この度第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門におきまして黒沢清監督作品『岸辺の旅』が、監督賞を受賞いたしましたので、お知らせいたします。
黒沢清監督にとっては、2008年の第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査員賞を受賞した『トウキョウソナタ』に続く、カンヌ国際映画祭での受賞となりました。

カンヌで世界から熱狂的に迎えられた本作!
現地時間5月17日(日)深夜の公式上映には、黒沢清監督とW主演で夫婦役を演じた深津絵里と浅野忠信がレッドカーペットと舞台挨拶に登場しました。背中が大きく開いた黒のドレスに身を包んだ美しい深津絵里と長身を生かしたスマートなタキシード姿の浅野忠信の登場に、世界中から集まった観客の大喝采が巻き起こり、初のカンヌ入りとなった深津絵里は、その大歓迎ぶりに思わず万感の様子でした。
上映後は満員の観客席からのスタンディングオベーションだけにとどまらず、会場の外に待っていた多くのファンからも5分以上のスタンディングオベーションが続くなど、本作は現地でも異例の大フィーバーを巻き起こしました! W主演を務めた二人には、「二人とも素晴らしい!グレートだ!」「黒沢ワールドを生きている二人!」と賞賛が続き、フランスを代表する新聞リベラシオン紙でも写真入りで大きく1面で報道され、海外メディアからは、「黒沢監督に心揺さぶられる、初めての本格的なラブストーリーだ!」 「すばらしいメロドラマ!大きな感動だ!」「今年のカンヌNO.1ではないだろうか!」と熱狂的に迎えられ、高い評価を得ております。

受賞会場となった満場のドビュッシーにて、審査員からは「まさに岸辺(彼岸)に連れて行ってくれる、素晴らしい旅に連れて行ってくれる、最高の作品でした。そして、素晴らしい演出をされた黒沢清監督に、監督賞をお贈りします」との言葉を受けて、黒沢清監督が拍手喝采の中、壇上に招かれました。

☆黒沢清監督の談話
まさにサプライズで、とても緊張しています。ささやかな作品が、こうしてカンヌの場で、ひとつの輝きとして発見して頂けたのだと思います。とても光栄です。
審査員長のイザベラ・ロッセリーニさんからも「おめでとう」との声をかけて頂きました。
監督賞は、作品全体の賞であると思っています。すべての俳優、すべてのスタッフに頂いた賞ということで、とても誇りに思います。
先に帰国された深津さん、浅野さんと一緒にカンヌに来られただけでも楽しい思い出になりましたが、本日、このような賞をいただいて、さらに良い思い出になりました。二人には「ありがとうございました」と伝えたいです。お二人の力があったから、こうした場に招かれましたし、お二人がいたから初めて「人生」を描くことができました。日本に帰ってから、深津さん、浅野さんと「カンヌ楽しかったね」と盛り上がりたいです。