映画界のみならず、さまざまな業界に多大な影響を与えているジョージ・ミラー監督。迫力のある映像拍手の中、迎えられるとニコファーレでの演出に大喜び!「とにかく圧倒されています。」とコメント。昨日6月4日(木)に行われたジャパンプレミアに関しては「本当に忘れられない体験でした。エネルギーで溢れていて、ロックスターになった気分だった。炎が出たり、スカルのカーペット等、演出がとても素晴らしかった。カンヌのレッドカーペットを超えるものがありました」と語った。

現在、ヨーロッパツアー中であるMAN WITH A MISSIONのJean-Ken Johnnyから「シリーズの大ファンであり、主題歌に選ばれた事を光栄に思います」とメッセージが届けられ、「本作品の中にドゥーフ・ウォリアーがギターを弾くシーンがあるが続編をもし考えているなら僕たちも出演させてほしい」との問いかけに監督は「被り物のまま出てくれたら面白いかも」と笑みを浮かべた。「初めて曲を聴いたときに素晴らしいと思った。映画のスピリットの部分をよく捉えられていると彼らに伝えたい」と絶賛。本作にてこだわった点を尋ねられると「人間が飛ぶ話でもなく、宇宙船が出てくるわけでもない。とにかく“本物”という点についてこだわりました」と回答し、「走っている車に人が長
い棒の上で、弓なりに行き来するシーンがあります。“ポールキャッツ”と呼んでいるのですが、一つでもミスがあると大事故になってしまいます。安全面の確保のため、諦めて止まっている車で撮影し、あとで合成しようと考えていましたが、素晴らしいスタントスタッフの協力で実現しました」と撮影秘話を披露。「ある日、砂漠の向こうから車が走ってきて8人のスタッフそのアクションをこなしていました」と述べ、最終的にマックスを演じたトム・ハーディもチャレンジしたことを明かした。

トム・ハーディについて「オーディションでメル・ギブソンが入ってきた時と全く同じ雰囲気を持っていたんです。友達になりたいという思いを抱き、また謎めいていてどこか危険な雰囲気を持っていて、野生的なカリスマ性がある」と語った。
また、フュリオサを演じたシャーリーズ・セロンは「この役は彼女以外考えられなかった。シャーリーズは元バレリーナで、絶対的な存在感があり、空間の使い方が上手。ジェスチャー1つで表現ができる」と監督はいう。

続編に関しては、今この作品が出来上がったばかりで、ちょっと休憩が必要です。
でも、この作品を一生懸命作る間にも他のストーリが浮かんできたので、続編はあります。

メル・ギブソンはLAプレミアにて本作を監督の隣で鑑賞しており、その後ろにはトムがいた。「メルは上映が始まるとくすくす笑い出して、その後、肘鉄を食らわせてきたり。でも、最後には素晴らしかったと言ってくれて3人でハグをしたよ」と嬉しそうに話した。

また、今回の会見では、日本が誇るトップ・クリエイターとのオンライン対談が実現!中継先に現れたのは、三池崇史監督!三池監督は「若いころに『マッドマックス』に出会い、非常に影響を受けてきました。新作は、前作を上回る素晴らしさで、この作品はベスト1です!」とミラー監督へメッセージを送った。「感じたのは、この作品の根っこには、今ある常識や時代が向かっていくものへの根本的な怒りや恐れがあって、それがモチベーションとなって、今の常識をぶち壊そうというのが作品のもとだと思うのですが、ハリウッドでそれを作っていこうということに対すれ恐れというものはないのですか?」とミラー監督に質問すると「常に不安、恐れというものは持っています。三池監督もよくご存じだと思いますが、映画作りというのは“流動的なもの”が付きものです。なかなか予測不可能でコントロールできません。サーフィンのように波によってどこに行くのかが分かりません。自分の知識を全て使って作っていきますが、そのへんは非常に恐ろしい部分はあります。ワーナー・ブラザースは、非常に理解を示して下さって、これは典型的なハリウッド映画にはならないということは、最初から理解してくれていたので、非常に私としては楽でしたが、撮影は大変でした。」と回答。その後「プライベートではどんな車に乗っているのですか?」と三池監督が尋ねると「レクサスに乗っているよ(笑)ハイブリット車だから、信憑性がないかな(笑)」と会場を沸かせる一幕も。2人は豪華絢爛な対話を繰り広げ濃密な時間となった。

また、ニコニコ生放送を通じて寄せられたファンからの「今回の来日でどこに行かれましたか?」という質問にミラー監督は「三鷹の森ジブリ美術館に行きました」と答え、一番好きな映画には「千と千尋の神隠し」をあげた。日本から受けた影響については「宮崎駿は、私にとって神」と話し、一番好きな日本映画は『七人の侍』と答え、脳裏に焼き付いて一生忘れられない映像を作り出す美意識の高さが素晴らしいと説明した。

最後に「とても貴重な経験になりました。この会場は誰かの頭の中に入りこんだみたい。映画を作るのは大好きで、いつも楽しんで作っていますが大変なことでもあります。映画が完成して、力強い作品になり、みなさんが反応しているのをみると嬉しいですし、公開して良い反応をいただいているので非常に幸せです。『マッドマックス』は、初監督作品であり、どういう反応くるのかが分からず不安でした。『マッドマックス』を真の意味で理解し、認めてくれた日本のみなさんに是非、ご覧いただきたいです。」と言葉を残し、記者会見は幕を閉じた。独創的なキャラクターに突き抜けた世界観、CGを排除したガチなリアル・アクション超大作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は6月20日(土)新宿ピカデリー・丸の内ピカデリー他にて2D/3D & IMAX3D公開となる。