映画『天空の蜂』完成報告会見が22日、都内にて行われた。この日、主演を務める江口洋介をはじめ、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、堤幸彦監督ら豪華キャストが揃って出席した。

♦︎日程:6月22日(月)
♦︎会場:時事通信ホール
♦︎登壇者:江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、堤幸彦監督

ベストセラー作家・東野圭吾最大の勝負作を、『20世紀少年』シリーズなど様々なヒット作を生み出してきた堤幸彦監督が映画化。最新鋭にして日本最大のヘリコプター・ビッグBを乗っ取り「日本全土の原発廃棄」を要求する〈天空の蜂〉と名乗る犯行グループとの攻防を描いたサスペンス・アクション超大作。

巨大ヘリ・ビッグBの設計士、ヘリ墜落を阻止すべく奔走する主人公・湯原一彰を演じる江口は「とても危機感のある映画に仕上がりました。最高の作品が出来上がりましたので、ぜひご覧いただければと思います」とコメント。
湯原の同期で、狙われた原発「新陽」の設計士・三島幸一役の本木は「驚きに満ちている作品です。予言の書である原作が600ページにも及ぶ内容であるにもかかわらず、2時間にまとめ上げた脚本家・楠野さんの凄さ。そして、難しい題材でありながら、しっかりとエンターテイメントに仕上げている堤監督、CGチームの努力の素晴らしさ、全てが合わさっています!また、仲間さんの独身時代、最後の相手を演じさせていただきました(笑)ぜひ多くの方々に観ていただかなくてはならない作品だと思っております」と本作の出来に自信たっぷりな様子。

『トリック』シリーズから堤監督と15年の付き合いとなる仲間は、ビッグBと原発「新陽」を設計した錦重工業の総務課員、三島の恋人・赤嶺淳子を演じて「地味で影のある女性なので、台本を読みながら監督と役作りをしました。本木さん演じる三島との、ホテルのシーンは演出がとても大人の雰囲気で素敵です。トリックのような陽気さはないですが…(笑)このような役を演じさせていただき光栄です」とにっこり。
巨大ヘリ・ビッグBを奪った謎の男・雑賀勲役の綾野は、初めての堤組に「念願でしたから、最高の現場でした。パワー以上に、俳優への信頼だったり、ただのライブ感ではなく、人と人を繋ぎ、記憶を記録していく演出が素晴らしかったです」と感無量の表情を浮かべた。そんな綾野に堤監督は「少ししか出演シーンがない中で、ステレオタイプの犯人ではなく、表現や発露を綾野さんは瞬発的な力で、凝縮して、出しきってくれました」と誉め称えた。
また、本作の出来に「少しびっくりした」という堤監督は「テロという現代の脅威だったり、3.11を通して生で危機感を感じた中、どのようにこの題材と関わるか。そして、親子の作品でもあるので、その想いを映画的にどう語るか。日本で題材にすべき作品ですし、いろんなテーマが詰まっています。自分だったらどんな立場でいるか、ぜひ考えてほしいです」と胸の内を明かした。

一方、意外にも本作が本木と初共演作となった江口は「現場ではその場の感じ方でやらせていただきました。男同士でぶつかり、徐々にブロックを積み上げていくような感覚で、よいパートナーでした」と笑顔をみせるも、本木が「実は、江口さんとは少ししか年齢が離れていないんですよ。今年で50歳になるんですが…」と切り出すと、江口と綾野が揃って「えッ…50歳ですか!?」と驚いてみせた。
2人の驚きを笑顔で受け止めた本木は「(江口と年が近いので)作品の中での湯原と三島の対照の仕方がリンクしていました。家族との関係で後悔して、問題に立ち向かっていく姿と、同じく家族との問題をある意味陰湿な、異なった方法で消化していく男を演じる私。あたり役だったと思います。また、アクションシーンもあったのですが、40歳後半になると息が上がってしまって…あとこうゆうシーンは2、3年かなと思ってしまいました(笑)なので、全身をフルに使って、タッグを組めた」と江口との初共演に充実していた様子。
最後に堤監督は「本当にキャスト・スタッフが全力でみたことのない作品を作ろうと一丸となって取り組みました。原作を拝見した時、未来への先見の明に驚きましたが、本作も息の詰まるような仕上がりになっております」とアピールした。

会見では原作者・東野圭吾からのコメントも発表。
「映画化など絶対に不可能だと思っておりましたが、執筆中に思い描いた以上の映像に圧倒されました。監督や俳優の皆さん、そのほか多くの方々の熱い思いが伝わってくる、骨太の素晴らしい映画だと思います。私自身の血も、この小説に取り組んでいた20年前のように騒ぎました。きっと多くの人々の心を揺さぶることだと思います」

映画『天空の蜂』は9月12日より全国ロードショー

(Report:小宮駿貴)