米軍の無人戦闘機ドローンの恐るべき実態と対テロ戦争の知られざる真実を暴く問題作『ドローン・オブ・ウォー』(原題:GOOD KILL)が、ブロードメディア・スタジオ配給にて、10月1日より全国公開する運びとなりました。2001年の9.11同時多発テロ以降、米国は無人機ドローンを対テロ戦争における画期的な兵器として重宝してきました。本作は、遠隔操作で空爆を行う現代戦争の恐ろしい実態と、アメリカ国内の“戦地”と“家庭”を行き来するドローン操縦士の異常な日常をリアルに映し出す、まさに「現在」の戦争映画と呼べる作品です。
本日9月15日(火)、本作の公開に先駆けて、フリーキャスターの長谷川豊氏を進行に、田原総一朗氏、森本敏氏をお招きしてトークショー付き上映会を早稲田大学大隈記念講堂 小講堂にて実施いたしました。

『ドローン・オブ・ウォー』田原総一朗×森本敏トークイベント
日程:9月15日(火) 場所:早稲田大学 大隈記念講堂 小講堂
登壇者:田原総一朗(ジャーナリスト)、森本敏(拓殖大学教授/元防衛大臣)、
司会進行:長谷川豊(キャスター)

安保法案の賛否に関心が高まっている今、政治・軍事分野におけるスペシャリストである田原総一郎氏と森本敏氏をお招きして、トークイベントを開催。キャスターの長谷川豊氏が司会進行を務め、本作で描かれる「新しい戦争の形」について熱く語り合った。

司会進行の長谷川に呼び込まれる形で、会場に集まった観客から拍手で迎えられると田原、森本の順で登場。田原は、冒頭、長谷川に本作の感想を求められると、「ニュアンスとしては『アメリカン・スナイパーに』似ており、今回のドローンのような(軍人の)役割になっていたら恐らく僕らは早く廃人になっていた」と感想を述べた。続けて森本は「一番の問題は兵器のシステムが恐ろしいのではなく、それを使う人間の意図が怖い」述べると、国連で現在話されている軍事用ドローンの自動化、 アメリカ国内での“ドローン操縦士”の勲章授与の問題についても触れ、「人間の在り方、兵器に在り方について考えさせられる」と一連の軍事用ドローンの問題を引き合いに出し、作品の感想を述べた。

森本の感想を受けて、長谷川は「ボタン1つで一方的に相手を爆撃する今までと違うこのような新しい戦争は許されるべきか?」と田原に問いかけると、「許す、許さないの前にまず、このアンバランスさに人は耐えられなくなるのではないか」と見解を述べた。そして、話は世界各国の“軍事用ドローン”事情について及ぶと、「北朝鮮では攻撃用ドローンとして、少なくても300機保有していることが予想される。」という森本の衝撃発言に場内は驚きの反応に。「ただし、エンジンや運用部分に問題がある」と補足した。続けて、ロシア、ウクライナでもかなりの数の軍事用ドローンを保有しているほか、中国では7種類の攻撃用ドローンを北朝鮮の倍近く保有していることが語られ、続けて、仮に中国のドローンが日本の防空識別圏に入った場合の日本の対応にも言及した。さらに平成30年には日本でも“偵察用ドローン”が運用開始する他、新たなドローン法案が現在、国会で話されているなど日本の実情にも触れ、司会の長谷川は終始、驚きの声を上げた。

話が連日報道される安保法案(安全保障関連法案)に及ぶとさらに深い話に。韓国、北朝鮮、中国などアジア圏における日本の立ち位置やアメリカとの関係性、軍事問題についての実情について言及する森本に対し、田原が突っ込むというスタイルに。次第にヒートアップする2人のトークはあっという間に終了時間を迎え、長谷川が終了のアナウンスをするも田原は振り切り、再び森本との会話へ戻るテレビで見かける田原のペースに。「まるで『朝まで生テレビ』を生で見ているようだ。」との長谷川のコメントに場内は爆笑し、トークイベントは締めくくられた。