映画『忘れないと誓ったぼくがいた』の公開初日の3/28に、ヒューマントラストシネマ渋谷で本編の上演後、村上虹郎、早見あかり、大沢ひかる、池端レイナ、監督の堀江慶が登壇、舞台挨拶を行いました。

日時:2015年3月28日(土)  14:45~15:15
会場:ヒューマントラストシネマ渋谷
登壇者:村上虹郎、早見あかり、大沢ひかる、池端レイナ、堀江慶監督

【舞台挨拶内容】
村上「村上虹郎です。今日は本当にありがとうございます。僕は今日、花粉が絶対ひどいと思ったんですけど、鼻が通っていてうれしいです(笑)」

早見「織部あずさ役の早見あかりです。こういう虹郎の挨拶も懐かしいなって思いながら、今日この場に立っています。撮影はかなり前にしているので、この公開日がくるのをすごく楽しみにしていました。すごく難しいお話で、皆さんも見終わったあとに、あれ?ってなったかもしれないんですが、今日はこの役についてや、撮影現場でのお話をみなさんにできればと思います。」

大沢「タカシをずっと一途に思っている藤村かなえ役の大沢ひかるです。暖かいこの日に、初日を迎えられてよかったです。楽しんでいただけたでしょうか? (拍手)」

池端「タカシのお姉さん役を演じました池端レイナです。劇中の私のイメージとはまったく一致しないかもしれませんが、これが普段の姿です(笑)。短い時間ですが、撮影時の楽しいエピソードをお話できたらと思います」

堀江「監督の堀江慶です。今回は監督だけでなく、企画からビーチウォーカーズの協力を得て、紙切れ一枚のところからプロデューサーのみんなと作り上げてきました。いま、映画作りが難しい中で、自分自身としても映画らしい映画を制作することができ、自分でも転機になる作品だと、感無量です」

Q:村上虹郎さん、葉山タカシ役を演じてみて、いかがでしたか?
村上「とにかくいいやつなんですが、普通過ぎるくらい普通の人間なので、普通というのは何かを考えろと堀江監督には言われました。主人公は、突如現れるあずさに気持ちを持っていかれるわけです。だから基本的に僕の役は受け身だし、そのなかで1つ1つのリアクションをどういうふうにグラデーションをつけていくかというのが、僕にとって初めての順撮りではない作品だったので、基礎的な部分を監督と初めてお芝居についても語り合えたというか、話した作品でした。自分の言葉を出し切れないところがあって、なんだろう、(タカシとは)高校3年で歳は同じなんですけど、ぜんぜん人が違うんですよね」

Q:虹郎さんは日本で高校生活を送っていないんですよね?
村上「そうですね。日本では高校に行っていないんですが、映画やドラマで制服を4~5回着ています」

Q:早見あかりさん、撮影中は村上さんと過ごす時間が長かったと思いますが、共演されていかがでしたか? 
早見「村上虹郎という子と一緒に映画をつくる、となったときに、ネットで調べたんです。そうしたら誕生日が私と同じ3月17日で、こんなことってあるのか!とまず思ったんです。でも私のほうが2つ上なのでしっかりしなきゃ、とすごく思ってんですけど、初めて会ったのは、お祓いのときで、儀式の作法を教えていただいているときに、“それ違うよ、逆、逆”って隣で言われまして、初対面で、2つ上のお姉さんなのに(笑)。この子はなんて子だ、と思ったんですけど、そういうふうに私に話しかけてくれたことによって、私自身も仮面をかぶって接することなく、本当に素の自分でいられて。一緒にいる時間が長くなるにつれて、どんどん似ているところがいっぱいあって、考え方とか思考のしかたが本当にもう一緒なんです。だから、言っていなくてもお互いの気持ちがわかるし。なので、撮影では一緒にいて楽でした。
この映画は、iPhoneで撮影した映像がたくさんありますが、そこの部分はきっちりとしたセリフが決まっていなくて、自分たちで好きなようにやっていいよ、と言われて、素でいられて楽しくできたし、あれはもうあずさとタカシでもあり、あかりと虹郎でもあるかなと」
村上「特にiPhoneで撮影したシーンはそういうふうに見えましたよね」
早見「2つ上なんですが、兄弟というより、双子っぽいねって、ずっと2人で言っていて。私のほうが上のはずなんですけど、けっこうおっちょこちょいで、いろんなところに手をぶつけたりするんですよ、ロケバスで頭をぶつけたり(笑)。それを、“あー、またね、よしよし”みたいな感じでされるというか、すごく自由で読めない人間なんですけど、お兄ちゃんっぽくもあるんですね」
村上「一応、長男です、僕(笑)。下に2人います」
早見「しゃべっているときに心配で見つめちゃうときもあれば、普通に生活していると大人っぽいところもあって。すごく素敵なパートナーが見つかったなと思いました」

