ベルリン、カンヌ、ヴェネツィア…<世界三大映画祭>すべてで【監督賞】に輝いた“天才監督”ポール・トーマス・アンダーソンの『ザ・マスター』以来となる待望の最新作『インヒアレント・ヴァイス』(配給:ワーナー・ブラザース映画)が、4月18日(土)より日本公開されます!

現代世界文学の最高峰に君臨し続ける謎の“天才覆面作家”トマス・ピンチョンが、初めて自身の作品の映画化を許可したという「LAヴァイス」(新潮社刊)を原作に、70年代のロサンゼルスでヒッピー探偵“ドック”が元恋人の依頼を受け思わぬ巨大な陰謀に巻き込まれていく様子を、愉快なコメディタッチに描いたハッピーでロンリーな探偵サスペンスです。主演は、映画界きっての異端児にして“天才俳優”ホアキン・フェニックス。マリファナで堕落しながらもどこか憎めない、ゆるふわアフロのマリファナ中毒ヒッピー探偵を体現しました!他にも、ジョシュ・ブローリン、オーウェン・ウィルソン、リース・ウィザースプーン、ベニチオ・デル・トロと、実力派大スターが豪華揃い踏み!映画全編をレインボーカラーに彩る、1970年代のポップ・カルチャーも必見です!天才監督×天才作家×天才俳優のコラボレーションが創り出した、不条理だけど心地よく、孤独なのに愛に満ちた魅惑の“不都合な世界”へようこそ—

 さて、本日吉田大八監督、太賀さん、落合モトキさん、が登壇するトークショー付き試写会イベントを実施いたしました!佐藤江梨子主演の『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(07)で監督デビューを果たし、12年には1人の男子学生が部活を辞めた事から起こる若者たちの変化をセンセーショナルに描いた青春映画『桐島、部活やめるってよ』で、日本アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞をはじめ各賞を総なめ、さらに昨年は『紙の月』(14)が高く評価されただけでなく、主演 宮沢りえを数々の賞へと導き出した邦画界の天才監督 吉田大八。そんな吉田監督が、ポール・トーマス・アンダーソンの大ファンということから、イベントへの登壇が実現しました!なんと、「インヒアレント・ヴァイス」は鑑賞前から予告編を100回以上も見たという大ファンぶり。
さらに、『桐島、部活やめるってよ』に出演し活躍中の俳優 太賀さん(『アゲイン 28年目の甲子園』、『私の男』)、 落合モトキさん(『日々ロック』、『娚の一生』)という、映画が大好きな注目の若手俳優も登壇!『桐島〜』で公私共に親交の深い3人が、本作さながらに“映画愛”に満ちた“最高に愉快で、最高にグル—ヴィ”なトークがさく裂しました!!! 

■日時:4月15日(水)18:00〜18:20※上映前イベント
■場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 シアター1
■登壇者:吉田大八監督(51)、太賀(22) 、落合モトキ(24)  MC:森直人(映画評論家)
■イベント名:ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作『インヒアレント・ヴァイス』公開記念
『ザ・マスター』トークショー付き特別上映

【イベントの様子】
MC:みなさんのポール・トーマス・アンダーソン(略称PTA)監督映画初体験は何ですか?
吉田:僕は「ブギーナイツ」ですね。随分若い監督が撮ったっていうので話題でしたね。「ブギーナイツ」も面白かったですけど、本当に好きになったのは、その次の「マグノリア」。「この人ケタが違う!」と思いました。
太賀:僕は「パンチドランク・ラブ」ですね。脳天かち割られたような気がして、それから好きです。
落合:僕はウブですが、「ザ・マスター」ですね。「ザ・マスター」の規模が大きすぎて受け止められなくて、今回のイベントを機に全部見ましたが、好きなのは「パンチドランク・ラブ」です。

MC:みなさんのベストPTAは?
落合:「パンチドランク・ラブ」で、主人公が電話を持ったまま悪党に向かって走るところがすごく印象に残っています。
監督:僕はダントツで「ザ・マスター」ですね。最初は「(PTAは)もう『マグノリア』みたいな映画は撮らないんだなあ」と寂しい気持ちでしたが、「ザ・マスター」は5〜6回見ました。僕は何度も観るということはないですが、見る度に深まるというか。「ザ・マスター」は別格中の別格です。
太賀:僕は「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」ですね。観終わった後に開いた口が塞がらなかったです。“終わり切れ”というか、どう整理していいのかわからなかいくらい途方もない感情になったのを覚えています。とにかく好きでした。

