「猫」をテーマに、4人の若手クリエイターが短編作品で真剣勝負した『4/猫-ねこぶんのよん-』(12月12日公開)が、この度、公開に先立ち、第12回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2015(7月18日(土)〜26日(日)開催)にて、本日上映&ティーチインを行いました。本作の監督達と、来年全国公開となる、同じく猫をテーマにもしている映画『猫なんかよんでもこない。』のメガホンをとった山本透監督にもご登壇いただき、クリエイターとしての映像表現から猫あるあるまで幅広くお話いただきました。下記のとおりご報告いたしますので、是非ニュース記事掲載をお願いいたします!

○ 日程:7月21日(火)
○ 場所:SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ホール(埼玉県川口市上青木3-12-63)
○ 登壇者:上田慎一郎監督(『猫まんま』)、早坂亮輔監督(『ひかりと嘘のはなし』)、浅沼真也監督(『一円の神様』)、中泉裕矢監督(『ホテル 菜の花』)/山本透監督(『猫なんかよんでもこない。』

【内容】
『4/猫』に登場する猫と、『猫なんかよんでもこない。』(2016年公開)に登場する猫が、実はのり子ちゃんという、同じ猫だったということもあり、山本透監督にゲスト登壇いただいた経緯が説明され、同じ猫を演出した者として、その方法論が語られた。『猫なんかよんでもこない。』では、扱いやすく、堂々としている猫だったというのり子ちゃん。「ただ脱走癖があって2回くらいどっかいってしまって、大変だったこともあった。走り出したら止まらない。」と山本監督がエピソードを明かすと、「走ってしまうシーンがあったが、なかなかいい猫ちゃんだった。トンネル抜けるところも振り返る仕草までしてくれた。」と中泉監督。早坂監督も「全部いうこと聞いてくれて苦労しませんでしたね。」。対して、上田監督は「ご機嫌ななめだった。改札抜けて、ホームまで言ってしまって。みんなで追えーって追いかけましたね。実家でヨンという猫を飼っていて、猫好きなのに。」と相当猫演出には苦労した様子。「のり子は“待て”ができるんですよね。」と更に山本監督がのり子の才能をほめると、「あれ、ボクのところは違う猫だったんですかね」の上田監督のボヤキで会場から笑いを誘った。

本作は、若手映像クリエイター支援プログラム「Go-all」から、「一匹の猫が住みつく、とある駅を利用する市井の人を描く」というたった1つのルールを守り、今後が期待される若手映画監督4人がそれぞれ個性的な短編作品を生み出したオムニバス作品。そこで先輩監督にあたる、山本監督から各監督に向けて「20分の中でまとめるのは大変だが、こだわりや、描きたいことを描いている気がして、俳優さんが楽しんでいるのが見えて、すごいと思った。」と賛辞が述べられると、「高校の時にお笑いと映画が好きで、漫才師の映画を撮りたいと思っていた。漫才も2時間くらいしか稽古できなかったが、うれしいです。」(上田)。「ふわふわした女子高生をファンタジックに撮りました。」(早坂)また、中でも「一番びっくりした作品。自分は多分やらない手法と思った。撮り方も上手。」と山本監督が推すのは、『一円の神様』。監督の浅沼は、「音楽も入れずに、観ている人の感情を操作しないように親子に入っていけたらと思った。猫はあまり描いてないですね。」と若手ならではのチャレンジ精神をにじませた。

続いて若手監督から先輩監督への質問タイムになると、「どのくらいお客さんを意識しているか?」との質問には、「お客さんのことしか意識してません。自分がまずお客さん目線。自分の子供が見てもわかる映画にしたいと思ってる。」と山本。自分らしい部分があれば伝わるはず、とエールを送った。また「短編の難しさを解消するには?」との問いには、「前半に行動を起こすときに共感できる部分を作るべき。そうでないと20分の中では解決できない」とアドバイス。「俳優への演出はどうやっているか?」と監督同士の気になる部分では、「事前にたくさん話し合う。分かり合えなければ、わかるように説得する。現場前にとにかく話すこと。現場では突発的なものを引き出す。」と自身の体験談を語った

観客からの「映像を将来作りたいと思っています。勉強していることや大切にしてきた知識は?」という質問に対しては、
「勢い。作るって作業をするっていうのが大事」(中泉)。「いっぱい恋をすること。人生経験は大事。おのずと作りたいものが見えてくると思う」(浅沼)。「好きな映画を見つけて欲しい」(早坂)。「中学高校で100本くらい撮っていた。撮らないと自分の足りない分はわからないから、撮ってみてだと思う。」(上田)。「だんだん見えてくるやりたいことは自分の中心に集約してくる。映像表現は自分の中から出てくるもの、自然に見えてくると思う。すると自分らしい映像になってくると思う。」(山本)とそれぞれのクリエイター魂をのぞかせた。

『4/猫-ねこぶんのよん-』は、12月12日公開。『猫なんかよんでもこない。』は来年公開予定となる。