森田監督のデビュー作『の・ようなもの』の 35 年後が描かれた『の・ようなもの のようなもの』の初日舞台挨拶が行われた。

■日程:1月 16 日(土) ■会場:新宿ピカデリー スクリーン1(東京都新宿区新宿 3-15-15)
■登壇者 松山ケンイチ、北川景子、伊藤克信、尾藤イサオ、野村宏伸、杉山泰一監督

主演のさえない落語家・志ん田を演じた松山は、第一声「こんな沢山のお客様の前だとさすがに緊張しますがよろしくお願いします!」ヒロイン・夕美役の北川は「一昨年の夏に撮影をしたんですけれどもこうやって初日に沢山の方に観て頂けることが私たちの喜びなのでとてもうれしいです。」と挨拶。
撮影以来、北川と顔を合わせた尾藤は「(北川が娘役を演じたことについて)こんな素晴らしい方が娘になってくれるのか!と。(笑)僕は師匠役なので、志ん田の落語についてダメだなんだ、と言うんですが、本当のところは松山君がそれはまあ、素晴らしいとしか言いようがなかったです。前作も含め、思い出が色々ある映画です・・(笑)」と過去のエピソードに会場を笑わせる。
松山は伊藤との共演シーンについて、「〝伊藤克信“という個性というか人間がもう強い。隣りでやっていて、思うところが沢山あるんですよ!標準語でこっちは頑張っているんだぞと。」伊藤の存在感?!について強敵だった、と絶妙な掛け合いをみせた。
そして、故・森田芳光監督夫人であり本作のプロデューサー・三沢和子氏の感謝の気持ちを込めた手紙を代読。

「(松山さんへ)松山さん素敵な志ん田をありがとう。森田が、『男たちの大和/YAMATO』を観て『凄い役者をみつけた!』と目を輝かせて帰ってきた様子が今でも目に焼き付いています。
松山は(自分と)感性が一致する、とその後もずっと絶大な信頼を置いていました。役作りのためとはいえ身体にはくれぐれも気を付けてくれよ、と誰かが言っていますよ。」
「(北川さんへ)『間宮兄弟』で北川さんの感性の鋭さ、女優としての適性を感じ、その時から森田にとって生涯一緒にやっていきたい女優さんになりました。こんなに素敵な大人の女性になって。とても頼りになりそうな旦那様のお力を頂いて、ますます素敵な女優さんになってください。
ご結婚おめでとうございます!DIO(どうぞ、いつまでも、おしあわせに)」とDAI語でメッセージを送った。松山は「森田監督ともっともっと一緒にやって、森田監督と自分も同じところに立って、ここはこうしたほうがいい!とかぶつかり合いたかったんです。まだまだチャンスあると思っていたら亡くなってしまって。そんな風に思っちゃダメなんだなと。今ぶつかれよって思いましたね。」と目頭を熱くした。北川は「初日ですから笑顔で、と思ったのですが胸がいっぱいです。今日もきっとこの様子をどこかで見ていると思います。こんなに沢山の方にお越し頂いて今日は本当にありがとうございます。」と目をうるませるも笑顔で応えた。
最後にこれから観る方へのメッセージとして二人は「緊張する映画ではなくスッキリする映画。疲れた人にぜひ!」「肩の力を抜くきっかけになる作品です!」とアピールし締めくくった。