MC:吉田監督から見て、「ザ・マスター」の現場はどういうものだったか、どんな風に想像されますか?
吉田:インタビューで知ったのですが、ホアキンがどう動ごいてもいいように撮ったそうです。ホアキンがきっと自由に動いていて、それをPTAが受け入れるわけだから、すごくスリリングで緊張感のある関係なんだなと思いました。

MC:吉田監督の演出と照らし合わせてどうですか?
吉田: 僕はわりと細かく決めます。僕がホアキンに細かく指示して“うーん”ってなる想像はよくしますけどね。(笑)

MC:「桐島、部活やめるってよ」で吉田監督の演出はどうでしたか?
太賀:リハーサルが何度もあり緻密でしたね。映画を作る時間が心地よかったです。
落合:「桐島〜」の場合はお互いのことを知っているからあの演出ができたし、団結できたからこそ監督のこだわりが実現できたのかなと思います。

MC:ホアキンは「ザ・マスター」の前に「容疑者、ホアキン・フェニックス」というフェイクドキュメンタリーでラッパーに転向するというので全米から顰蹙(ひんしゅく)を買った後、「ザ・マスター」でアカデミー賞にノミネートされたという経緯がありましたよね。「ザ・マスター」から、続く「インヒアレント・ヴァイス」への経緯についてどう思われたか、みなさんから一言ずつお願いします。
吉田:「インヒアレント・ヴァイス」は、「ザ・マスター」とは想像以上に違う映画でした。とにかく楽しい映画でした。PTAとホアキンの関係性を想像すると、楽しくて幸せそうだなと思いました。この映画にこれだけの役者が揃うって羨ましい!
太賀:自分の知っているPTAがいなくて、違う領域にいったような感じがしました。PTAはどこまでいっちゃうのだろうと胸が躍りました。
落合:ここまで役者が変わってしまうのかなと思いました。ホアキンは体の全身にスイッチがあって全部を変えられるような人なんじゃないかと思いました。

MC:俳優としてPTAの作品に出演するとしたら…いかがですか?
太賀:PTAが書くキャラクターは本当に魅力的で演じがいがあると思うし、羨ましい!
落合:もし台本をもらったときに、衣装を好きに選んでいいよって言われたら、まずそこでワクワクですよね!「インヒアレント・ヴァイス」は、自分勝手なキャラクターというか、アクの強いキャラクターが多いですよね。字幕を読んでいる間に、周りでそれぞれのキャラクターが勝手に動くから、どんどん置いておかれていくようでした(笑)最高な音楽もかかっているし、最高の映画。きっと、撮ってる間もワクワクしていると思います。

MC:俳優仲間での「インヒアレント・ヴァイス」の評判は?
太賀:「インヒアレント・ヴァイス」は、ザワザワしてます。周りはみんな観たがっていて、「なんで今日の登壇お前らなんだよ」って言われました(笑)

MC:「ザ・マスター」と「インヒアレント・ヴァイス」2作品について一言おすすめポイントお願いします。
吉田:「ザ・マスター」は、フィリップ・シーモア・ホフマンが普通に見えるくらいホアキンがすごいんですよね。そこでできた関係性でPTAの映画にまた出ているという。映画にとって良かったなとすごく思いました。

MC:フィリップ・シーモア・ホフマンは昨年亡くなりましたが、PTA作品に5作品でているんですよね。
吉田:いつもフィリップ・シーモア・ホフマンは普通じゃないんですよね(笑)
太賀:(「ザ・マスター」も「インヒアレント・ヴァイス」も)どちらの作品も役者が本当にすごいですし、「ザ・マスター」はフィリップ・シーモア・ホフマンとホアキンの役者バトルが開いた口が塞がらなくて、本当に楽しい体験でした。
落合:「ザ・マスター」は自分の気持ちによって観方が変わる映画だと思いました。洋画の探偵モノというと、人が死ぬものが多いけれど、「インヒアレント・ヴァイス」は同じ探偵モノでも、残酷な描写はなくて、人情をすごく汲み取っていてとても良かったです。