「新しい映画の可能性を発信する」ことをコンセプトに、再開発が進む渋谷の街に誕生した「シブヤガワ映画祭」が2016 年10 月(予定)の第1 回映画祭のプレイベントとして、5 月29 日(日)にライゾマティクスの齋藤精一さんを迎えて記念トークイベントを開催致しました。

『シブヤガワ映画祭2016 プレイベント』記念トークイベント
■日時:5 月29 日(日) 14:45-15:45 の上映終了後(15:45〜16:55 トークイベント)
■場所:Detour a Bleuet (デトールアブルーエ) 住所:東京都渋谷区神宮前6-13-3
■登壇者:齋藤精一

《ライゾマティクス齋藤精一氏コメント》

Q1:今回、シブヤガワ映画祭「ナイショの渋谷」企画のキュレータをお引き受けいただけた理由を教えてください。
はじめてシブヤ大学映画祭部からこのお話をいただいたとき、今は埋もれている「渋谷川」にスポットライトを当てた映画祭というところに魅かれました。また、普段、映画を語るという機会もないので、興味深くて引き受けることにしました。

Q2:今回の「ナイショの渋谷」企画は事前に上映作品のタイトルを明かさずゲストが選んだ秘密の映画を上映するという実験的な試みでした。齋藤さんには『もしも建物が話せたら』をセレクトしていただきましたが、日本の建物で話させてみたい建物はありますか?
代々木体育館と中銀(カプセルタワー)ビルです。特に中銀ビルは日本発の建物の中でも、海外のアーティストに影響を与えている建物なので、しゃべってもらったら面白いと思います。

Q3;齋藤さんの建築論の中で映画はどのような影響を与えましたか。
元々、コロンビア大学の修士過程で建築に関わる中で、「この建物はどんな形になったらいいのか」ということを考えていました。その頃に大学の先生に「毎日映画を観ろ」と言われ、色々な映画を薦めてもらいました。そして、映画を通して建築を考えることにより、映画からたくさんのものを吸収してきました、映画がもつストーリー性に建物を重ね合わせることにより、この建物はどうなりたいのかをシュミレーションするようになったのもその影響です。

Q4:建築と映画の概念は似ていると思いますか?
映画監督は映画の中に都市を作り上げる。建築家はまちづくりを考え、そこから街のストーリーを考えるという意味では共通する部分は多いと思います。本来、建築家もコンダクターのような感覚で街や建物を作っていかなければならないのに、最近は民意を汲み過ぎているように思います。もちろん民意をどのように扱っていくかも大切ですが、もっと哲学的な見方で物を作っていかなくてはならないと思います。

Q5;映画の原体験について教えてください。
『ネバーエンディングストーリー』は幼い頃は本当にある世界だと信じていました。あと、『グーニーズ』は大人になった今でも観てしまいます。

Q6:シブヤ映画祭部に向けてメッセージをお願いします!
シブヤ映画祭部のような市民でつくる映画祭は、色々な障壁もあり、とても大変だと思いますが、日本を元気にすることになると思うので、これからも頑張ってください。