MC:ありがとうございます。続けて、蒼井さんにお伺いしますが、
本作では「家族会議」のシーンが非常に重要なシーンとなっております。
リハーサルだけで丸 1 日、撮影も 5 日間かけたというこのシーンの現場は、
どのような雰囲気だったのでしょうか。

蒼井:シーンがシーンだけに中々OKが出なくて重い雰囲気でした。
8人で励まし合いながらやっていきましたが、私はまだ家族ではないので会議を観ているだけでした。
ちょうど向かいでサングラスをかけた西村さんが真剣に演技していたので、笑ってしまいそうでした。

MC: ありがとうございます。それでは続きまして、中嶋さん・正蔵さんご夫婦にお伺いします。
監督の演出や現場でのエピソードについてお尋ねしたいと思います。
中嶋さん今回の成子役は、怒ったり泣いたりと大忙しで、感情の変化が求められたかと思いますが、
山田監督からの言葉や演出で、特に印象に残っていることはありますでしょうか?

中嶋:感情の起伏が激しい役でしたが、監督から「真剣に生きていればいい」と言われ、
初心に帰ったような気持ちになりました。

MC:ありがとうございます。続いて林家さんにお伺いします。
『東京家族』の撮影では、なかなか監督からの OK が出なくらっきょうを107粒も食べたという苦労話が
話題となりましたが、今回の撮影で特に「つらいよ」だったことはございますか。

林家:今回は溺れるほどお茶を飲みましたよ!
65、6杯までは数えていましたが蒼井さんがニヤニヤ笑うんですよ。

蒼井:「論点がずれてますよ」と言った直後に飲むお茶で溺れていました。

林家:お茶で溺れたのは初めてです!

MC:ありがとうございます。それでは最後に、西村さんにお伺いしたいと思います。
これまでの数多くのコメディや喜劇作品にご出演されてきた西村さんですが、山田監督
作る喜劇の現場を初めて体験されて、いかがでしたでしょうか。

西村:日本を代表する喜劇作家の山田監督、そして素晴らしいキャストの皆さんとご一緒できて感無量です!

※以下場内質疑応答へ

MC:ありがとうございます。それでは会場の記者の方から質問を受け付けたいと思います。

Q:『東京家族』の制作時から喜劇と言う発想はあったのですか?
また先ほどお話に出た雑談のなかからアイデアが生まれたというのを具体的に教えて下さい。

山田監督:視点をずらすと滑稽にみえるというのは作りながら思っていました。
喜劇として作るのが可能だと考えてクランクインを迎えられた時とても嬉しかったです。
雑談の中からアイデアが出てきたというのは蒼井さんのお話からです。

橋爪:そのことを裏で話していたら、蒼井さんが「それなら私が先生ね」と言っていて、
空いた口がふさがらなくなりました。(笑)

山田監督:原案だから蒼井先生だね。

蒼井:それは私の周りにいた不幸な友達のことを話しただけなので……。

山田監督:でもそれを覚えていて話したことがきっかけなんだから。

蒼井:じゃあ蒼井先生で(笑)。

MC:ありがとうございます。それではほかにご質問ありますか?

Q:このチームだからこそ生み出せたものというのはありますか?

山田監督:長い時間一緒に仕事をしていると独特のアンサンブルというものは
生まれてくると思います。『東京家族』の皆さんの音がとてもいいなと思ったので、
続けて作ることになりました。

MC:ありがとうございます。それでは次を最後の質問とさせていただきたいと思います。

Q:妻夫木さん、蒼井さんにお伺いです。お話を伺っていると良い現場の雰囲気が伝わってきますが、
家族としてチームワークを感じる瞬間はありましたか?

妻夫木:笑いを生みだすのは難しいなと感じています。
真剣に生きれば生きるほど滑稽に見える瞬間はあると思うので、一緒に戦う戦友として、
深く話さずにも分かりあえる関係だと思います。

蒼井:山田監督からOKをもらうハードルは高いので、ハードルを乗り越えて戻ってきたら
「お疲れさま!」という連帯感があると思います。妻夫木さんとは知り合ってから10年くらい。
毎回違った形で共演させていただいているので、今回の婚約者という設定は知り合ってからの
年月が芝居に生きているかなと思いました。

以上