フランス代表として本年度のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた映画『裸足の季節』が6月11日(土)にシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAで初日を迎えました。日本公開を記念し本作のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督と5人姉妹を演じた美しき女優たちが来日。初日舞台挨拶を行いました!

日程:6月11日(土)12:00〜12:20
登壇者:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督、ギュネシ・シェンソイ(末っ子ラーレ役)、
ドア・ドゥウシル(四女ヌル役)、エリット・イシジャン(三女エジェ役)、イライダ・アクドアン(長女ソナイ役)
会場:シネスイッチ銀座 スイッチ1(中央区銀座4-4-5 旗ビル B1)

世界中に勇気を与えた!自由を奪われた美しい5人姉妹の甘美でほろ苦い反逆の物語。

本作は、トルコの小さな村を舞台に自由を奪われた美しい5人姉妹の末っ子ラーレが、運命を掴み取るため奮闘する姿を描いた物語。新鋭女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュヴェンは、長編デビュー作にしてカンヌ国際映画祭、ゴールデングローブ賞、セザール賞など40近くの賞を受賞し、アカデミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げました。また、5人姉妹を演じた女優たちは、1人を除く4人が演技初体験にも関わらず、その瑞々しい演技が評価され、数多くの女優賞を獲得。フランスでは約50万人動員のロングラン大ヒットを記録しました。初日には、彼女たちに会いたい!という観客たちが殺到。「可愛すぎる!」「胸を打たれた」「感動した!」との感想も聞こえるなか行ったサイン会には長蛇の列ができました。

【舞台挨拶内容】

上映が終わると観客から大きな拍手が巻き起こった『裸足の季節』。映画の余韻に包まれるなか入場した監督と女優たちは、満面の笑みをみせながら登壇。観客からは「可愛い!」と歓声が漏れた。

■監督含む全員が初来日。日本についての印象はーー

監督:日本に来ることができて幸せです。日本はとても伝統的な文化があり、細やかな考え方をを持っている国。本当に素晴らしい。今回、トルコを舞台とした『裸足の季節』が、これほどまでに反響を持って日本でも迎えられたことがとても嬉しいです。

エリット(三女エジェ役):個人的にも是非訪れたいと思っていた国でしたが、今回『裸足の季節』で来日できて本当に幸せ。日本の寺社仏閣などの伝統的な文化が大好きなんです。築地でお寿司を食べることもでき本当に嬉しかったです!早起きがちょっと大変だったけれど、その甲斐がありました!

ギュネシとイライダも、大好きなハチ公像と念願の記念撮影を撮ることができて大満足!興奮。舞台挨拶後も浅草橋で行われたお祭りに参加するなどと、短い滞在期間にも関わらず、初めての日本を満喫しているエピソードを明かした。

■個性溢れる5人姉妹をそれぞれ演じた女優たち。自身の役柄、そして演出についてーー

監督:キャスティングにあたり最も重要視したことは、私の話をしっかりと聞いてくれること、役柄になりきれること、そして豊かに多くを想像できること。この3つです。彼女たちが本来持っているものを引き出すために、遊んでいるかのようなリラックスした雰囲気の中で演出しました。なので、オーディションの際は、彼女たちのことを知ろうと、思い出や冗談を話してもらいました。そして、想像力や思考性を知るために、車のキーを隠して、それを探すという設定の即興演技をしてもらいました。それはシンプルだけれども簡単ではない。その中で何ができるか。どのような戦略を練って想像を働かせるのかを見てみたかったのです。

イライダ(長女ソナイ役):私は、このソナイという役柄の自由を追い求めるところが自分と近いと感じます。でもオーディションの結果が出なかったのでもうダメかも…と思っていましたが、無事出演することができて良かったです。作品がもつ社会的なテーマは、私自身とても興味がある内容だったので出演が叶いとても嬉しく思っています!

ギュネシ(末っ子ラーレ役):オーディションには多くの人がいたので自分は受からないかもしれないと思っていました。しかし、父親がチャンスはあるからと、背中を押してくれました。シナリオを読んで、とても大切なメッセージを扱った作品であることを知り、出演できてとても嬉しく思っています!日本のみなさんにも映画が持つメッセージが伝わったようで良かったです!

ドア(四女ヌル役):はじめ、この役をもらったときは果たして自分に演じられるかが不安でした。無理だと思ったこともありましたが、多くのことに思いを巡らせて演技をしていきました。この作品への出演がきっかけで、演技についてより深く学びたいと思うようになりました。今後も俳優を続けていきたいと思います!

エリット(三女エジェ役):私は、過去に映画に出演したことがありますが、とても幼かったので本能的に演じていました。しかし『裸足の季節』は、私自身、少女から女性に変わる年齢に差し掛かっていたので役柄についてとても深く考えて演じました。トルコという場所で、常に助けを待っている女性ではなく、自らの力で状況を変える登場人物たちにとても共感しました。この映画によって社会に問題提起できたことはとても素晴らしいことだと思います。監督と一緒に仕事ができてとても幸せでした。

■『裸足の季節』に込めたメッセージーー

監督:『裸足の季節』は、女性とは何であるか、またトルコにおいて女性であることとは一体どういうことであるのかを描いた作品です。トルコにおいて女性は全ての行動が「性」に結びつけられ見なされている社会です。それは、たとえ年齢が幼い少女であってもです。これは、社会において議論になる問題だと思います。その現実を破壊することが必要で、この映画を通して訴えることができたと思います。映画の登場人物である姉妹たちの目線から問いかけることで、世界中の人々に考えるきっかけを作り出すことができたと思っています。この映画が、はるばる日本でも上映され、反響を頂いていることを嬉しく思います。

と、作品についてそれぞれの思いをたっぷりと語った。マスコミ向けのフォトセッションでは観客も撮影がOKに。ぎゅっと身を寄せ合い劇中を思い起こさせる姿に、ため息があがった。舞台挨拶後に行ったイベントにはサインや握手を求める長蛇の列ができた。デビュー作、そして新人女優ながら日本の観客の心を一瞬にし

て鷲掴みにした『裸足の季節』ぜひ、スクリーンで見てみてはいかがだろうか。