斎藤工、阪本組衝撃の出会いを明かす・・・!『団地』斎藤工&阪本順治監督トークイベン
実在した女性逃亡犯の内面を圧倒的リアリティーで再現し、映画賞を総なめにした傑作『顔』から16年。日本演劇界が誇る舞台女優、藤山直美と阪本順治監督が再びタッグを組んだ最新作『団地』上映後のトークイベントが行われました。
■日時:6月11日(土)
■会場:有楽町スバル座(東京都千代田区有楽町1丁目10番1号 有楽町ビルヂング2F)
■登壇者:斎藤工(34 歳)、阪本順治監督(57 歳)
2000 年の映画『顔』でその年の映画賞を多数受賞—阪本順治監督と藤山直美が再びタッグを組んだ『団地』の大ヒットを受け、6 月 11 日(土)の最終回上映後に出演の斎藤工と阪本順治監督によるトークイベント”しゃべくりナイト“が行われた。
「五分刈りです(ご無沙汰です)。」と劇中で演じた真城役の台詞で斎藤が挨拶。上映後のフリートークということでリラックスした雰囲気で始まったイベントだったが、阪本監督が開始早々「今日何はいてるの?」と斎藤の衣装につっこむと、斎藤は下着事情を丁寧に明かして応戦、会場を沸かした。
斎藤を起用した理由として「若い人が何を考えているのか知りたくて、彼の“斎藤工務店(ブログ)”を見たら原田芳雄さんのことを何回か書いていたんですよ。彼の世代でなかなか珍しくて、原田さんへのリスペクトを感じたんですね。この人だったら、(出演者の)おじさんおばさんにも好かれるんじゃないかと。これも何か縁と感じるものがあった。」と振り返る。阪本がその日着用していたジャケットは、原田さんの形見分けということで斎藤が羽織る一場面も。
本作で阪本組初参加を果たした斎藤は、『この世の外へ クラブ進駐軍』の完成披露の打ち上げに参加した時が阪本と初対面だったと告白。その打ち上げでは、「映画以上に映画的だった」と前置きをしながら、阪本監督がある人と大喧嘩になり、その場にいた瑛太や新井浩文とよく分からないまま一緒に止めることになったというエピソードを披露。阪本も「店員が警察を呼ぼうとしたら、原田芳雄さんが『警察は呼ぶなー!」と叫んでいたり、大楠(道代)さんが厨房に颯爽と入って、ニコニコしながらおしぼりを取ってきてくれたりしましたね。」と述懐。斎藤は「もっと印象的だったのは、その一連の騒動後に、監督が喧嘩をしていた相手と肩を組んで夜の街に消えていったんですよ、あの光景は忘れられない・・・」と言うと「ロクヨン(6:4)で俺の方が正しかったんだよ!」と誰が相手だったか匂わせるような発言で会場を沸かせていた。
思春期の頃の父親との会話は映画の話くらいだった、という斎藤は「『顔』が公開された時にこういう監督が日本には必要だ、と父が熱弁しており、今回阪本組に参加できることを父が飛び上がって驚いていました。」と明かした。
撮影時のエピソードで、「藤山さんに遊んでもらったね(笑)彼のセリフは難しいんですけど斎藤くんが一所懸命、確認してるのに、藤山さんはずっと話しかけてて、(斎藤くんが)物陰に逃げても追いかけてた(笑)」」と阪本が話を振ると、「まるでレーダーがついているかのように見つけてくださるので・・。
でもそれは(藤山が好きな)阪神タイガースが調子の良い時で、阪神の調子が現場に反映されていました」と振り返った。
阪本は「映画はこうやって語るものではないと思ってるんですけど、喜劇で不思議な人間を出してはいますが、大切な人を失ったところから作った映画です。いろんな場面を見てください。」
斎藤は「僕の役は、ある意味、監督の死生観を代弁するもので、監督からバトンをいただいた気もします。ポスタービジュアルからは思いもよらぬ展開の作品ですが、これぞ映画のマジック。本作が起こすムーブメントを楽しんでください。」とアピールして締めくくった。