本作は、公開直後から、「マリオン・コティヤールの熱演に胸を打たれた!」「ラスト、主人公が決断する選択に感涙した!」とTwitter上で一般の方からも絶賛の声が相次ぎ、公開記念として6/14(日)にBunkamuraル・シネマで上映終了後にトークイベントを実施致しました。
ゲストには、本作を応援いただいている加藤千恵さん(歌人・小説家)と、町山広美さん(放送作家・コラムニスト)をお招きし、本作の魅力をたっぷりとお話しいただきました!

<イベント実施概要>
【日程】2015年6月14日(日) ※13:05の回上映後トークイベント
【時間】イベント開始14:45 /イベント終了15:05
【場所】Bunkamuraル・シネマ(渋谷区道玄坂2-24-1 6F)
【上映後イベントゲスト】加藤千恵(歌人・小説家)、町山広美(放送作家・コラムニスト)

【イベントレポート】
鑑賞直後の客席に向け、みなさん、今ちょうどラストを観終えて清々しい感覚ですよね?!と投げかける加藤さんと町山さん。

町山さんは「はじめは弱々しいサンドラや、同僚たちをまわるという反復的な設定が面白くなるのか?と懐疑的に思っていましたが、
反復ではなくグルーヴとなり、スッキリと痛快な最後となって、とても良かったです!主人公に対しても、そもそも弱いことはダメなことなのか。
もしかしたら、そう感じてしまう自分自身がサンドラを雇う社長の目線になってしまっていたのではないかと感じました。
物事を損か得かでみてしまう世の中に対する問いが、設定には組み込まれているのだと思います。」と絶賛。

また、加藤さんは「次第にサンドラが、女性として、人間として立ち上がろうとする姿勢に共感しました。
強さと弱さが絶妙に描かれていてとてもリアルだと感じました。また、映画にも描かれている“選択”については
「点をつなぐ」という小説で取り上げたテーマでもありますが、日常では多くの人が日々選択を突き付けられていると思います。
目に見える選択もあれば見えない選択もある。自分が気づかないうちに、そうした選択をさせられているのかもしれないと改めて考えました。」と熱く語った。

また、町山さんは、それを受け
「現在の社会は、日本に於いても無理な選択を強いる世の中になってきているのだと思います。
選べる自由というけれど、それは選ばせている人たちが楽になりたいからやっていることではないでしょうか。
サンドラは、同僚たちの元をまわりながら、「サンドラか、ボーナスか」という二択自体が間違っていると感じ取っていたのかもしれません。
こうした選択こそが人との繋がりを断絶するのだと、訴えているように思えました。」と、社会に対する問いかけがこの作品にはある、と話した。

また、加藤さんが「マリオン・コティヤールって、すごく美人ですが、劇中は全然そんな風に見えませんでした笑 
普通に見えるところがすごいですよね。時折見せる笑顔が、清々しくて本当に良かった。
あんなに献身的に支えてくれる旦那さん、いいですよね。」と投げかけると客席からは頷く姿も見られた。

トーク時間たっぷりお話しいただき、本作の魅力が伝わるとても濃密なイベントとなった。

以上