ロングライド配給作品『1001グラム ハカリしれない愛のこと』がBunkamuraル・シネマほか全国で大好評上映中でございます。公開日の10月31日(土)にベント・ハーメル監督が登壇する初日舞台挨拶が開催されました。

■開催日時:10月31日(土)12:00〜
■場所:Bunkamuraル・シネマ
■登壇者:ベント・ハーメル監督

上映終了後の温かい拍手が溢れる場内に、ベント・ハーメル監督が登壇いたしました。東京国際映画祭の審査員としてノルウェーから来日中の監督より、本作のテーマや、伝えたいメッセージについて語っていただきました。

【登壇者コメント】
ヒロインが計量研究所に勤めていることや、キログラム原器のことなど、私たちが初めて耳にすることが登場しますが、こういった着想をどこから得たのでしょうか。
何年も前にラジオでノルウェーのキログラムやメートルについての番組が放送されていたのをたまたま聞いて知りました。そのときは、まさか映画のベースになるとは思っておらず、頭の中のアイディア袋にしまっておいたのですが。その後メキシコシティに行く機会があって、偶然そこでノルウェーの計量研究所を建築した女性に出会ったのがきっかけで、脚本を書き進めていき、これらのことをもっとよく知ることができました。
キログラム原器は最初に40個つくられていたのですが、その36番目のものに証明書をつけ忘れてしまったそうです。人間が関わるとどうしてもこういったエラーが出てしまうのですが、これが今回の”1001グラム”の中の”1グラム”の部分にあたるのかもしれません。

『キッチン・ストーリー』や『ホルテンさんのはじめての冒険』など中年男性が主人公の作品が多いのですが、本作の主人公を女性とした理由は何でしょうか。
男性が主人公だったら今回の物語は変わったのでしょうかと聞かれたことがあるのですが、その場合でも私のアプローチは変わらなかったと思います。この作品は、人間の持つ孤独や、自分を計る物差しを求めてしまう性質についての作品で、結局的には人間についての物語なのです。

本作を通してどのようなことを伝えたいでしょうか。
自分を計る物差しを求めてしまうということは、もしかしたらある程度は必要なことのかもしれません。それならば、それはどんな物差しであるべきなのでしょうか。たとえば家族みんなで安心して暮らせるとか、そういったささやかなことかもしれません。私の興味があるのは“1000グラム”ではなく、“1グラム”の部分なのです。

本作のもうひとりの主人公
キログラム原器1/2レプリカを劇場展示中!!

公開を記念いたしまして、キログラム原器の1/2レプリカを下記の上映館で展示しております!展示をご覧いただいて、「人生の重さは?愛の重さは?」と思いを巡らせるのはいかがでしょうか。Bunkamuraル・シネマにて展示されているキログラム原器とベント・ハーメル監督も一緒に撮影いたしました。

提供:株式会社村上衡器製作所
Bunkamuraル・シネマ/シネ・リーブル梅田/京都シネマ/伏見ミリオン座
/シネ・リーブル神戸/KBCシネマ1・2/サロンシネマ/シアターキノ 
*その他の映画館でも展示予定あり
*各館上映開始より期間限定で展示

≪キログラム原器≫とは?
1キログラムの定義となる≪国際キログラム原器≫から複製された各国の基準で、ノルウェーや日本も保有する。国際キログラム原器はパリ郊外にある国際度量衡局に、各国キログラム原器はノルウェーではマリエが働くノルウェー国立計量研究所に、日本ではつくば市にある産業技術総合研究所に厳重に保管されている。