2009年版「このミステリーがすごい!」海外編で第一位を獲得した、トム・ロブ・スミス原作のミステリー小説「チャイルド44」が名匠リドリー・スコットにより映画化、『チャイルド44 森に消えた子供たち』として、7月3日(金)TOHOシネマズみゆき座ほか全国順次公開となります。

1950年代、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン体制下のソ連で起こった子供を狙った連続殺人事件。犯人を追う主人公が、真相に迫れば迫るほど国家に狙われるという、かつてない緻密なプロットを構築した極上ミステリー。敵と味方が一瞬で入れ替わるスリリングな展開は、一瞬たりとも目を離すことができません!

この度、本作の公開を記念して、ロバート・ハリスさん、藤原ヒロシさんをゲストにお迎えしたトークショーイベントを開催致しました。

会場が満席の中、当時のロシアでは映画も本も発禁となった本作について熱く語ったお二人は実は初対面。
上映前と言うことで、ネタバレしないように気を使われつつ、本作の題材になったチカチーロ事件や、作品の内容、そして実際にソ連に訪れに全体主義の空気に触れたという実体験をもとに、現在のロシアの内情に至るまで、幅広くお話しされました。

日時:6月24日(水)19:00〜19:30(映画上映前)
場所:ユーロライブ(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2Fユーロスペース内)
登壇者:ロバート・ハリスさん、藤原ヒロシさん

■ロバート・ハリス
映画の後に原作を英語の方で読んだんだけど、映画はサスペンスと言うより恐怖政治に対して秘密警察の捜査官が追うという話なんだよね。
猟奇的殺人事件はなかなか出てこなくて、あれ?と思うんだけど、帰り道にとてもいい映画を観たんじゃないかと思わせる素晴らしい作品。
感心したのが、捜査官のトム・ハーディのロシアなまりの英語。うまかったし、とても雰囲気が出ていた。
ガタイがでかいのに、繊細な役なんだよね。
それに、ゲイリー・オールドマンは、どんな映画でも出てくると締まるよね。もっと出番が欲しかったけど(笑)
この映画は夫婦の心の旅、身体的な旅の物語として観てもいいと思う。

■藤原ヒロシ
もともとこの原作の題材になったと言われているチカチーロ事件や猟奇的な殺人に興味があったので、「チャイルド44」の映画も楽しみにしていたんだけど、本当になかなか殺人事件が起こらないんだよね(笑)
チカチーロ事件が起こった時は、もう大人だったしオンタイムでテレビも見ていたけれど、ロシアの当時の恐怖政治は本当に怖かった。
「チャイルド44」は、以前に訪れたソ連の様子がよく描かれていると思う。作風はどちらかと言うと、人間ドラマが色濃く出ている。
だから観終わった後に人によって感想が違うと思う。純愛がすごいとか。友達とかと語り合えるから面白いんじゃないかな。
映画自体は、結構重いからじっくり味わえる感じ。
社会的な体制と戦う男と言うか、夫婦の人間らしいところを観て欲しい。
僕は「マッドマックス」よりも「チャイルド44」の方が好きでした。