映画『シネマの天使』初日舞台挨拶が7日、都内にて行われ、主演の本郷奏多、藤原令子をはじめ、石田えり、及川奈央、メガホンを取った時川英之監督ら豪華キャストが出席した。

広島県福山市にあった日本最古級の映画館『シネフク大黒座』が122年の歴史に幕を閉じ、2014年8月に閉館。その最後の雄姿を映像に残したいという思いから誕生した本作。

幅広い年齢層で埋め尽くされた客席からの大きな拍手で迎えられた本郷は「初日を迎えることができて嬉しく思います。もう大黒座というのは取り壊されて、なくなってしまいましたが、きっと大黒座も今日この日を迎えられて喜んでいると思います」とあいさつ。

大黒座が取り壊されるまでのわずかな期間での撮影に、藤原は「お話をいただいたのが、撮影が始まる1週間前くらいだったので、台詞を覚えなきゃ、ストーリーをもちゃんと考えなきゃ、という気持ちが大きくて、不安でした」と振り返り「出来上がった映画を観たら、皆さんが本当にすごくて、さすがだなと改めて思いました」と本作の出来に自信。

本郷も過酷な撮影に「本当に取り壊す直前から最中にかけて撮影をしていたので、日を重ねるうちに、だんだんと劇場内の手すりが曲がってきたり、壁が剥がれ落ちてきたりということがありました」と明かした。また、大の潔癖性なだけに「これアスベストとか使ってないかな?とちょっと不安にもなりましたが。よく考えたら122年前に施工されていたら、アスベストは使ってないですよね」と“本郷節”で笑いを誘った。

イベントでは藤原から本郷と石田へサプライズが。全国公開となる本日が、本郷と石田の誕生日が近いということもあり、大黒座の122年の歴史にちなみ“122本のバラの花束”をプレゼント。更に本作に出演している岡崎二郎、那波隆史、佳村さちか、國武綾らも駆けつけ、会場を沸かせた。
突然のお祝いの言葉と花束に、11月15日に誕生日を迎える本郷は「すごい!美女たちからお花をもらえました!僕花粉症なんですが…」と戸惑いつつも「みなさんに祝ってもらって嬉しいです」と笑顔をみせた。

最後に本郷は「改めて、映画って本当に素敵なものだなと思いました。映画というは100年残るといいますが、この大黒座は既に122年の歴史があるので、200年以上残るわけで。映画に関わるお仕事をさせてもらって、こんなに色々な思いをもっているんだなと感じることができた。この仕事に誇りを持てるきっかけになった作品になりました」と感無量の表情を浮かべた。

映画『シネマの天使』は全国公開中

(Report:小宮駿貴)