昨年、台湾ドキュメンタリー映画史上、最高興行記録を打ち立て、社会現象を巻き起こした『天空からの招待状』が、本日、日本での公開初日を迎え、台湾から緊急来日したチー・ポーリン監督と、プロデューサーのエイミー・ツォン氏、そしてスペシャルゲストとして、台湾出身のジュディ・オングさんをお迎えし、大変華やかな舞台挨拶を開催しました。

日時: 2014 年 12 月 20 日(土)
場所: シネマート新宿
登壇者:
ジュディ・オング(女優、版画家/64 歳/写真中央)、チー・ポーリン監督(49 歳/写真右)、エイミー・ツォン(本作プロデューサー/40 歳/写真左)

本作は、台湾の「國道新建工程局」で国家公務員として長年、航空写真を撮り続けてきたチー・ポーリン監督が、全編空撮という未だかつてない手法を用いて台湾の今を見つめたドキュメンタリーです。日本版のナレーションを、今もっとも輝いている俳優、西島秀俊さんがつとめているのも大きな話題となっており、西島さんの癒される声と、天空からの俯瞰の美しい映像、そしてリッキー・ホーによる荘厳な音楽が、素晴らしい相乗効果を生んでいます。

本作を製作するにあたり、監督は「台湾だけに限らず、こういった問題は全世界共通の問題だと思います。どうか皆様も自分達の環境に目を向けてください。経済が発展すると同時に、その背景で犠牲になっていくのが環境だと思います。この映画を通じて台湾の人も祖国を見直そうという気持ちになってくれました。皆さんも自分の故郷を大切にする心を持ってほしいと思います」と語ると、ジュディ・オングさんも「台湾の人達は天・地・水・人間と一緒に住んできた人。とにかく映像が美しい。我々の愛する地球をいつまでも美しく保てるようにしたい。台湾のくくりだけでなく、これが世界、地球なんです。それが私たちの現状なんです。それを美しい画面、そして恐ろしい画面から感じ取って、我々はまだ何か出来るんじゃないかなと感じて欲しいです」と、本作を鑑賞中に涙が止まらなったという感動を力説していました。
また、日本版のナレーションを西島さんがつとめるニュースを聞いたときには「鳥肌が立ちました」という監督。「西島さんの声を聴いて、日本語は分かりませんけれど、温かい誠実さを受け取りました」と語り、西島さんの魅力は国境を越えることを証明しました。

司会者から、64 歳の今も、若い頃と変わらない美貌の秘訣を聞かれたジュディ・オングさんは、「私は好奇心満々の人間です。人生は好奇心を持っていると楽しいんですね。それは自分へのチャレンジだから。ダメだと思って線を引いたらそこから老いがはじまるの。チャレンジ精神が人生を変えると思っています。監督も今までの技術をもって新しいチャレンジをしたこと、この少年のような目が語っているなと思います」との答えに、監督も「この映画を作る時には、髪の毛がもうちょっとありました。想像を超えるお金が必要になり、(本作を)撮り始めてから白髪が増え、今は(髪の毛が)無くなりました(笑)。とにかく、自分はこの映画を作るという使命感で一杯でした。でも今は、次々に作品をどんどん撮り続けたいと思っています。それが若さの秘訣です」と、次回作への意欲も見せ、会場は熱い拍手に包まれました。

映画『天空からの招待状』は、シネマート新宿、シネマート六本木、シネマート心斎橋ほか全国公開中です。つ