この度、監督の行定勲、原作の加藤シゲアキに加え、本作に熱いコメントを寄せて頂いた
漫画家・ひうらさとる(代表作に「ホタルノヒカリ」など)の登壇の大ヒット記念トークイベントを実施いたしました。
また、ひうらさんご自身の漫画最新刊に、加藤さん、行定監督それぞれサインと似顔絵入りの
サプライズプレゼントがあったというお2人。
イベント中、似顔絵を見せていただくことになるも、恥ずかしそうにする加藤さんと、行定監督。
口をそろえて『格好良すぎだから、見せたくないよ〜。』と恥ずかしがる一幕もあり、会場から笑いが起こりました。

クリエイターならではの目線、切り口で繰り広げられた本トークセッション。
漫画家、小説家、映画監督という異なる職種で活躍する3人が創作活動について、
また、原作の映像化について、それぞれの目線から熱いトークを交わしました。

『ピンクとグレー』 大ヒット記念トークイベント 概要

◆日程 :1月18日(月) 
◆登壇者:行定勲監督、加藤シゲアキ、ひうらさとる(漫画家) 
◆場所 :TOHOシネマズ新宿 スクリーン9 (東京都新宿区歌舞伎町 1-19-1 3F) 

<ひうらさとるさんが本作に寄せたコメント>
…騙された!完全に騙されたーーー!行定監督特有の淡く甘やかな青春映像、
中島くんの完璧なザトップアイドルぶり、
菅田くんの絶妙な屈折描写、ごと騙されたーー!
観た人と語り合いたいので早く!早く観て!!
ひうらさとる(漫画家)

<トークの内容>

MC:本日は、大ヒットを記念して、原作者である加藤シゲアキさん、監督を務めた行定勲監督に加え、
本作に熱いコメントをお寄せてくださった『ホタルノヒカリ』などのヒット作で知られる
漫画家のひうらさとるさんをスペシャルゲストに迎え、トークショーを開催させていただきます。
それでは、さっそくご登壇頂きます、加藤シゲアキさん、行定勲監督、ひうらさとるさんです。
拍手でお迎えください。まずは、皆様からご挨拶をいただきたいと思います。

加藤:原作者の加藤シゲアキです。
まさかこういう日に大雪が降るなんて思いませんでした!(笑)
たくさんの方にご来場いただけて嬉しいです。今日は楽しんでいってください。
よろしくお願いします。

行定監督:こういう日に限って風邪を引いてしまいまいた・・・・
声が森進一みたくなってしまっていますが、よろしくお願いします。(笑)

ひうら:はじめまして。ひうらさとるです。
今回は、コメントを寄せた縁でご一緒させていただくことになりました。
今日は、一視聴者としてお話できればと思います。

MC:まずは、加藤さん、行定監督、原作も40万部突破となり、
加えて映画が大ヒットとなりました!周りの方の反響などいかがでしょうか?

加藤:まだあまり実感が沸かないんですが、周りから「(映画を)観て来たよ」とよく言われます。
昨日ジムに行ったんですが、トレーナーさんも映画を渋谷で観てくれたみたいで、
「満席だったから、予約しといて良かったよ!原作も読みたくなった!」と言ってくれて嬉しい限りですね。

行定監督:「久しぶりにたくさんお客さんがいる中で映画を観た。」と言っていただけたんですね。
62分後の衝撃あたりで劇場内がザワザワして、一体感のようなものが生まれていたって。
そこから映画も加速していきますしね、(そういった反応は)嬉しいですね。

MC:ひうらさんは、本作について、熱いコメントをお寄せいただきましたが、
映画『ピンクとグレー』をご覧になった感想を、ぜひお聞かせください。

ひうら:始めは62分後の衝撃に驚かされないぞ!と思って観ていたんですね。
前半部分は、行定監督らしいなぁとか、中島くんはアイドルみたいにキラキラしているなぁとか
菅田くんはさすがだなぁとかいろいろ考えていたんです。
でも途中から違和感があったんですよね。シーンの1つ1つがあまりにもきれい過ぎるなと・・・
そして、あの62分後の瞬間、衝撃が走りましたね!その後少しの間、意識がなかったと思います・・・

行定監督:前半はヘタな青春映画のように撮りたかったんですよね。(笑)
でも俳優たちは一生懸命にちゃんと演技をしてくれる。だから、そのさじ加減が難しかったです。

MC:映画を観た後で、原作を読み、再度映画を観られたと伺いました。
原作のご感想をお教えください。

ひうら:構成がすごく気になりました。
時間軸がバラバラになっていて、読んでいて(村上龍の)「コインロッカー・ベイビーズ」みたいだなって思いましたね。
それから、(小説を)書くことの喜びが伝わってきました。

MC:実は、ひうらさんは昔、行定監督にお会いしたことがあると伺っております。
ぜひ、その時のエピソードをお聞かせください。

ひうら:19年くらい前に芸能界ものを書くために参考にしたいと思って現場に取材に行ったのが、
行定監督の劇場長編デビュー作『OPEN HOUSE』だったんです。
実はそのことは覚えていなくて、今回、行定監督の作品について調べていたら、
「あれ、見覚えがある!」と気付いたんです。(笑)

行定監督:僕も正直、全く覚えていないんですよね。(笑)

MC:ありがとうございます。それでは、本日は「クリエイタートークセッション」ということで、
ちょっといつもの映画の舞台挨拶とは違った角度で、深いお話を伺えればと思っております。
みなさまよろしくお願いいたします。
監督は兼ねてから『0から1を作りあげる』小説家や漫画家に対する敬意や思いを語られておりますが、
映画監督からみた原作者への思い、原作者から見る映画監督へ思いをお教えください。

行定監督:日本は、原作があって映画化されることが多いです。
僕の場合は、原作に独創的なものがあって、リスペクトしていないとやれないです。
小説家が何を書こうとしているかというテーマをしっかり押さえることができれば、
映画ではある意味逸脱するというか、ある程度やらせて頂いてもいいんじゃないかと勝手ながら考えています。
もちろん、原作者の方にも色々な考え方があると思います。
小説と映画は別物だからと言ってくれる方は、試されている気になりますね。(笑)
加藤くんの場合は、まず脚本を読んだときに「実験的な精神にあふれててすごいですね」とコメントしてくれました。
僕の試みを「やってください!」と背中を押してくれたようで勇気が出たんです。

加藤:僕は映画が好きですし、小説にも映画にもそれぞれ魅力があると思っています。
「カッコーの巣の上で」とか、どちらも素晴らしいですよね。
「ピンクとグレー」に関しては、まず行定監督が作品をとても愛してくれていて、
嬉しかったですし、大胆なアレンジが面白かったです。
僕を気にしてやりたいことができないよりも、この作品でやりたいことを好きにやって
遊んでもらった方が面白くなると思いましたね。
確かに自分自身もキャラクターに愛着を持ってしまう事もありますが、
それは個人的な主観でしかないし、映画は大衆に向けたものなので、何も言うことはなかったです。