三島由紀夫賞、向田邦子賞受賞、岸田國士戯曲賞など錚々たる賞を受賞し、劇団「五反田団」を主宰する、異才の天才劇作家・前田司郎が、『ジ、エクストリーム、スキヤキ』から満を持してオリジナル脚本で人間ドラマに挑んだ。前田監督のもと、強烈な魅力を放つ二人の女優、独自の存在感でトップスターの座に君臨し、『毎日かあさん』以来5年ぶりの主演となる小泉今日子と、日本映画界の若きミューズ二階堂ふみをW主演でむかえ、最強のタッグを組む。自分が本当の母親だという未来子の出現によって、退屈していた女子高生の果子は、眩い生き生きとした世界を見てしまう。そんな二人のひと夏の物語だ。まるで夏休みに宝島を探しに行くような、眩しく可笑しくも切ない、愛と孤独と成長の物語が誕生した。

 いよいよ来週6月25日(土)より公開となります『ふきげんな過去』。日本での公開に先駆け、第19回上海国際映画祭“パノラマ部門”での正式上映が行なわれ、前田司郎監督の舞台挨拶、ティーチインが行なわれました。

■『ふきげんな過去』 第19回上海国際映画祭“パノラマ部門”出品
■上映日時:2016 年 6 月 15 日(水)15:45(現地時間)から上映
■上映劇場:LUMIERE PAVILIONS
■座席数・動員数:300 席・満席完売

○司会:上海国際映画祭ははじめてですか?
○監督:はい、はじめて来ました。

○司会:上海に来てなにかしましたか?
○前田:昨日は、色々歩き回って、タニシかな?スネイルスープの米粉のラーメンを食べました 。
○司会:昨年は、脚本を手がけられた『横道世之介』が上映され、とても人気でした。
また監督・脚本を手がけた『ジ、エクストリーム、スキヤキ』も大好評でした。
(客席から盛大な拍手)

○今回は、脚本・監督を手がけた 2 作目になりますが、脚本・監督の二つの役割を切り替えて行うのは大変ではなかったですか?
○監督:普段から、舞台の脚本を書いて、演出を手がけ、出演するという三つのことをやっているので、そんなに大変ではなかったです。

○司会:最もお気に入りのシーンをおしえてください。
○監督:色々ありますが、母親のサチと娘の未来子の二人が、暗い縁側でタバコを吸うシーンがお気に入りです。

○司会:撮影中なにかおもしろいことはありましたか?

という問いに、前田監督が、ラストシーンに登場するあるものの撮影秘話について話をすると、お客さんたちは大笑い。和やかなムードで終了した。

上映後は、お客さんたちに囲まれ、サイン&写真攻めに。日本ではクスクス笑いが起きているところも、゙上海の観客はみんな大声で笑っていて、かなり盛り上がっていた。

○前田司郎監督コメント

「上海の空港で遅れている飛行機を待ちながら書いている。空港に向かうタクシーが事故って首が痛い。何もわからない状態で上海映画祭に来て、事故にもあって散々だったが、上映は素晴らしかった。満員のお客さんは携帯を弄ったり、隣の人と話したりしながら観ていたが、上映が終り、ティーチインが終わると僕のところに群がって口々に「面白かった」と言ってくれた。本当かな? と疑う間もなくひっきりなしに皆ほめてくれるのですっかりいい気になった。大変だったが、素敵な経験だった。という文章を事故で曲がった眼鏡をかけて、結局2時間半遅れた飛行機で書いている。全てひっくるめて祭って感じでした。」