原作は、03年から08年に「FEEL YOUNG」(祥伝社)にて連載され、単行本が累計発行部数50万部(全5巻)を誇る、ジョージ朝倉の人気コミックス。現代女性の切ない恋や仕事におけるリアルな心情を描いた作品が、2-30代の女性を中心に熱狂的な支持を得ており、ファン待望の実写映画化となりました。主人公・志乃には多部未華子、志乃の恋人役に綾野剛、ほか松坂桃李、木村文乃、光宗薫、菅田将暉、柄本佑、峯田和伸ら個性豊かな人気俳優陣を迎え、俳優・田口トモロヲが6年ぶりにメガホンを取りました。
 さて本日8月26日(水)、大阪・ミナミにありますTSUTAYA EBISUBASHIにて、本作の監督・田口トモロヲさんをお迎えし、トークイベントを下記のとおり行いました!

【日 程】 8月26日(水) 18:30open/19:00start ※入場無料・観覧フリー
【場 所】 TSUTAYA EBISUBASHI 6Fイベントスペース 大阪市中央区道頓堀1-8-19
【登壇者】 田口トモロヲ監督(57)
【聞き手】 平野秀朗(映画評論家)(48)

イベントでは、映画『ピース オブ ケイク』の予告編上映に続き、聞き手の平野秀朗氏、自身を「綾野剛です」と言い張る田口トモロヲ監督が登壇。監督からは、本作の撮影秘話を中心に、男性スタッフ4人でラブシーンの想定ビデオを監督自ら制作、『ピース オブ ケイク』での“注目シーン”など、恋愛トークを期待して来場した女子には衝撃的なお話が飛び出しました!このほか、映画の公開が待ちきれなくなるようなエピソードを交え、聞き手の平野さんとの「オトナ男子」トークを展開。また、イベント終了後には監督のサイン入りパンフレットのプレゼント抽選会もあり、熱いイベントになりました!

<トーク採録>
監督:どうも、綾野剛です。今日は短い時間ですがよろしくお願いします。綾野剛です。
平野:今までに大阪に来られたことは?
監督:6年前に『色即ぜねれいしょん』のプロモーションで大阪に来たんですけれど、ここTSUTAYA EBISUBASHIさんでトークをさせていただきました。
平野:役者として来られたりも?
監督:古田新太さんとの「いやおうなしに」という舞台でも来てました。
平野:そういうときは、観光などは?
監督:演劇をやっている人は、ご当地に詳しいんですよね。前回来たときは揚子江ラーメンを食べました。おいしくて感激しましたね。

平野:このたびは『ピース オブ ケイク』を完成されて、田口トモロヲ監督作品3作目にして、ちょっとカラーが変わったのでは?と思いましたが、どういう経緯で。
監督:プロデューサーからお話をいただいて、ジョージ朝倉さんの原作を読むところから始めました。読むと、そこに出てくるカルチャーが自分が影響を受けたものと共通していたので、このラブストーリーを描くことが出来るかも、と思いました。でも一番のハードルは、自分が50歳を過ぎたオッサンで、25歳の女子の恋愛を描けるのか?あるいは描いていいのか?描く権利があるのか?俺に描けるのか?あ、しつこいですね(笑)、そのあたりの心配がありましたね。
平野:先に観させていただいた者としては、関西的に言うと、めちゃめちゃええ感じの映画です。めっちゃハマります。オッサンがハマる映画ですね。これまでは男の子が主人公の映画でしたが、まさかこんなに女の子の気持ちに、そしてその相手役の綾野剛さんの役にググっとハマりましたね。
監督:ありがとうございます。それは初めて言っていただきました。
平野:キャスティングはどういった経緯で決まったんですか?
監督:多部未華子さんは満場一致でしたね。俳優としてはご一緒したことがあったんですが、今回改めて素晴らしいプロの女優さんだなと思いましたね。
平野:多部さんがこんなにパワフルな演技が出来る方とは思いませんでした。
監督:撮影の日の最終カットは、多部カットで終わる、という流れがありましたね。現場のスタッフさんも疲れて来るんですけど、最終的には多部さんのアップを撮って終わろうと。照明さんもノって「もうちょっと明るくしようか!?」なんて、スタッフ殺しな多部さんはさすがでしたね。
平野:相手役の綾野剛さんは。
監督:こんばんは、綾野剛です(笑)。いつもはシャープな役が多いと思うんですけど、今回は京志郎という、木の幹のようにどんと構えた役なので、これまでやったことないんじゃないかと思い、キャスティングしました。
平野:たしかにこんな綾野さんは観たことないですね。
監督:とてもナチュラルな、立っているだけでも優しさを感じさせるような佇まいでしたね。
平野:どういった演出を?
監督:綾野さんに関しては、まずリハーサルでやってもらうと、とても肉体表現のうまい役者さんなので動きが出るんですが、京志郎役は敢えて動かないようにお願いして、共同作業として造っていきました。もともと、役者さんのタイプにあわせて共同作業としてやりたい、という方法論があるんですが。
平野:過去の2作品とは違いましたか?
監督:やっぱり25歳の女子というのは、情報としてはわかっていても実際のところはわからないので、綾野さんの役にしてもそうですが、意見を聞きながらやっていきましたね。

