数々の名作、ヒット作で世界中を熱狂させてきたスティーブン・スピルバーグが、久々にファンタジーを監督することですでに話題沸騰の映画『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』のワールドプレミアがカンヌ映画祭にて5月14日(現地時間)に行われた。本作はSFファンタジーの金字塔『E.T.』で少年と異星人とのハートフルな交流を描いたスピルバーグが、『チャーリーとチョコレート工場』の原作者と共に新たに贈るのは、少女と“やさしい巨人(BFG)”の心温まる友情と奇想天外なファンタジー・アドベンチャー。

世界三大国際映画祭のひとつであり、全映画人の憧れでもあるカンヌ国際映画祭。今年で69年目を迎えた歴史ある場として、多くの著名人が名を連ね、4600人以上の取材陣が集まり、日夜映画のコンペティションや上映会、新作のお披露目イベントなどが行われ熱気あふれるフランス・カンヌ。本作の監督スティーブン・スピルバーグ(69)がカンヌの地を初めて踏んだのは1974年、自身初の長編作品『続・激突/カージャック』(1974)にて脚本賞を受賞した。そんな彼が満を持して今タイトルの如く“ビッグ”な作品を引っ提げてここカンヌに戻ってきた!現地時間5月14日。大勢のマスコミに囲まれ熱気立つ『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」ワールドプレミアがついに開催。厳選された400人のカメラマンと50台以上のTVカメラが連なり、取材陣もまた伝統あるドレスコードに身を包んでカンヌの大舞台に華を添え、今作のキャスト陣を待ち受ける。プレミアにはスティーブン・スピルバーグ監督の他、今年の第88回アカデミー賞にて同じくスピルバーグ作品『ブリッジ・オブ・スパイ』(2016)にて助演男優賞の受賞が記憶に新しいイギリスの名俳優、マーク・ライランス(BFG役・56)、オーディションで巨匠スピルバーグの目にとまり女優歴わずか2年あまりでスクリーンの主役へと駆け上がった“奇跡の新人”女優のルビー・バーンヒル(ソフィー役・10)、をはじめとする出演キャストたちが駆けつけ、カンヌのメイン会場となるPalais des Festivalsの赤い大階段を前に、今作のお披露目を盛大に祝った。今作で主演を演じるマーク・ライランスは「楽しいよ、すごく興奮するよ。」と興奮を抑えられない気持ちを述べた。会場からは割れんばかりの拍手喝采となり、笑顔で答えるキャスト、スタッフたちからは今作への確固たる自信と公開前の膨らむ期待感が伝わってきた。
 
また今回、ワールドプレミアにあわせてマスコミ記者会見も開かれキャストやスタッフ陣が熱い思いを語ると共に、まだ見ぬ期待の今作の全貌が初めて明らかとなった。スピルバーグ監督は近年シリアスな作品を撮り続けている中でファンタジー作品を選んだことについて「想像の中の世界をストーリーとして語るということをしてみたかったんだ。歴史的な映画を作るとき、歴史の事実を正しく伝えるためにこのような想像力は横におかなければならない。しかし、今回の作品はそういう規制がなく、自由な形で展開できた。若いフィルム・メーカーに戻ったような気持ちになったね。」と34年前にメガホンを取った「E.T.」を思い起こすフレッシュな気持ちで挑んだ作品であると述べた。また、今作のような素晴らしい作品を撮り続けることについて「僕はいつも良いストーリーを追い求めているんだよ。ときには子供達の顔を見てピンとくることもある。僕はまさにこの『BFG』の原作を子供達のために読んであげていたんだ。そのときに子供達の反応でよくわかるんだよ。この物語は子供達の心をしっかりと掴む美しい物語だから、原作の世界をもっと広げられると思ったんだよ。」と名作を生み出す秘訣は意外にもありふれた日常の一コマにあると語った。スピルバーグが認めた“奇跡の新人”ルビー・バーンヒルは人生で初めての報道陣を前にやや緊張した面持ちをみせるも「今回の映画は初めての大作です。子供のTVショー番組にでたことはありましたが、今回は本当に夢のような経験をしました。今、こうしてカンヌ国際映画祭に来ているなんて、すごい経験だと思います。やったー!って感じ。」と自ら小さなガッツポーズをし周りの拍手を誘うと共に天真爛漫な笑顔を見せ、照れながらもしっかりとコメント。隣に座るスピルバーグ監督は「よくできました◎」の意を込めルビーの頭を撫で、温かく微笑ましい会見となった。

カンヌの熱を帯びながら、日本公開は9月17日に決定し、ますます期待が高まる今作!今回カンヌ国際映画祭と共に日本では初の特報映像が解禁される。物語の舞台はロンドン、児童養護施設に暮らす好奇心旺盛な少女ソフィーは、真夜中に窓から入ってきた“巨大な手”に持ち上げられ、「巨人の国」に連れ去られてしまうというなんともミステリアスでドキドキする内容。この後の展開が非常気になる本作からまだまだ目が離せない。

《記者会見》
◇スティーブン・スピルバーグ(監督)コメント
「(久しぶりにファンタジー映画を撮ることについて)想像の中の世界をストーリーとして語るということをしてみたかったんだ。歴史的な映画を作るとき、歴史の事実を正しく伝えるためにこのような想像力は横におかなければならない。しかし、今回の作品はそういう規制がなく、自由な形で展開できた。若いフィルム・メーカーに戻ったような気持ちになったね。原作が素晴らしいだけでなく、その原作を友人でもあるメリッサが素晴らしい脚本として書き上げてくれた。自分の夢が実現するなって思ったんだ。素晴らしい形での再会になったね。僕はいつも良いストーリーを追い求めているんだよ。ときには子供達の顔を見てピンとくることもある。僕は7人の子供を育てた父親だけど、僕はまさにこの『BFG』の原作を子供達のために読んであげていたんだ。そのときに子供達の反応がよくわかるんだよ。この物語は子供達の心をしっかりと掴む美しい物語だから原作の世界をもっと広げられるなって思ったんだ。」

◇ルビー・バーンヒル(ソフィー役)コメント
「今回の映画は初めての大作です。子供のTVショー番組にでたことはありましたが、今回は本当に夢のような経験をしました。今、こうしてカンヌ国際映画祭に来ているなんて、すごい経験だと思います。やったー!って感じ。」