10月に公開致します「マルガリータで乾杯を!」があいち国際女性映画祭のオープニング作品として上映されます。
本日は映画祭の開催前に各関係者からの合同記者会見が執り行われました。

「あいち国際女性映画祭2015」合同記者会見

ショナリ・ボース監督:オープニング挨拶(通訳) 本日は、お招きいただきましてありがとうございます。
そして「あいち国際女性映画祭」関係者の皆様には心から感謝いたします。女性監督として、この映画祭に参加できたことは、この上なく光栄に感じております。

映画 『マルガリータで乾杯を!』は、わたしの従妹が脳性麻痺を患っており、その経験を通して生まれた映画です。
彼女は、言語に障害がありましたが、情操的な面でまったく障害はありませんでした。
従妹を見ていて、障害者がどのように暮らしているのか? 他の国ではどのように暮らしているのか?
また、どのように見られているのか? いろいろな関心が沸いてきたんです。社会の中では主流ではありませんし、
心地よく過ごせないこともあると思います。従妹は、わたしに『障害者であっても、多少できないことがあっても、
愛することは必要だし、愛されることが必要なんだ』と言いました。家庭の中、社会の中で暮らしていく上で、
むずかしいことはあるかもしれないけれど、愛の必要性を感じました。また、映画を通して障害者が抱える社会からの偏見をなんとかしたいと思いました。

従妹は、障害を持ちながらも普通のティーンエイジャーなんです。ロマンスにも、セックスにも関心があります。
健常者と障害者の間にある偏見の壁を乗り越えていくことが、この映画におけるわたしの課題でした。
この映画は、最初にトロント国際映画祭で上映されました。その映画祭の後に、初めて映画を買い付けてくれたのが日本だったんです。

その時は大変興奮しました。これまでに50回以上、さまざまな国でプロモーションしてきましたが、多くの国で『こういう映画に関心を持つのは、まずはアメリカ? それともイギリス? オーストラリア?』
というような質問を受けます。セックスやゲイという題材に関心があるのは、おそらくヨーロッパの国じゃないかという偏見が世界中に存在しているんです。

インドの国内でも5週間の上映がありました。ここでも、様々な偏見を耳にしました。海外のメディアから『このような映画は、インドでは検閲を受けた上で、上映禁止になるのでは?』というような心配の声を数多く聞きました。
でも、実際にはインドでも上映できましたし、大変な反響を得ることができました。今回は、映画祭に参加するというだけでなく、このような偏見を取り除きながら、最初に買付けてくれた日本でのプロモーションができるということも含めて、大変意義のある来日となりました。

最初にこの映画に関心を持ち、買い付けてくれたのは日本だったんです。ほんとうにありがとうございました。

カルキ・コーチリン:オープニング挨拶(通訳)  本日、この場にお越しいただきありがとうございます。みなさんの前でお話ができることを光栄に思っています。わたしにとって、日本に来るのは今回が初めてです。
いろいろな事を、見たり、聞いたり、発見できることを楽しみにしています。この映画の脚本を3年前に読みました。脚本を読んですぐに監督に電話をして『是非、この役をわたしにやらせて欲しい!』とお願いしたんです。脳性麻痺の役を演じるということで、まず準備と努力が必要だと思いました。脳性麻痺を患っている監督の従妹のマリンさんと実際に会って、いろいろなアドバイスを受け、車椅子の生活を体験もしましたし、6ヶ月という長い時間をかけて役作りの準備をしました。以前に、障害者を題材にした『セッションズ』というヘレン・ハントさんが出演した映画がありました。わたしにとって、大変興味深く、心を揺さぶられる内容でした。インドで女優をしているわたしにとって、今回の役に挑戦するにはとても勇気が必要でした。

ボリウッド映画では、女性というのはグラマーで、美しくなければいけないという固定観念があります。『マルガリータで乾杯を!』は、その固定観念を打ち砕くような内容です。多くの女優がイメージを大切にする中、わたしがこの役に挑戦することによって新しいチャンスを得て、いままでとは違う世界へと飛び込むことができました。みなさんも、この映画を観る際には、勇気をもってご覧になっていただければと思います。この映画を通じて、『性』『障害』という題材を、インドだけでなく、世界中で考えていただけるチャンスになればと思います。今回のチャンスを与えてくださったショナリ・ボース監督に非常に感謝していますし、この場に居られること、この役を演じれたことを非常に光栄に思っています。ありがとうございました。