リーアム・ニーソン リーアム・ニーソン扮する私立探偵マット・スカダーが、ひとりの少女の命を懸け、連続誘拐殺
人半と交渉を繰り広げるサスペンスミステリー『誘拐の掟』(5月30日)。この度、公開に先立ち、法政大学・越智啓太教授による犯罪心理学の立場から、試写後に本作の犯行や誘拐交渉をより詳しく解説していただき、リアルな見どころに迫る特別試写会を開催いたしました。

越智教授の「白熱!犯罪心理学教室!!」×最新映画『誘拐の掟』プレビュー!
◆日程◆4月21日(火)18:00〜 ◆会場◆ポニーキャニオン1Fイベントスペース(50席〜70席程度)
◆出演◆越智啓太教授(法政大学、犯罪心理学)
犯罪心理学 越智教授が「誘拐の掟」の猟奇殺人犯をプロファイル! 犯罪心理学 越智教授が「誘拐の掟」の猟奇殺人犯をプロファイル!「犯人の目的は金じゃない」

この映画のご感想は?
「本作ではかなり入念なリサーチが行われているな、と、まず驚きました。過去の作品でいうと「羊たちの沈黙」はリサーチがとても行き届いており、とても本物っぽく描かれていましたが、これも現実にありえるような、リアルな描写やキャラクター描写でした。たとえば、犯行の様子をビデオカメラで録画しているシーンなども、実際の猟奇殺人犯によくある行動の一つ。そういった細かい部分をとても丁寧に描いている作品でした」

犯人はどんな人物像?
「身代金目的の犯行ではない。もともから人質を返すつもりなんかは絶対にない人たちです。犯行をとても楽しんでいますね。今回の映画では、二人組の犯人で、一方は饒舌で交渉をして相手をコントロールしたり、人を恐怖に陥れてそれを見て楽しむようなタイプ、身代金の要求も相手が苦しむ様子を楽しむ手段の一つですね、もう一人は黙々と武器の手入れをしていたりして、おしゃべりが苦手で、人を解体するといったことが好きなタイプと考えられます」

二人組の猟奇殺人犯は珍しい?
「今回のような(性的趣向の)猟奇殺人犯で二人組というのはとても珍しいです。 趣味が違うと喧嘩をしてしまいますし、長くは続かないことが多いです。夫婦や恋人同士など男女の組み合わせは長く続くケースが多いですが、男性同士というのは珍しいです。
少ないケースの中で、本作の犯人像とよく似ている実在の犯人がいます。ローレンス・ビッテイカーとロイ・ノリスという二人組。二人組の猟奇殺人犯でバンを使って犯行を繰り返してました。もしかしたらこの二人をモデルにしていたのかもしれませんね。」

そんな犯人との交渉するには?
「人質交渉でまず必要なことは人質の安否の確認。人質の生死によって交渉の仕方が変わってきます。そして犯人と対等な立場で交渉を進めること。本作の主人公マット・スカダーはこの大事なポイントはしっかりと抑えています。まず。人質の安否を巧みに確認し、強気な発言の犯人に対して下手にでること無く、同等、それ以上の立場で話を進めています。彼が強気な交渉が出来た理由としては、(人生に)ヤケクソだったから、というのもあるかもしれませんが、おそらく交渉の時点で、人質はすでに殺されてしまっていると考えていたのだと思います。交渉が進む中で人質の安否がわかると、若干威圧的な口調をトーンダウンさせたりしてますね。その後また強くなったりしますが、状況や相手のトーンに合わせて、口調の強さを調整している、というのもポイントです。そのあたりは気にしてご覧いただくと、一層楽しめるかもしれません。」

映画の見どころをお願いします
原作ものの映画は素晴らしものが多いですが、本作もそうですね。「96時間」のような派手なアクションと思いきや、主人公が深く描かれていて大人が見て楽しめる映画になっています。