何があっても離れない夫婦の十年を描いて、報知映画賞最優秀監督賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞(木村多江)、ブルーリボン賞最優秀新人賞(リリー・フランキー)など数多くの賞を受賞した名作『ぐるりのこと。』(2008年6月公開)から7年。
誰もが待ち望んだ橋口亮輔のオリジナル脚本による長編映画『恋人たち』が、11月14日からテアトル新宿ほか全国にて大ヒット上映しております!

通り魔殺人事件によって妻を失い、橋梁点検の仕事をしながら裁判のため奔走する男、アツシ。そりが合わない姑、自分に関心をもたない夫との平凡な暮しに突如現れた男に心が揺れ動く主婦、瞳子。親友への想いを胸に秘める同性愛者で、完璧主義のエリート弁護士、四ノ宮。心に傷を抱えながらも、幸せを求めて生きる3人の“恋人たち”を、稀代の才能・橋口亮輔は、時折笑いをまじえながら繊細に丁寧に描きだす。どんなに絶望的な世界であっても肯定し、ささやかな希望を胸に再び歩き出す——明日に未来を感じることすら困難な今、私たちすべての人に贈る、絶望と再生の人間ドラマの傑作が誕生しました。

公開がスタートすると、たちまち連日満席・お立ち見が続き、3週目で興収1,700万円という最速記録(※テアトル新宿)を更新!
「間違いなく今年の映画でナンバーワン」「あまりの衝撃、感動ですぐ席を立てなかった」 「劇場で拍手がおきたのでさらに泣けた」 など絶賛の熱が拡がっています!さらに、12/4放送「王様のブランチ」ミニシアターランキング第1位、coco映画レビュアー満足度ランキング第1位、ぴあ映画初日満足度ランキング第1位など橋口監督ファンのみならず、より幅広い層に支持され、19日(土)からは渋谷シネパレスでの上映も決定するなど、続々拡大公開も決定しています!公開から4週がたっても『恋人たち』の勢いはまだまだ留まることを知りません!この度映画の大ヒットを記念して、橋口亮輔監督とリリー・フランキーさんがトークイベントを開催しました。

<イベント概要>
日程 :12月5日(土) 17:30 〜 18:00 (15:10の回上映後)
場所 :テアトル新宿 (新宿区新宿3−14−20 新宿テアトルビルB1)
登壇者: 橋口亮輔監督、リリー・フランキーさん、司会:門間雄介さん(ライター/編集者)

<トークイベントレポート>
イベント当日は、公開から4週たっているにも関わらず、満席・お立ち見が出るという盛況ぶり。

登壇した監督は開口一番「聞いたら、(『恋人たち』初日以来)過去最高記録の動員と聞きました。本当にありがとうございます。」
と感謝の言葉を口にした。リリーさんも、「監督と楽屋にいたら、会場から自然と拍手が聞こえてきて、舞台挨拶がない時にも拍手が起こっているみたいですね。こういうことは他にそう聞いたことがないので驚きました。橋口さん本当に映画完成してよかったですね。ちなみに僕が出ていたの気がつきました?」とジョークを飛ばし、会場を沸かせた。

橋口作品への参加は、前作『ぐるりのこと。』に続き2回目のリリーさん。「撮影は緊張しましたね。僕は緊張ということを、ほぼすることがなかったんですが。それはやっぱり橋口さんが久々に長編を撮るということと、そして篠原さん(アツシ役)の気持ちのテンションを見ていたら、これは俺がヘラヘラやって帰るという感じではいけないぞという気持ちになりました。久しぶりに、こういう気持ちになりました。」と本音を語った。

本作では、ワークショップにリリーさん自身も見学に行かれたそう。監督は「一番面白いエチュードをする人間を、リリーさんと木村多江さんが来る日に当てました。彼らに度胸をつけてもらわないといけないから。あえてそういう状況にしたら、ま〜みんなできない(笑)そりゃそうですよね、目の前にリリー・フランキーと木村多江がいるんだから、ガチガチになってましたよ。いい勉強になったと思いますけどね。」と語った。
リリーさんは、「最初は橋口さんがワークショップを始めたときには、「橋口さん大丈夫かな、また神経すり減らしてないかな」と心配になりましたが、でもワークショップをはじめたら橋口さん自身が生き生きしていて調子が良くなっていて。意外に、こういう風に人との出会いをきっかけに、橋口さんはどんどん映画を撮り出していくんだなと思いました。」と胸の内を語った。

実は今日まで、リリーさんは監督に映画の感想を伝えていなかったそう。改めて感想を聞かれると「この映画は、橋口さんはもちろん素晴らしいし、出ている役者さんも本当にすごい。そして、これを商業映画にした松竹ブロードキャスティングもすごいですよね(笑)だって今は、血が出たらダメとかタバコがダメとか色々言われているなか、一番避けたいもののオンパレードですよね(笑)それを描いているところに、気概を感じますよね。映画を観て、橋口さんの映画はどんどん傑作が更新されていきますね」と絶賛。
それに対し監督は、「これは本当に彼ら(出演者)ありきだと思います。集まってきていた面子が違っていたら違う映画になっていたわけだから。40人くらいの面子で、これだけの予算でという制約があって、そこに自分のモチーフをどう盛り込んでいくかという。
条件があるなかで作った作品でした。」と語った。

さらに監督は、「これは日数的にも資金的にも、『二十才の微熱』とほとんど同じ条件で撮っているんです。あのときも、当時シネマアルゴ新宿で公開されて行列ができたんですが、今回も同じようにお客さんが来てくださっているのがなんだか不思議ですね」としみじみ語った
橋口監督に対しリリーさんは、「こういうタイプの映画を立ち見で観てくださるというのはすばらしいことですよ。さっきの拍手にしてもやっぱり、橋口さんみたいに丁寧に命を削って映画を作っている人には、観客の方も応えてくれるんだなと思いました」と語った。

テアトル新宿ほかにて大ヒット上映中!!