終戦から70年。「父と暮せば」で広島を、未完となった「木の上の軍隊」で沖縄を舞台に描いてきた井上ひさしさんが、どうしても書きたいと強く考えていたのが、長崎を舞台にした物語でした。その思いに強い衝撃を受け、監督はこの『母と暮せば』を作ることを決意しました。

母親・伸子役には吉永小百合、息子の浩二役には二宮和也。
原爆で亡くなった息子と残された母親の儚くてやさしい日々を丁寧に描き、エンディングの後に込み上げるのは「大切な人に会いたい」という想いです。
50年以上に渡り家族の絆を描いてきた山田洋次監督が贈る、母子の感動の物語です。

そして12月10日(木)に、松竹映画館<新宿ピカデリー>において、恩賜財団母子愛育会のご協力により、映画『母と暮せば』チャリティ試写会を開催致しました。

本行事の視察と映画鑑賞の為に恩賜財団母子愛育会総裁の秋篠宮妃殿下が御成り致しました。
また試写会終了後に秋篠宮妃殿下との御懇談の後、山田洋次監督、主演・吉永小百合の、囲み取材を実施いたしました。

【チャリティ試写会 イベントレポート】
■日時:12月10日(木)
■場所:新宿ピカデリー(新宿区新宿3丁目15番15号)

吉永小百合・山田洋次監督 囲み取材内容

Q:秋篠宮妃殿下と山田監督は一緒に映画をご鑑賞されましたがいかがでしたか?

山田洋次監督:いざ映画を観始めると夢中になってしまい、荒探しをしてしまったり、「ああこうやっちゃったか」とか「ここは上手くいっているな」とかを感じながら観ていました。
暗かったので涙を流されていたかは分かりませんが、妃殿下がしんみりしていらっしゃる様子は伝わってきました。

Q:映画を鑑賞された後にどのようなお話をされましたか?

吉永小百合:細かい部分もきちんとご覧いただいていて細部へのご質問もいただきました。
長崎市民が合唱に参加していたこともご存じでした。

Q:舞台となった長崎には何度も行かれておりますが、現地の方は喜んでいらっしゃったのではないですか?
山田監督:先日行った試写会も大いに盛り上がっていただきました。

吉永小百合:サプライズで二宮さんがお越しになった時は黄色い声援が凄かったです。

山田監督:もう声援というか悲鳴のようでした。

Q:この作品をどのような方にご覧いただきたいですか?

山田監督:特に若い人に向けてつくっているわけでもないので、年配の方も、中年の方も、子どもだろうと人類の平和や戦争について真剣に考えている方に観ていただきたいです。

吉永小百合:今は真剣に考えていなくて、ご覧になるきっかけが嵐のファンということでも良いと思います。
ご覧いただいて、感想や家族の大切さなどをお話になるきっかけになると嬉しいです。

Q:ご覧になった後、妃殿下と具体的なお話や感想はおっしゃっていましたか?

山田監督:先ほども少しお話に出ましたが、坂本龍一君の曲を長崎市民の皆さんが合唱している、ということをご存知でしたし調べていらっしゃるなと感じました。

吉永小百合:私が助産婦の役でしたので、命の瞬間を扱う大事なお仕事として感心を持たれていたように感じました。

 以上