシナリオです。原作とは味が違う。コメディ色が強く、華がある。やはり映画は華がなければいけません。年間150本程映画を観る私が言うのですから相当出来が良い作品だと言えます。大竹さんははまり役です。他の役者さんは考えられません。