いよいよ「映画部門」「アート部門」「クリエイターズ・ファクトリー部門」の詳細発表へ。「映画部門」では、上映作品の紹介に加え、三船史郎さん、中島貞夫さん、木村祐一、杉野希妃さんがゲストとして登壇。三船敏郎賞の審査員を務める三船さんは、「父・敏郎が『赤ひげ』でベネツィア国際映画祭二度目の主演男優賞を受賞してちょうど50年。今年のベネツィアで作品が上映されますが、京都国際映画祭でも上映されるとのことなので、皆さん、楽しみにしていただきたい」と呼びかけ。中島監督は先の挨拶でも触れた自身のドキュメンタリー作品について「京都から何が発信できるのかと考え、時代劇、特にチャンバラについて、その本質は何だったのか、何であるべきなのかなどいろんな側面から描いた。これを見ていただければ京都の時代劇の歴史、チャンバラの歴史などがわかる。最後はこういうチャンバラをやってみたいなと思うシーンを付け加えており、楽しんでいただけるドキュメンタリーになっているのでご期待いただきたい」と解説します。木村は、『ワレワレハワラワレタイ(仮)』の監督として、107組の芸人へインタビューを敢行。「2013年2月雨上がり決死隊から始めて、昨日オールアップした。その中から10組ほどのインタビュー映像を、いろんな会場でご覧いただこうと思う。芸人が悲喜こもごもを自然な姿で応えてくれている、そういったところを見てもらいたい」と見どころを。2013年の沖縄国際映画祭でニュークリエイター賞を受賞して制作した初監督作『マンガ肉と僕』が上映される杉野さんは、「京都に対してすごく憧れがあり、映画の聖地とも思っている。私の作品にも、京都の名所や京都の人しか知らない場所が出てくるので、京都府民はもちろん他の地域の方々も楽しめると思います」と話しました。

「アート部門」は、おかけんだを進行役に、村上ショージ、吉川博規さん、八田誠司さん、ピース又吉直樹らゲストもまじえ、各会場で行われる展示やイベント、作品を紹介。墨絵が得意なショージは、巨大な竹紙に京都をテーマにした作品を描いて誓願寺に展示。「畳一畳の大きさの竹の紙なのに、ちっぽけなものしか描けない。人間がちっちゃいからです」と謙遜して笑わせたショージですが、市販の筆ペンを使って描く作品は高い評価を得ており、最後は「おかけんたプロデューサーをビックリさせるような作品を描いてます! ドゥーン!」と力強く宣言しました。又吉も同じく誓願寺で、「又吉直樹×「文学」の世界」を開催。芥川賞受賞作『火花』の表紙を飾る西川美穂さんの作品『イマスカ』や、又吉が考えた奇想天外な四字熟語を書道家の田中象雨さんが描く『新・四字熟語』が、いずれも関西初展示されます。『イマスカ』について「赤の強さと、謎というか、どういう絵なんだろうと思わせるところ」と魅力を語った又吉。「ぜひお怪我のないように、安全に過ごして、僕の作品も楽しんでほしい」と、こちらも謎に満ちたメッセージを送っていました。

最後は「クリエイターズ・ファクトリー部門」。エンターテインメント映像部門とアート部門/子ども部門において、それぞれ新たな才能を発掘するためのコンペティションとなっており、今年も力作が集まりそうです。エンターテインメント映像部門からはディレクター兼審査員の春日太一さんが挨拶に立ち、「今年からアートと一線を画す形でエンターテインメント映像部門となった。エンタメ性あふれる作品が集まれば、そして1本でも時代劇作品があれば」とコメント。アート部門/子ども部門審査員の串野真也さんは、「将来、素晴らしいアーティストになるきっかけになる作品が出てきてほしい。爆発的なパワーのあるものがあればうれしいです」と、まだ見ぬ新星の誕生に期待を寄せました。

映画祭のアンバサダーに選出された、女優の桃井かおりさん、板尾創路からもメッセージが。本映画祭で脚本、演出、主演を務めた『Hee〈メイキング〉』が上映される桃井さんは、映画を撮影中のラトビアからVTRで出演。現在、海外を拠点にさまざまな作品を出演、手がけている経験から、「スポンサーのついていない、お金のないインディーズの映画は、こういう国際映画祭にいい作品さえ作れば出品させていただけて、そこで皆さんに見てもらえる。賞をもらったり見てくださった方が気に入ってくだされば、その映画の運命が変わって行くというのを実感しているので、京都国際映画祭が成功して、いろんな新しい作品やいいアーティストたちがチャンスをつかむことを切に切に願っています」とコメント。「特に京都は世界に誇れる映画人が集まっている場所だと思っているので、いい映画祭になってくれるんじゃないかなと期待しています。何ができるかわかりませんが、一生懸命務めさせていただきたいと思います」と決意を新たにしていました。昨年も出演作、監督作が京都国際映画祭で上映された板尾は、「いろんなイベントに参加したが、京都で映画祭をやってる、という感じがよかった。うまく言えないけど、いい雰囲気でした」と回想。今回の大役については「アンバサダーに似合う男かどうかはわかりませんが…アンバサダーって何やろう(笑)。最後までつかみきれずに終わるかも」と不安も口にしつつ、「桃井さんをエスコートしながら何とか」と話していました。

そして、会見の最後には、京都出身の今くるよがスペシャルゲストとして登壇、挨拶を。京都と映画祭をつなぐ「架橋」と紹介されたくるよは、「架橋ガールの今くるよです」と元気に登場。小さい頃は両親に連れられよく映画館に行ったそうで、「それから自分で行くようになって…当時はまだ3本立てでした」と思い出トークを展開するとともに、「『私、女優になるんちゃうか』『スクリーンの中に入ってみたいわ』など、いろんな夢を見た。大映、東映の撮影所にもよく行きました。俳優さんを見て『きゃあ、かっこいい!』と。今も覚えています」と“夢を見せてくれる”映画の力を賞賛。「これからも文化と映画とお笑いと、架橋ガールでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」と締めくくりました。

今後も続々と上映作品やイベントが決定する予定です。詳しくは、京都国際映画祭のホームページをご覧ください。