『Maiko ふたたびの白鳥』(2016年2月20日公開)に主演するノルウェー国立バレエ団プリンシパル・西野麻衣子の来日を記念し、ノルウェー王国大使館にて記者会見を開催いたしました。

■日時:11月30日(月) 14:00〜
■場所:ノルウェー王国大使館 (港区南麻布5-12-2)
■登壇者:西野麻衣子、西野衣津栄、スノーフリッド・B・エムテルード(ノルウェー王国大使館参事官)

【イベントの様子】
『Maiko ふたたびの白鳥』主演の西野麻衣子、彼女の母親で本作にも出演する西野衣津栄、そしてノルウェー王国大使館よりスノーフリッド参事官が登壇。イベント冒頭に、ノルウェー大使館アーリン・リーメスタ大使の挨拶が行われ、その後登壇者に対して、本作にからめた妊娠・出産からの復帰についてや、ノルウェーの福祉事情に関しての質疑応答が交わされました。

【イベントの内容】
リーメスタ大使
ノルウェー国立バレエ団から、女性のプリンシパルが来日するのは今回が初めてです。麻衣子さんは ノルウェーのバレエ界にも刺激を与えてきました。今年の8月に世界バレエフェスティバルにて、同じノルウェー国立バレエ団の男性のプリンシパルであるオシール・グネーオさんが来日したことでもわかるように、東京で徐々にノルウェーのバレエが存在感を増してきています。それと同時に、日本の皆様がこの映画をワークライフバランスの面からも興味を持って見て頂ければと思います。

西野麻衣子

映画化のお話しを聞いたときの感想はいかがでしょうか。
日本で公開されることを聞いて、嬉しさと同時に、どういう風に私のことを日本の方は感じるのだろうという不安もありました。だけれども、両親、そしてお世話になた先生たちへの恩返しとして、素晴らしいギフトになったと思います。
出産を経てから復帰をするのは勇気がいる決断だったと思いますが、その時のお気持ちはいかがでしたか。
大きな決断でしたが、子どもが出来たということを理由にしたくありませんでした。子育ても、バレリーナとしての自分のメンテナンスもすごく大変なのですが、すごく充実感があります。昔から踊り続けてきた作品も、母としてバレリーナとしてまた違ったように舞台に立てることがとても幸せですし、楽しいです。
本作品の監督である、オセ監督は12月出産予定だそうですが、そういったお話しはされますか。
撮影当初、彼女も将来子どもは欲しいけど、その後のキャリアに不安を抱えていたのを覚えています。ただ、私が母になりカムバックをしたのを目の当たりにし、彼女が「私にもカムバックできるかも」という気持ちになったということを聞いて、嬉しく思いました。彼女ももうすぐ出産するので、単なる監督と出演者としてだけではなく、ママ同士お友達になってこれからも仲良くしていきたいと思います。
産後復帰に関して、ノルウェーの良いところはどこですか。
ノルウェーは男女平等の国なので、男性が優しいです。国が父親になることを応援してくれていて、主人は私のキャリアをサポートするために5ヶ月の育休を取ってくれました。そういう環境のおかげで私の復帰も近づきましたし、また、カムバックできるという自信は主人から強くもらいました。

西野衣津栄

映画化のお話しを聞いたときの感想はいかがでしょうか。
友達、近所の人、お世話になった先生たちに麻衣子のことを知っていただけることを、すごく幸せです。自分も出演していることはちょっと恥ずかしいですけれども、涙と笑いのつまった、この大阪のおばちゃんといったキャラが今の麻衣子をつくってきたのだと思います。
15歳の娘を海外に留学されたときのお気持ちはどういうものだったのでしょうか。
麻衣子が小学校の時の舞台で主役を踊ったときに、この子はバレエを踊るために産まれてきたという、使命のある子だと感じていました。なので「この子は世界に羽ばたくバレリーナになってほしい」という使命感で麻衣子を海外に出しました。私もワーキングミセスとして働きながら、他の子どもたちもいたので、日々の忙しさに追われていたこと、また、麻衣子のことをとても信頼していたので、麻衣子がいなくて寂しいとは感じなかったです。

エムテルード参事官

ノルウェー女性から見て、麻衣子さん家族はどのようにうつるのでしょうか。
麻衣子さんの家庭は、ご主人をはじめとする家族の協力のもとキャリアを続けられてきたという、ノルウェー人以上にノルウェーらしい家族像だと思います。女性も子どもを持ちならキャリアを続けられること、夫も仕事をしながら父としての経験ができること、こういった責任を両親ともに「重み」ではなく「恵み」として受け取っています。実際に麻衣子さんのような、世界に通用するダンサーであっても復帰できるということをみなさんに伝えていきたいです。