このたび、フランス代表として本年度のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた映画『裸足の季節』が、いよいよ6月11日(土)よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開となります。

公開に先立ち6月9日(木)ポニーキャニオン本社1Fイベントスペースにて、デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督と
女優のギュネシ・シェンソイ(末っ子ラーレ役)、ドア・ドゥウシル(四女ヌル役)、エリット・イシジャン(三女エジェ役)、イライダ・アクドアン(長女ソナイ役)による記者会見を行いました。

【開催概要】日程:6 月9 日(木)13:30〜14:15
会場:ポニーキャニオン イベントスペース(港区虎ノ門 2-5-10 1F)
登壇者:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督、ギュネシ・シェンソイ(末っ子ラーレ役)、
ドア・ドゥウシル(四女ヌル役)、エリット・イ シジャン(三女エジェ役)、イライダ・アクドアン(長女ソナイ役)

【会見内容】

来日して初めてのイベントとなる記者会見に揃って笑顔で登壇したデニス・ガムゼ・エルギュヴェン監督と5人姉妹を演じた女優たち。初めての日本について聞かれると監督が「本当に日本に来ることができて良かったです。みんなこれが初めての来日なので嬉しく思っています。」と話すと、末っ子のラーレを演じたギュネシは「みんなと一緒にいろんなところに行ったがついにきた。ついに日本に来ることが出来てとても嬉しい!日本は他の国と異なり特別な国だと思います。」と、他の女優たちとともに嬉しさを爆発させた。

『裸足の季節』が世界で評価されたことで、
男性優位の映画界でも「女性監督」引いては「女性」そのものが認められた気がした。
それは次回作を作る上で大きな基盤となった。

デニズ監督;『裸足の季節』には、女性に対して「性」や「身体」だけで見るのをやめてほしい、
狭い考えにとらわれないでほしい、という想いが強く反映されています。映画の冒頭で、姉妹たちが男の子に肩車してもらい遊んでいたのはとても素朴な自然の遊びでしたが、社会からはそうは見られなかった。トルコにおいては多くの人が、女性に対して何をするにも「性」と結びつけて考えるからです。トルコで肌を露出させないようにヴェールで覆い隠すのはそうした理由からです。

それは、アートの歴史においても言えることではないでしょうか。女性はこれまで「オブジェ」として認識されていたように思います。しかし、それは少しずつ小さなステップではありますが、変化に向かっています。フランスでは女性監督を目指す
学生は少なく、私は、そういう意味でマイノリティーでした。しかし、映画を作り上げることによって、そうした問題を、生涯をかけて乗り越えることができると思いました。なぜなら普段の生活では保守的な人々も、映画の現場においては私に対して先生と言ってくれて、女優たちにも敬意を持って接してくれました。

『裸足の季節』がアカデミー賞にノミネートされ、数々の映画祭で評価をいただいたことは、非常に素晴らしいチャンスとなりました。初作ということで作り上げるためにたくさんの題材を探し、試行錯誤しながら作りあげた本作ですが、今後に向けての大きな力になりました。完成までに何年もかかりましたが、そのお陰で2作目の権利を獲得することにも繋がりました。

話題の次回作はハル・ベリー主演、
92年のロサンザルス暴動を基にした『Kings』
デニズ監督; 次回作は、1992年のロサンゼルス暴動の話です。トルコと同じように若い娘が登場します。
明るくはない題材ですが、感情を込めた語り口にしたいと思っています。悲劇的だけれども、半分コメディ、半分感情的で、ライトな語り口になるようにしたいと考えています。そして有名な俳優を起用しています。次回作もより純粋なところから撮っていきたいと思っています。

監督によって才能を見出された、主演女優たち。
『裸足の季節』は、自らの将来について考える大きな一歩に本作では三女エジェ役のエリット・イシジャン以外は、監督にその才能を見出された演技未経験者。
しかし、瑞々しくも、儚さと力強さが同居した個性あふれる演技は数々の国際映画祭で絶賛。5人姉妹を演じた女優たち全員に多くの主演女優賞が贈られた。本作に出演した感想や、それによって生まれた夢を聞くと…

◼エリット・イシジャン(三女エジェ役)
「これまで2作品に出演経験があり、それを見た監督から声をかけてもらいました。“自由を求める女性の映画”だと聞いて、自分に適した映画だと思ったんです。私は、現在大学3年生でビジュアルアーツを学んでいますが、
デニズ監督と一緒に仕事をしたことがとても刺激的で、将来は女優だけでなく、監督業もこなしていきたいと思っています」

◼ギュネシ・シェンソイ(末っ子ラーレ役) 
「芸能プロダクションに所属していて、『裸足の季節』のオーディションに参加しました。
将来は本格的に女優になりたいと思っています。来週からL.A.へ渡り、そこで演技経験を積む予定です」

◼ドア・ドゥウシル(四女ヌル役)
「『裸足の季節』に参加するにあたって、家族がとても後押ししてくれました。
私も、今後は演技の勉強をして女優として極めていきたいです。」

◼イライダ・アクドアン(長女ソナイ役) 「『裸足の季節』に参加したことで、より演技について興味を持ちました。
そして映画は、女性の自由や自らの意見を訴えかけるのに理想的な媒体である、とも思えました。これからも演技に限らず、ディレクションする側としても携わりたいと考えています。」

今後の活躍が期待される監督と女優たちの、明るく溌剌とした記者会見となった。公開はいよいよ6月11日(土)から。
ぜひ、世界が注目する新たな才能をスクリーンで見てみてはいかがだろうか。以上、ご紹介のほどよろしくお願い致します。