綾野剛主演、日本映画賞を総なめにした『凶悪』の白石和彌監督の待望の最新作『日本で一番悪い奴ら』が全国公開中です。6月22日より開催中のニューヨーク・アジア映画祭ではオープニング作品として上映され、綾野剛がライジング・スター賞を受賞した本作。国外からの絶賛はもちろんのこと、国内からも本作をご覧になった方からは「脱帽!」「白石監督に敬意を表したい」「傑作!」など<日本警察史上最大の不祥事>と呼ばれる実在の事件をもとに最高のエンターテイメント作品を完成させた白石和彌監督への絶賛コメントが多数よせられております。

7月2日(土)〜7月8日(金)まで、白石和彌監督による7日間連続トークイベント実施中ですが、第三弾となる本日7月4日(月)は、本作で映画初出演、まさかのパキスタン人役に大抜擢されたデニスの植野行雄さんと、同期でハーフ芸人仲間のマテンロウのアントニーさんが登場。植野さんは本作の宣伝期間中に何度も着用した警官姿で、いまだ映画出演経験のないアントニーさんも、植野さんに便乗して警官姿で多国籍満載の舞台挨拶を行いました。

植野は日本とブラジルのハーフで、日本生まれ日本育ち、もちろん日本語しか話せない。そんな植野に舞い込んできた役柄はカタコトを話すパキスタン人。出演オファーを受けた植野は、「お話をいただいたときは、覚せい剤と銃がいっぱい出てくる話とだけ聞いてたのですが、その後ちゃんと話を伺ったら、白石監督の最新作で主演が綾野剛さんと聞いて、すぐに言いふらしましたね」と言い、アントニーもすぐに出演の話を聞かされたという。しかし、植野が演じたラシード役の候補はもう一人いた。それは、一人インド料理屋のインド人。ギリギリまで競っていたのだが、最後の最後で植野が勝ち取る。そのプレッシャーもあったか(?)「よしもとの楽屋でずっとカタコトの日本語が聞こえていた」と言い、相当カタコトの練習をしていたという。「映画に出演すると決まってから、インド料理屋に行ったけど、インド語で話しているだけだった」と笑いをとり、「監督からはカタコトでいきましょうと撮影前に言われただけ。色々調べてみたが、カタコトは人それぞれ。最終的には自分なりにやろうと思い、撮影に挑んだ」と言うも、撮影現場では不安いっぱいだったよう。しかし、白石監督は「そのオドオドしている感じがよかった」とフォローした。そして、現場に入ってからは、「演者に飲まれないようにした」。特に「獅童さんと初めてお会いしたのは、撮影ですでに黒岩の恰好だったんで、車から降りてきて、『はい、どうもこんにちわー』って。『本物でてきたー!』と思いました。撮影初日は飲みに連れてってくれて、その後誕生日会にも呼んでくれて、良くしていただいています。60人ぐらいいる誕生日会では3年ぶりにウケて、翌日高熱でた(笑)」とエピソードを語り、さらに、「剛くんとダイスくんは同じ世代なので」というと、「ちょっと待って、剛くんって呼んでんの!?腹立つー!調子乗ってるわー!」とすかさずツッコむ。そして、「僕でもよかったんちゃいますか?虎視眈々と狙ってますよ。どういう役がいいですか?」と白石監督に出演オファーするも、「黒人なんでしょうね」とシレッと返され、「『メン・イン・ブラック5』 はどうですか?」「ハリウッドに行ってくださいよ!」と逆に二人が白石監督へのハリウッド進出を後押しした。

 本作を2回見たというアントニーは、「とてもかっこよくて、面白い映画やった。行雄ちゃんの登場シーン、めっちゃ笑った。腹立つし、悔しいし、羨ましい!」とやはり自分が出演できなかったことに悔しがる。と、植野がプライベートで映画館に本作を観に来たことを監督が暴露!「0時50分の夜中の回にバルト9にホステスと見に来ました」と認め、「映画で僕が出てきたら笑ってたのでいい感じやなと思って、映画が終わったあとイキった感じで『どうやった?』と聞くと『綾野剛くんカッコイイね!』と言われて、そのまま解散でした。単に1800円おごって帰ったっていう」とぶっちゃけると会場は大爆笑!白石監督と植野、アントニーのコントのようなイベントは、終始笑いが巻き起こっていた。