平野:本作は全体がとてもナチュラルな感じで、とくに多部さんと綾野さんは本当につきあっているのではないかと思いましたが(笑)。
監督:つきあってるんじゃないですかね。嘘です(笑)。
平野:ラブシーンにもそれがとても感じられたんですが、特別に演出されたことは?
監督:「R指定にはしないでください」という要望はあったのですが、でもよくある、倒れ込んだら翌朝になっているという表現にはしたくなくて、なるべく攻めたいと。なので、アクションシーンだと考えて、あらかじめ練ったものを役者さんにお願いしました。
平野:それは絵コンテを描いたりして?
監督:演出部の男4人で組んずほぐれつの絡み合った映像を作りました。それを映倫のチェックも通して、「いじりすぎ!」「揉みすぎ!」なんて言われながら…
平野:志乃が菅田将暉さん演じる川谷にキスを迫られるシーンの、嫌なんだけどついつい…という顎の上げ方がもう芸術的なんですよ!(笑)
監督:それはオッサンの言葉ですねー(笑)。さすがですね、人生長いぶんだけ、観てらっしゃる。あれはたまらんですわ(笑)。今の若い人はこうするのか、と。いくら演出部のオッサンがやってもかなわなくて、やっぱり若い役者さんが演じると芸術的な、かなり攻めた表現になるんですね。
平野:他にも豪華な役者さんが出られてますが。
監督:ラブシーンつながりで言うと、光宗薫さん演じるあかりと京志郎の回想シーンがあるんですが、そこはイチオシのシーンです(笑)。
平野:女性の方が引いてらっしゃる…
監督:女性の方にもご覧いただきたいですね(笑)。…本当にすみません。かなりエロティックなシーンなんですが、役者さんが果敢に挑戦してくれたところに、とても美しいものを感じました。

平野:田口監督作品ファンとしては、劇団であったり、下北沢であったり、今までの要素が散りばめてある印象ですが。
監督:原作で描かれている要素を大切に描きたいと思いましたので、劇団は、関西出身の「劇団鹿殺し」さんにお願いし、映画化にあたって嘘のないようにと作りました。
平野:監督は俳優もされてますが、ナチュラルな感じにするよう心掛けてらっしゃることはありますか?
監督:漫画ではあらゆることが可能なので、観ている人に「そんなわけないだろ」と思われないように注意しながら作っていましたね。最初はもっと、アッパーなラブコメ風に芝居をやってみてもらったんですがちょっと違う感じがしまして、もっとリアルな感じにしたほうがこの脚本が生きると思い、変えていきました。

平野:まだまだ伺いたいところですが、この続きは映画館でぜひご覧いただいて、ご自身で感じていただければと思います。
監督:この映画は、リアルな東京の恋愛を描けたら良いね、というところからスタートしました。東京のリアルな風景をバックに、堂々巡りを繰り返しながら、自分たちにとっての真実を求める恋人たちのオルタナティブなラブストーリーになっていると思います。サブキャラクターの方たちも、素直に心情を共感できるように肉体化できたと思いますので、そのあたりを楽しんでいただけたらと思います。以上、綾野剛でした(笑)。