映画『コードネーム U.N.C.L.E.』スパイ研究家・落合浩太郎氏によるスパイ講座を実施!驚きのスパイ事情に観客大興奮!!
この度、政治学者で安全保障研究を専門とし、インテリジェンス研究にも精通、「CIA 失敗の研究」の著者でもある落合浩太郎氏を迎えたマル秘スパイ講座付きの試写会を実施いたしました!
落合先生から繰り出すスパイあるあるに観客は興味深々!質問コーナーでは多くの手が挙がり、大盛り上がりのイベントとなりました!
『コードネーム U.N.C.L.E.』 スパイ講座付き公開直前特別試写会イベント 概要
◆日程:11月10日(火)
◆ゲスト:落合浩太郎氏
◆場所:ワーナー・ブラザース試写室
<イベントレポート>
2015年はスパイ映画の当たり年!『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『キングスマン』が公開され、
12月には『007 スペクター』の公開も控えています。
このような現象について落合先生は、「2001年に起こった同時多発テロが起きてから、スパイを題材と
する作品は多くなった気がします。実際のスパイ活動も頻繁になったし、なにより世間の関心も増えましたよね。」と言及。
CIAとKGBが力を合わせて世界を救う!というストーリー展開となっている本作。
実際にアメリカとロシアが手を組むことはあり得るのか?これに対して落合先生は「互いの情報や人材の奪い合いはあるかもしれないけど、
普通はあり得ないでしょうね」と断言。
本作の中ではアーミー・ハマー演じるKGBのスパイ、イリヤ・クリヤキンが一番リアルとし、その理由をプーチン大統領に例え、
「彼は、元KGB。眼が笑っていない殺気だっているところはそっくりですね」
一方の、ヘンリー・カビル演じる、ナポレオン・ソロのようなイケメンスパイは、いないだろうといい、
その理由を、「スパイは目立ってはいけないものなので、基本的に美男美女はNGという規定があるんです。」と説明。
しかし、例外もあったといい、その例として、ゾルゲ事件で有名なリヒャルト・ゾルゲは、イケメンでバイクを乗り回し、
奥さん、愛人、恋人も何人もいたというプレイボーイであったといいます。
では、『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズ演じるイーサン・ハントのようなスパイはいるのか?
これに対しては、実際にCIAで働いたことのある女性の経験談を踏まえて説明、「トム・クルーズのような愛国心に溢れるスパイはいなかった。
ランチや休憩時間などに、みんな給料や昇進の話ばかりして、いかにも官僚的だったそうですよ」と内情を明かしました。
また、CIAとKGBの違いについて、「CIAはハイテク、KGBの方がプロフェッショナル。冷戦ではアメリカが勝ったけど、
スパイに関しては、KGBの方が上手ですね。」という落合先生。
美人すぎるスパイで有名なアンナ・チャップマンが捕まったとき、元KGBが「いつから我が国はこんな素人を使うことになったんだ。
僕は6カ国語しか使えないけど。」とコメントしたといい、そのコメントからもわかるプライドの高さが上手である理由なのではないかと分析。
“スパイ”はジャンルとして定着するほどたくさんの作品がありますが、そもそもスパイは身近にいるものなのか?
大抵の国ではスパイ組織は存在するといいますが、日本はスパイ組織がない珍しい国なんだそうで、
「実際にいるとしたら、例えば病院に勤める看護師が政府のお偉いさんのカルテ情報を盗むとかでしょうか。
あとは、日本は技術大国なので、産業スパイはいるのではないですかね。」
では、落合先生自身は実際のスパイにあったことがあるのか?落合先生は「それっぽい出来ごとはあった」と告白!
「一度、ロシア大使館から連絡があって、海上自衛隊について話が聞きたいといわれて会ったんです。
会う前にその筋の人にその大使館の方の名前を伝えると、マークしている人物だと。」
気をつけるようにと注意を促された落合先生は、スパイに会うときの三か条として教えてもらったのが、
「酔っ払うな、金はもらうな、プレゼントはもらうな」だったといいます。
「会って、実際にグラスビールを勧められましたが、ソフトドリンクにしました。あと、見極めるポイントとしては、
普通の大使館の人はランチ代は1000円だけど、スパイは交際費をたっぷり貰っているので3000円なんだそうです。
その時は、ごちそうしていただきましたが3000円でした・・・」と語り、会場をどよめかせました。
スパイといえば、ハイテクなガジェット機器ですが、現在のガジェット事情はどうなのか?
「2,3年前にイギリスのスパイが摘発された事件で、イギリスの大使館員に勤めていいたそのスパイは、
スパイだと顔がわれているので、普通には捕まえられない。では捕まえるにはどうしたらいいのか?
石ころの中に小さい盗聴器を仕込み、それを公園に置き、そのスパイが休憩中に携帯をいじるところ
情報を盗んだという説があるんです。」
現在は虫ほど小さな盗聴器もあるといい、どんな場所にも侵入させることができると言われているそう。
質問コーナーでは多くの観客から手が上がり、実際のスパイは家族にも身分を隠すのか?という質問に対し、
「公務員って言っていたけど、亡くなるときに、実はスパイだったと明かすことは実際にあったそうです」
お給料については、「基本公務員だから安いですよ。でも、技術スパイは2倍違うでしょね。」
本作のようにスカウトはされるものなのかについては「あります」といい「大学の新卒を採用することはなくて、
警察、軍人が一番多いといわれています。身体もつくられているし、技術も長けているでしょ」と説明、
観客は興味深々の様子で聞き入る様子が伺えました。
最後に本作について、「『ゼロ・ダーク・サーティ』や『シリアナ』は、原作を読んでいる僕からしても難しかったし、何より長かった・・・
『007』はいかにも感じであまりリアリティがない・・・でも、この作品はわかりやすく、しっかりエンターテイメントなのに、
シリアスな部分もあり、リアルなスパイの世界が描かれている。2時間全く飽きなかったです。
ガイ・リッチー的な粋なセリフと音楽もとにかく最高で、とても楽しめました。」と太鼓判!
スパイ研究家も認める作品であることが証明されました。