●スクール水着が感動を呼ぶ!
『キネマ純情』女の子同士のキスシーン、パンチラが作品の重要な要素を占めているが、スクール水着も特別なアイテムとして登場する。クラウドファンディングの際に、支援金が100万円超えればメンバー全員のスクール水着のシーンを撮ると条件を付けた。
「締め切りの日に1時間ずつ上がって行ったんです。欽ちゃんの仮装大賞のボン、ボボンボボン!みたいな感じで」

その結果実現したクライマックスのスクール水着シーン。
「私はラストシーンはスクール水着着てたから泣きましたよ」とゆんゆん。
“アホみたいな格好”のスクール水着姿で呪縛を解こうと奔走するヨシエを演じつつ感動したという。
「ヨシエちゃんめっちゃいい子って思って(笑)」

そのキスシーンで涙を流す設定は脚本になかった。
「その時の2人の心の波動とゆんゆんの“こんな格好してめっちゃいい子!”って感情が入ったってことですかね」
井口監督も思わずもら泣きしそうになるという感動のシーンはスクリーンで観て頂きたい。

●ノーメイクスの衣装の秘密とは
Q&Aでは観客から「目にも鮮やかなライトブルーのコスチューム、素晴らしかったです。シネマのストーリーで言いますと、ライトギャルズラブ、そしてライトフェチ、ライトコメディ。とても明るく良かったです。今後はこの3つをキーポイントとしてプロモートされる訳ですか?」
という質問が。井口監督は、この色は彼女たちの個性を表すポイントとなると語る。
「アイドルの色であんまりない色にしたかったのと、大阪万博のコンパニオンの衣装を元にしてるんですよ。今のアイドルと真逆な部分を作りたいなと思って。昭和館みたいなものを作りたかったんです。大阪万博が大好きなんで、これが逆にレトロフィーチャーかなと思って」

こうして誕生したノーメイクスだが、メンバーから
「今いろんなアイドルの現場に声を掛けてもらう事があるんですけど、やっぱり私達って馴染まない(笑)」
「お笑いに間違えられるね」
「アイドルには見られないね」
という声が。しかしだからこそ、
「逆にちゃんと覚えて貰える」というポジティブな意見も。

井口「アイドルというカテゴリには収まらない個性っていうものを強調していきたいんで、それはこの色であったり、メンバーのルックスやキャラクター(笑)。みんな歌よりお芝居を得意とする子たちでもあるので今後もその辺を膨らませて行きたいなと思っています。『キネマ純情』は名刺代わりの作品で、それをさらに拡大した映画とかお芝居を今後やれたらいいなという風に思ってます」と意欲を見せた。

●トイレの真横でも輝けるアイドルとして!
更に他の観客からは、エンディングでアイドルである5人が男子トイレの前で踊っていることに指摘があり、井口監督は撮影出来る空間があの場所しか無くなってしまったと説明。

「撮影したのがスポーツセンターで、子供たちがいろんなところでスポーツしてて、僕ら追いやられて行ったんですよ。
空手家のおじさんに怒られたもん。スクール水着着てお前ら何やってるんだ!みたいな事言われたり(笑)」

良識あるスタッフからもトイレの真横での撮影に「いいんですか。アイドルなのに」と確認が入ったという。
「これはある意味僕のポリシーって言うかね。今はタレントさんがNGとか多いんですけど、そういうことから逆行したかったんです。僕が集めた女優さんたちなんで。トイレの真横でも明るく踊れるのが本当のアイドルじゃないかと思って」

そんなアイドルの常識を超えたノーメイクスの魅力が堪能できる『キネマ純情』は、第七藝術劇場と神戸・元町映画館にて5/27まで公開後、6/4からは京都・みなみ会館、6/22からは広島・横川シネマにて公開予定となっている。
エンディングを飾るノーメイクスの『エンドロールで席を立たないで』の「フィルムの終わりから明日は来るよ」というフレーズが、キスで自分たちの未来を切り開いていく女の子たちの勇姿に重なる。
劇場にて極上の非日常体験をぜひお楽しみ頂きたい。

(Report:デューイ松田)