映画『アゲイン 28年目の甲子園』完成報告会見

日程:1月7日(水)
場所:【完成報告会見】東映本社/【大人の親子試写会】丸の内TOEI(1)
登壇者:中井貴一、波瑠、柳葉敏郎、工藤阿須加、大森寿美男監督

年明け最初の本作のイベントということで、お正月のおめでたい雰囲気の会場に中井貴一さん、波瑠さん、工藤阿須加さん、柳葉敏郎さんの豪華キャスト陣と大森寿美男監督が登場!
波瑠さんは艶やかな着物姿で、会場により一層華やかさを増していました。
書初め披露では、柳葉さんが中井さんの達筆すぎる字に「眩暈がする」とおどけてみせたり、工藤さんが書いた言葉の説明に、「勉強になります」と中井さんが納得して深く頷いたりと終始和やかな完成報告会見となりました。

その後、大人の親子試写会の会場へ移動し、上映前に舞台挨拶を行いました。
「大人の親子」ということで、中井さん柳葉さんと同世代のお客さんが多く来場しており、期待感を煽るのがうまいお二人の話に納得して笑ったりと、拍手と笑い声の絶えないイベントとなりました。

<完成報告会見>

MC:一言ずつご挨拶をお願いいたします。

中井貴一:『アゲイン』は特殊な話ではありません。当たり前に存在する男の話で、
人と人との繋がりで新たな面に気づいたりと、淡々とした話です。役者としてそういうことに
気づくのが難しいんですよね。年明け早々に公開ですが、気楽に映画館に足を運んでいただける
映画です。ぜひ皆さんのお力をお貸しください。

波瑠:この映画のお話をいただいたときは、マスターズ甲子園も知らず、実際に視察に行き、
ボランティアの皆さんの動きを勉強するところから始まり、撮影に入ると先輩の皆さんについていくのが
大変でしたが、とても素敵な時間を過ごすことが出来ました。

工藤阿須加:野球をやったことがなかったので、野球の体にしなきゃ、この子野球をやってないとばれないように
しなきゃという気持ちで入りました。また中井さんの若いころの映画を観て勉強しました。いい作品になっていると
思いますので、いろんな人のきっかけになればいいなと思います。

柳葉敏郎:中井くんからもありましたが、どこにでもある人の想い、つながりを素直に表現している作品です。
中井くんとの撮影も阿吽の呼吸で気持ちよくできました。自分も中年になってようやくこういう表現ができるように
なったと思いながら、若い役者たちのパワーをもらいながら新年を迎えることができました。
柳葉敏郎、新しいステップを踏み出すことができます。

大森監督:野球を題材にした映画なので、野球シーンは俳優の皆さんに体を張っていただいて、理想通りのシーンを
描くことができました。野球をしている人たちの人間ドラマ、若手からベテランまで役者がとても素晴らしかった。
そこがPRしたいところです。

MC:本日は皆様に映画『アゲイン 28年目の甲子園』が夢に挑戦していく者たちを描いた
物語であることに絡め、「2015年に挑戦してみたいこと」をお題にに書き初めをしていただきました。
ここでご披露していただきたいと思います。

中井:「蓄積」
仕事をしていくと消耗していくんですよね。今年はいろんな意味でペースを考えて蓄積していきたいと思います。

波瑠:「ひとり旅」
仕事が忙しくなると自分を見つめなおす時間がなくなってしまうので、時間を有意義に過ごせるひとり旅に挑戦したいです。

工藤:「心体技」
「心技体」とはよく言うと思いますが、最後に技術だと自分は思っています。仕事を一生懸命やるという想いがまず大切で、
それをこなす体力が必要で、そうやってやれば最後に技術がついてくると思っています。(中井さんから「勉強になります」)

柳葉:「舟出」
この作品の公開が、柳葉の舟出です。父親としては、上の子が高校、下の子が小学校に入るので、
いっしょに手を取り合って舟出しようという気持ちです。

大森:「一作入魂」
一作一作、魂を込める。いつかそれが人魂になるように頑張りたいです。

MC:本作は親子の物語ということで、胸を打つシーンがたくさんありました。
そこで皆さんにとって親とは?親についてどう思うか教えてください。

中井:親は幹、子どもは枝葉。親が中心にいて子どもがそこに集まってくる。
代々育って、枝も幹になって大きくなる。人間はその繰り返しだと思います。
自分が親の世代になって、親の有難味がわかるように、子が親に勝てるということは
ない。近づけるように努力するけれど、跳ね返されてながら群がっていくんだろうと
思います。

波瑠:自分の一部です。父と母で私は出来ていると思います。悲しいことも楽しいことも
まず一番に報告したいと思い浮かぶのは両親の顔ですね。

工藤:憧れであり、越えられない壁です。仕事をいただいて働いてみて、畑は違えど
仕事の大変さを感じて、改めて凄いなと思いました。越えたいと思うけれど越えられないかな。

柳葉:皆さん、男親を想像しておっしゃっているので、いっしょだなと聞いていました。
死ぬまで越えられないですね。親が目標になっているということはそこまで
達してないわけで、死ぬまで思い続けるんだろうと思います。父親としては
本人たちがどう思っているかわかりませんが、子どもたちは俺を見ていると思って
日々を送っています。

大森:子どものときは親と子がいれば親子になると思っていました。いざ親になると
行きかうボールが大事だと痛感します。この作品のテーマでもある言葉のキャッチボールの
大切さを感じながら、子どもと付き合っていきたいと思っています。

※マスコミからの質問

Q:中井さんと波瑠さんにお聞きします。親子に近い役を演じられて、
お互いどう思いますか?撮影エピソードを交えながら教えてください。

中井:歳は食っているけど中身は変わってないんです(笑)
若いころは菅原文太さんや高倉(健)先輩など、もちろん大御所、重鎮に見えたんです。
でもいざ自分がその歳になってみると、全然ダメですね(笑)
波瑠ちゃんから見ると、大先輩に見えるんだろうけど(笑)
人見知りで最初はぜんぜん目を合わせてくれなかったけれど、芝居をしてみて、
だんだん心が通じ合ってくる関係性になりました。

波瑠:中井さんはとてつもなく先輩に感じます。というか、先輩です。
私から話しかけるなんて!という感じでしたが、紳士的で優しい方で、
いいのかな〜と思うぐらい後半はリラックスしていました。
横にいるだけで教えられている、という感じでした。

Q:工藤さんに質問です。野球技術をお父さんに教えてもらいましたか?
また、野球を通してお父さんに対する想いは変わりましたか?

工藤:今回サードの役だったので、父に「誰をイメージしたらいいか?」を聞いたら、
「長嶋さんをイメージしたら」と言われました。僕、現役の長嶋さんを見たことがなくて(笑)
でも野球中継を見て勉強しました。実は野球に全く興味がなかったのですが、
この映画に携わらせていただいて、野球が好きになりました。