Q:「大沢ひかるさん、本編の中で“あなた誰なの?”というセリフが印象的でした。キャラクターとしての個性が強いタカシとあずさを前に、大沢さんの演じた女子はごく普通の女の子でしたが、役を演じてみていかがでしたか? また完成した本編を観ての感想を教えてください」
大沢「“あなた誰なの?”っていうのを、ただの嫌な女になってほしくない、と監督に言われました。それはすごく難しかったのと、私の演じたかなえはタカシをすごく好きで、でも奪われてしまうんですけど、でも全力でタカシを好きになったことはよかったです。(現場での)2人は漫才を観ているようで(笑)。ずっとしゃべってましたね。面白かったです」

Q「池端レイナさんは、村上さんの姉役でしたが、村上さんと早見さんの撮影現場での印象を教えてください」
池端「ひかるちゃんと一緒で、2人がすごくおもしろくて(笑)。私が撮影に入ったのは終盤のほうで、新しい現場に入るときはとけ込めるかなとすごく緊張するんですが、撮影初日に行った瞬間に虹郎くんが今まで友達だったかのようなすごくフランクな感じで話しかけてくれるし、2人とも無口なタイプなのかなと思っていたんですが、全然真逆でテンション高いし。劇中で、みんなで焼き肉を食べるシーンがあったんですが、そこはみんな素のように楽しんでいたんです。虹郎くんは撮影が終わった後、ごはんをもらってどんぶりにして食べてました(笑)」

Q「堀江監督、それぞれのキャスティングの理由を教えてください」
堀江「この映画には悪い人がいなくて、仕方ないことしかない中で、究極の善意というか裏を見れちゃうと思うので、そこの部分が捉えられないと嘘っぽくなってしまうので、そこでしたね。主演の2人はピュアであること、本当にピュアで。タイプは全然違うんですけどね。すごくピュアなところで選びました」

Q「皆さんが、もし明日、織部あずさのように、突然誰からも忘れられてしまう存在になったらどうしますか?
村上「僕は落ち込む前に、たぶん無賃で旅をしまくります。指名手配されないから(笑)。」
早見「ちっちゃいけど、ポジティブだ(笑)。まったく考えなかった! 自分があずさの立場になってしまったら、毎日毎日強く生きるって大変だ、とけっこうネガティブに思っていたので、それを使ってなんか悪いことしちゃえ、っていう発想がすごい!」
村上「消えたいって言ってたよね?」
早見「私だったら消えたいって思っちゃう。ポジティブだからこそ、周りの人と一緒にいてもすぐ忘れられちゃうんであれば、つらいなって思っちゃう」
大沢「自由に過ごしちゃう」
早見「ポジティブ派だね」
大沢「自分のやりたいことをやる」
池端「デパ地下が大好きなんですけど、毎日通うのは恥ずかしいけど、そうなったら毎日行っちゃう(笑)」
堀江「レイナちゃんがそんな中学生みたいなことを言う人だったとは(笑)。僕はあらゆる軽犯罪をしますね(笑)。罪悪感があるんで、大きいことはできないんですけど、小さい悪いことをします(笑)」
村上「忘れられちゃうんだから」
早見「ポジティブ過ぎて一周しちゃって、ポジティブでいいかも(笑)」
堀江「結局みんな忘れられても悲しくないんだ(笑)」

この後フォトセッションが行なわれ、最後に、村上虹郎、早見あかり、堀江慶監督から、お客様へのメッセージで舞台挨拶を終了した。
堀江「今日は本当にありがとうございました。この映画を、ぜひ忘れないでほしいなと思っています」
早見「今日は短い時間でしたが、私たちがどれだけ楽しい撮影をして、このせつない作品をつくったのかということは伝わったかなと思います。一度ではなく、2度でも 3度でも何度でも観て、忘れないでください! ありがとうございました」
村上「みなさん、本当にありがとうございます。この映画は、どの映画もそうなんですが、特にこの映画はこのエンディングを観てわかると思うんですが、まだ半分しかつくっていません。残りの半分は、今日観てくれたみなさんがつくることなので、よろしくお願いします!」

映画『忘れないと誓ったぼくがいた』は、3月28日から、ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次公開。