4月10日(金)より大ヒット全国公開中のアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督最新作『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。この度、本作のサウンドトラックを手掛けたジャズドラマー、作曲家としても前人未到の躍進を続けるグラミー賞4度受賞の鬼才アントニオ・サンチェス氏が自身のユニットによる公演のため来日。公演に先駆け、アントニオ・サンチェス氏による生演奏をはじめ、『バードマン』大ファンの菊地成孔さんとの対談、そしてイニャリトゥ監督作『バベル』でハリウッド映画デビューを飾った女優の菊地凛子さんが登壇、イニャリトゥ作品の舞台裏について、サンチェス氏と語っていただきました。

■日 時 4/13(月) 13:00〜14:00
■会 場 コットンクラブジャパン(東京都千代田区丸の内2−7−3東京ビルTOKIA2F)
■登壇者 アントニオ・サンチェスさん/菊地凛子さん(女優)/菊地成孔さん(音楽家・文筆家)

イベントが始まると菊地成孔さんが登壇。本作を「ともすれば閉塞しがちなアメリカ映画界に針を刺し、アメリカ映画史を更新するような作品だった。誰もが楽しめる娯楽映画であると同時に、文学的、美術的に先鋭的なアートでもあるという多角的価値をもつ作品」と大絶賛。また、ラストシーンについて触れ、「物語の解釈の曖昧さを残すことで、現実と非現実的の区別は重要であると同時に、どちらでもない中間領域があると思わせてくれる。また本作の音楽として選択したのがサンチェス氏のドラムソロであったことに対し、他の楽器にはない多層的で移民的な世界をもつもの、その判断に敬意を表する」とミュージシャンであり映画、音楽評論とジャンルを横断し多岐にわたる見解で熱く語った。そして、本作の一部映像にあわせて、サンチェス氏の迫力ある生演奏がスタート。

演奏が終わると、サンチェス氏は菊地成孔さんの質問攻めに。「イニャリトゥ監督は、どの人からも最高のパフォーマンスを引き出すことができる。」と撮影時のことを振り返り、「(ジャズの演奏は)周りに反応していくもの。映像に反応し、本能でリアクションしていたよ。きっちりしたものではなく即興でもっとジャジーなものでその点では演奏と同じ感覚だった。イニャリトゥ監督が求めていたのはまさにそういうものだったから応えられたんだ!」と語った。

そして最後に、菊地凛子さんが花束を携えて登壇し、サンチェス氏へプレゼント!サンチェス氏は「『バベル』は生涯のベストに入るほど好きな作品、菊地凛子さんの大ファン!」とのこと。菊地凛子さんは「(イニャリトゥ監督は)女優としての強い意志と力を与えてくれた人。彼に女優を決して辞めるなと言われたことは今も心に残っているんです。初めてのハリウッドの作品で、人としても成長し、タフになりました」と語った。