2014年カンヌ国際映画祭に正式出品されるや大絶賛され、以降世界中の映画祭で熱狂をもたらしたウェスタン・ノワール『悪党に粛清を』が、6/27(土)より新宿武蔵野館ほかにて全国公開となります。

この度、本作で復讐に燃える孤高の主人公を演じたのは、デンマークを代表する国際的俳優マッツ・ミケルセン。

『007/カジノ・ロワイヤル』(06)で国際的にブレイクし、『偽りなき者』(12)ではカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞。TVドラマ「ハンニバル」(スターチャンネルにて6月にシーズン1&2一挙放送)の主人公レクター役を演じ本作の熱狂的ファンの愛称で知られる「ファンニバル」を沸かせ、今世界が最も注目するマッツ・ミケルセン。“北欧の至宝”とまで称されるミケルセンが、本作のプロモーションのため映画デビュー18年目にして初来日をし、本日5月12日に新宿武蔵野館にて行われた日本最速上映で舞台挨拶を行いました!

初来日となるミケルセン氏の舞台挨拶は、多忙なスケジュールの合間を縫って急遽来日の調整をしたミケルセン氏に、少しでも日本のファンとの時間を持って頂きたいという趣旨のもと、『悪党に粛清を』メイン館である新宿武蔵野館の協力を得て実現しました。限られたプロモーション時間の為、1回限りの舞台挨拶付き上映会でしたが、日本の方々に主演最新作の魅力を伝えようと、自身も好きだと公言している黒澤明監督の名作タイトルが飛び出すなど、 日本の方々に主演最新作の魅力を伝えるため熱心にトークを繰り広げました。

■開催日時 : 5月12日(火)18:45〜19:15 ※上映前
■登壇ゲスト:マッツ・ミケルセン(『悪党に粛清を』主演) MC:品川 亮(編集者/ライター)
■会場:新宿武蔵野館 スクリーン1 (新宿区新宿3-27-10 武蔵野ビル3階)

映画デビュー18年目にして、主演最新作『悪党に粛清を』プロモーションのためについに初来日を果たした“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンが、日本最速上映会の会場となった新宿武蔵野館に姿を現すと、つめかけた観客からは悲鳴とも言える歓声が上がった。
ミケルセンは「ハロー!ようこそ『悪党に粛清を』の上映会へお越しくださいました。今日はありがとうございます。今回は制作会社のZentropa Entertainments、脚本のアナス・トマス・イェンセン、そして監督のクリスチャン・レヴリングの代表として来日させていただきました。皆さんの代わりに“ようこそいらっしゃいました”という言葉を贈りたいと思います」とにこやかに第一声。
続けて、「本作はデンマーク製のウェスタン映画なのですが、歴史をひもといてみると必然を理解してもらえると思います。アメリカの開拓史は我々デンマークやヨーロッパからの移民の歴史でもあり、アメリカ人からウェスタンを取り返した、そんな風に捉えていただければと思います。この映画は復讐劇ですが、人間が復讐を果たしていく中で、どこまで人間性を保てるのかということをテーマにした映画です。ぜひお楽しみいただきたいと思います」と映画の見所を紹介した。
「ロケ地は南アフリカです。デンマーク人が、アメリカのウェスタンを南アフリカで撮った面白い作品になっています。カメラの向こうは西部なのですが、少しアングルを変えるとシマウマがいたりと、撮影には気をつけなければなりませんでした。さらに、スタッフは現地の方も多かったので、スワヒリ語が飛び交っていたり、なかなか面白い体験でした。」と撮影当時を振り返る。
ミケルセンが本作で見せる抑制された演技について、「ウェスタンというのはセリフで物語を運ぶ訳ではないんです。逆に広大な景色があり、そこにひとりの男がいるという“引き”の演技や表情で魅せるジャンルだと思います。」と説明。その一方で、世界的に大ブレイクを果たしたきっかけとなったTVドラマ「ハンニバル」での演技について聞かれると、「確かにハンニバルも抑制した演技ではありますが、レクター博士は実に人生を楽しく送っている人なんです(笑) 『悪党に粛清を』の主人公・ジョンよりは楽しそうな人なのかもしれません」と茶目っ気たっぷりに比較し、観客の笑いを誘っていた。

初めて訪れた日本への印象について、「まだ余り外に出る機会がないのですが、窓から見える景色が本当に綺麗で、早く街中に繰り出したいと思っています」と語り、プロモーションの合間に歌舞伎を見に行ったことを明かし、「歌舞伎は本当にすばらしかったです。デンマークにはパントマイム・バレーという形式的な劇があり、それに通じるものがあると感じました。楽しませていただきました」と語った。

最後に、「とにかく美しい映画です。セルジオ・レオーネの伝統を汲んでいたり、僕自身『七人の侍』がとても好きなんですが、黒澤明からインスパイアを受けた歴史的なウェスタンだと僕は思っています。そういった巨匠たちの影響を受けた作品です。」と締めくくった。
フォトセッションの合間には、観客と自らコミュニケーションを取ったり、握手やサインにも応じたりと、短い時間の中でもファンとの時間を大切にし、制作スタッフ含め本作『悪党に粛清を』の代表として日本を訪れたという心意気を感じさせる素晴らしい初来日舞台挨拶となった。