作家、歌手、パーソナリティーとして幅広く活躍するドリアン助川の著書「あん」が遂に映画化、5 月 30 日(土)より全国公開します。小さなどら焼き屋を舞台に、一人の老女とその周りの人々が、人生とは——を問いかけるいつまでも胸を去らない魂の物語。
このたび、『あん』が第 68 回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニングフィルムに選出され、河瀬直美監督、主演の樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、そして原作者のドリアン助川がカンヌに登場しました!
5 月 15 日(金)(※現地 5 月 14 日(木))、全員でレッドカーペットを歩き、公式上映前の舞台挨拶にも登壇しました

映画『あん』カンヌ国際映画祭 レッドカーペット&公式上映前舞台挨拶/上映後の囲み取材
■日程:日本時間 5月15日(金)2:30頃〜 ※現地5月14日(木)19:30頃〜
■場所:カンヌ ①レッカーペット→メイン会場パレ前 ②舞台挨拶→劇場「ドビュッシー」 ③囲み取材→劇場の外
■登壇者:河瀬直美監督(45)、樹木希林(72)、永瀬正敏(48)、内田伽羅(読み:きゃら)(15)、ドリアン助川(52) *敬称略

<日本映画史上、カンヌ参加“最高齢女優”樹木希林がレッドカーペットに、孫と手を取り降臨!
「キキ!」の掛け声とともにフラッシュの嵐!上映直後は、鳴りやまない拍手と5分以上のスタンディングオーベーション!!>

日本人女性監督として最多のカンヌ出品(今回で7度目)を誇る河瀬直美監督の最新作『あん』が、栄えある「ある視点」部門のオープニングフィルムに選出され、日本時間5月15日(金)(※現地14(木)夜)、レッドカーペットイベントと公式上映が行われた。

メイン会場のパレ前のレッドカーペットには 100 台以上のカメラが集結、“カンヌの申し子”河瀬直美監督の人気の高さをうかがわせていた。
そしてレッドカーペットに、『あん』一行が登場すると、一斉にフラッシュがたかれ、「キキ!カワセ!」など掛け声が飛び交いレッドカーペットのテンションは一気にあがり、ゲストたちも歓声に答えながら笑顔でカメラに手をふって歩いた。樹木は黒いシフォンが重なったオリジナルドレスで、ドリアン助川と内田の間に立って腕をとりあい颯爽と歩き、さすがの存在感。内田はアシンメトリーの真紅のワンピース、監督は背中がカラフルな個性的な黒いロングドレス、永瀬&ドリアン助川は気品あるタキシード姿と、それぞれ、カーペットをいっそう華やかにする衣装をまとっていた。

その後、上映会場で、舞台挨拶に登壇。チケットは完売し、約1100人がつめかけた満員御礼の会場にゲストが登場するや割れんばかりの拍手が鳴り響いた。これから作品を観る観客にむけて、代表して監督が、「ある視点のオープニングには、かつて偉大な作家の方々もセレクションされていて、そのような場所に今回「あん」という作品でみんなと一緒に戻ってこられて本当に光栄です。今回の作品は初めて原作のある小説の映画化という事で私には多くのチャレンジがありました。その素晴らしいストーリーをいただいて、そしてここにいらっしゃる日本で 30 年以上経歴のある俳優さんたちと共に、今回誇りを持ってこの作品を紹介したいと思います。」と挨拶した。

そして上映後は場内が明るくなるやいなや、スタンディングオーベーション!鳴りやまない拍手と歓声とともに、5分以上続いた。その様子をキャスト達はかみしめるような表情で見つめ、監督は涙をぬぐんだような表情で観客たちに手をふる様子を見せるなど、大成功のうちに上映は終了した。樹木は劇場の外に出ると、現地の観客に声をかけられており、カンヌの人を早速魅了していた。

「ある視点」部門の授賞式は、クロージングセレモニーがおこなわれる、日本時間5月24(日)に実施。『あん』にも受賞の期待が寄せられている。
日本では、5月30日(土)より全国公開する。

<上映後の囲み取材>

●河瀬:「こういう形で上映できて嬉しかったです。上映後の皆さんの温かい反応に感謝します。徳江さんがいなくなった世界で生きていく、千太郎とワカナのその姿を一観客としてみていて、その先に続く人たちの勇気に、自分で感動してしまいました。ドリアンさんは原作を20年温めていて、そして仕上がった原稿を、大手の出版社はことごとく断って。それを今の出版社(ポプラ社)がすくい上げた。この世に出なかったかもしれないものを、映画としてつくらせてもらいましたし、俳優の皆さんもここい存在しているけれど、ハンセン病を患って逝ってしまった名も無き魂が本当にたくさんあるのかな、と思うと、もしかしこれはあり得ない現実かと思うし、でも一人の人間ができることはわからないけれど、希望を捨てずに誰かと誰かが出会えばここまでこれるんだと、強く、、(涙ぐんで言葉詰まる・・思いましたと言いたかった様子)」

●樹木:「すごく恥ずかしかったです。大勢の前で姿をさらすなんて・・・ガマの油のガマが油汗かいたような気分です(笑)(映画祭で観客としてみるというのは)初めてのことですね。自分の姿をなるべく見ないようにしているので、どうして役者やっちゃたのかなーって。 72歳を超えるといろんな姿をみてきたので、素直にはあまり思えないのですけれど、ああこういうことだったんだな、って(映画を見て)率直には思いました。
(その後、はきはきコメントする監督の姿をさして)この姿はさ、女優だから、このギャップが世界に出ていくのよね〜(笑) でも河瀬さんみたいな人が日本から出てきて感無量ですね。本当に。「ナオミナオミ」って外国のカメラがね すごくて、傍にいて申し訳なかったわ〜(笑)」

●永瀬:「 終わった後あんな長い拍手をいただいたのは初めてだったので・・・感動しました。ドリアンさんの描いた、声にならない声というのをどう映像化するのか、ということだと思ったのですが、映画は海を越えるんだなって、(樹木演じる徳江の)そういう姿を見ていて、一生懸命涙を流すのを我慢しました。泣いちゃうんですよ、いなくなっちゃうところから」

●内田:「素晴らしい経験で、あんな長いスタンディングオーベーションいただいたことなかったので驚いて・・。(映画を見て観客に)あんなに感動してもらってすごく嬉しかったです。
(Q 女優業は続けたい?)それはまだわからないですけど、もう少し経験してみたいとは思います」

●ドリアン:「追ってくる人がいて、「トレボン!トレボン!」て言われて・・・ 感動しました」