冷酷な”凶悪犯”ジェイムズ・“ホワイティ”・バルジャーが起こしたアメリカ犯罪史上、最大のスキャンダルを描いた『ブラック・スキャンダル』(原題:Black Mass)。人気・実力共に名高い、ジョニー・デップが主演を務め、ジョエル・エドガートン、ベネディクト・カンバーバッチやケビン・ベーコンら豪華演技派俳優陣が集結。監督を務めるのは、クレイジー・ハート』でジェフ・ブリッジスにオスカーをもたらしたスコット・クーパー。ジョニー・デップ主演映画史上、最高傑作と期待される本作は9月18日に全米公開され、日本では2016年1月30日(土)より全国ロードショーとなる。

9月2日(現地時間)に開幕した第72回ヴェネチア国際映画祭にて、9月4日(現地時間)に映画『ブラック・スキャンダル』のワールドプレミアを行いました。

登場したのは実在する凶悪な犯罪者、ジェイムズ・“ホワイティ”・バルジャーを演じた”ジョニー・デップを始め、”ホワイティ”に翻弄されるFBI捜査官ジョン・コナリー役のジョエル・エドガートン、ギャングの愛人リンジー役のダコタ・ジョンソン、そしてスコット・クーパー監督。

薄くなった毛髪をオールバックに固め、常に鍛えた精悍な体躯に、ジーンズに革ジャンというスタイルでただならぬ空気感を持つ実在する凶悪な犯罪者を演じきったジョニデは、黒のスーツを身にまといフォーマルな装いで登場。
役作りに関して「誰も朝起きて、俺は悪魔だと鏡を見ながらつぶやく人はいないと思う。僕は彼を悪魔としてではなく、できる限り人間として描くようにアプローチをした。彼はビジネスの領域において悪魔だったのだと思う」と語り、実在する人物を演じることについて「多くの責任を伴う。バルジャーについては映像資料がたくさんあったから参考にした。彼は一方で母や弟をとても大切にし、家族愛のある複雑な人間だった。そんな彼を的確に、ある意味正当性をもって演じるようにした」とコメント。エドガートンも「人によってさまざまに見方が異なるし、演じる上での心づもりは変わらない。もちろんリスペクトはするが、これは実際の話のフィクショナルなバージョンだと思うと、少し気がラクになる」と語った。バルジャーの外見、また外見的な変貌については「4、5回ぐらいメークアップ・アーチストとテストしてから監督に見せた。バルジャーの特徴を掴みながらヒューマンに見えることにこだわった。僕の目はスペードのエースのように黒いから、ブルーのコンタクトは特注で作ってもらった。俳優は、リスキーな肉体的変身をして、毎回フレッシュな、異なる外見で観客にサプライズを与える責任があると思う」と明かした。
華やかなピンクのドレスで登場したダコタも、実在する人物を演じることについて「情報はとても役に立つし、クリエーションの手助けになるわ。でもそれ以外のベーシックな点で(フィクションの人物の役作りと)違いはないと思う」とコメント。監督がジョニー・デップについて、「彼のことは何年も前から公私ともによく知っていた。とても紳士的で、素晴らしい人。彼は多くの俳優が犯したがらないようなリスクを犯すことも厭わない、素晴らしいアーティストだと思う」と話し、セットに何度か訪れたバルジャーをよく知る長年の法的代理人が、ジョニーを見て、その異様さに身震いさせられると語っていたことを明かした。

本作においてのジョニデ迫真の演技は彼の作品史上最高傑作とされ、早くもオスカー候補として名乗りをあげ、期待が集められている。

今後、本作は9月10日に開幕するトロント国際映画祭で特別上映決定しており、9月18日から全米公開。日本では、2016年1月30日(土)より全国ロードショーとなる。