二階堂ふみ、長谷川博己主演『この国の空』が8月8日(土)より、テアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋他、全国ロードショー致します。
原作は芥川賞作家・高井有一による同名小説、1983年に出版され谷崎潤一郎賞を受賞しました。戦争という時代を戦場ではなく、庶民の暮らしを繊細にそしてリアルかつ大胆に描かれた物語です。また、本作は日本を代表する脚本家・荒井晴彦の18年ぶりの監督作です。
本日8月8日、本作の公開を記念致しまして、初日舞台挨拶を行いました。公開を待ち望んでいたお客様で満員の中、本作出演の二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴、監督の荒井晴彦が登壇致しました。

■8/8(土)  テアトル新宿 (新宿)
■登壇者:二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴、荒井晴彦(監督)

戦時中の庶民の暮らしぶりと男女の情愛を描いた映画『この国の空』が、本日8/8より公開。劇場中は満席のなか、初日舞台挨拶が行われた。
監督、キャストの面々は、終戦記念日を翌週に控え、本日無事公開された喜びを口々に語った。
本作で市毛役を演じた長谷川博己は、『テアトル新宿は、若い頃にバイトしたかった映画館。そこで登壇出来るなんてとても嬉しい』と思いを口にした。
市毛と関係を持ってしまう少女・里子を演じた二階堂ふみは、役と同様、撮影中に19歳から20歳になったという。『この映画の中で、里子と同じようにその時を過ごせて良かった』と語る。

■長谷川博己『自分にももっとイヤらしい目が必要』
二階堂と不倫関係になる市毛役を演じた長谷川は、『ラストの里子の表情を観て、今もなお戦争は終わっていないと感じた。自分の演技をみて、(“浮雲”に出演していた)森雅之さんには到底かなわないです。当時だったら森さんが配役されてたんでしょ?自分にももっとイヤらしい目が必要ですね』と笑った。
荒井監督はそれを否定しつつも、『まだ若いから欲望が前面に出すぎるね』とアドバイス。
対して工藤夕貴が『長谷川さんも、充分イヤらしくて、ワルかったと思いますよ!!戦時中は(二階堂演じる)里子が積み重ねて来た女心をこういう人にあげなきゃいけないんだな、と思った。』と力説し、会場の笑いを誘った。

■8/15の終戦前夜で映画が終わることについて
荒井:終戦で、日本は変わっていないんじゃないかと思う事がある。戦後に生まれた自分たちも、全部を引き受けて生きて行かなければいけないのではないか。里子は市毛を見つめていても、その背景にある全てを見ていると思う。
二階堂:ラストはとても良いシーンでしたね。すでにご覧になられた方から、あの続きが観たいという声も寄せられていると聞きます。
荒井:(里子と関係を持った後の)市毛は、引っ越すだろうね(笑)
二階堂:引っ越し先に里子が押し掛けて、その後里子死んじゃうんですよね(笑)
“浮雲”のような良き日本映画を思い起こさせる作品になって良かったです。

■荒井監督と二階堂ふみより一言
荒井:この映画を見た方から、『戦争はもっと悲惨じゃないか』『この映画は甘い』などの声もあると聞く。非国民じゃないか、とも。でも、国が間違えている時は非国民こそが正しいと思う。
二階堂:家族や大切な人と、改めて、生きるとは何か考えて話す機会になれば良いなと思います。