13万部を記録したベストセラー「はなちゃんのみそ汁」。余命わずかの母親が、まだ幼い娘に何を遺せるのか—みそ汁づくりを通して愛情と生きていく強さを伝えた姿は、日本中を感動で包みこみ、ついに映画化が決定いたしました。
監督は、2013年キネマ旬報ベストテン日本映画第1位に輝いた『ペコロスの母に会いに行く』の脚本をつとめた、阿久根知昭。本日、東郷記念館にて、主要キャストの広末涼子、滝藤賢一、一青窈、原作者である安武信吾、安武はな、阿久根知昭監督登壇の製作発表記者会見を実施しました。

『はなちゃんのみそ汁』製作発表記者会見
■日程:12月4日(木) 13:00〜 
■場所:東郷記念館3F オランジェール (東京都渋谷区神宮前1-5-3)
■登壇者:広末涼子(千恵役)、賢一(信吾役)、(千恵の姉・詩穂役、主題歌)、
信吾(原作者)、はな(原作者)、監督(48) *敬称略

ベストセラー「はなちゃんのみそ汁」が日本を代表する俳優陣で映画化されるとだけあって、これから撮影に入るにもかかわらず会見会場には100名を超えるマスコミが駆け付け、話題の高さを伺わせた。会見前には千恵さん本人と幼きはなちゃんの日常を記録したドキュメンタリー映像が流れ、あたたかい空気に包まれた。その中、主演の広末涼子と共演の滝藤賢一、一青窈らが登場。

主人公の安武千恵を演じる広末は「脚本を読ませていただいて、たくさん笑い泣きしました。原作ともTVドラマとも違った映画が出来上がる予感がしています。はなちゃんはもちろん、(天国の)千恵さんにもたくさん笑い泣きしていただける作品にしたいです」と意気込みを語り、千恵の夫である安武信吾役の滝藤賢一は「広末さんと(現在オーディション中の)はなちゃんとすてきな家族を作ります!!」と力強くコメントした。続いて本作の主題歌のみならず、千恵の姉・詩穂役として出演もする一青は「いっぱいはなちゃんと話していい作品にしたいです。広末さんの姉を演じるのは緊張します」と笑顔で挨拶をした。

本作のメガホンを取るのは、2013年のキネマ旬報ベストテン日本映画で第1位に輝いた『ペコロスの母に会いに行く』で脚本を務めた阿久根知昭。これが長編デビューとなる阿久根は「すごく素晴らしいキャストの方々で楽しみにしています。日頃から安武さんとお付き合いさせていただいて、よく千恵さんの話をしていて、千恵さんにお会いしたことはないのによく知っています。千恵さんを感じながらの撮影を楽しみにしています」と撮影に対する想いを語った。記者会見には原作者である安武親子も登壇し、父・信吾は「ここにいるのも不思議な気持ちです。天国の千恵が導いてくれたと思う。原作者として映画に携われるのを楽しみにしています」とコメントし、娘のはなちゃんは「映画を観てくれた人が台所に立ってみそ汁を作ってくれたら嬉しいです」と映画化についての心境を語った。

挨拶が終わると、登壇者全員にはなちゃん手作りのみそ汁が振る舞われる演出が!鰹節と昆布でだしを取り、油揚げとわかめととうふ入り、味噌もはなちゃんお手製というこだわりのみそ汁を味わった広末は「おいしいです!ホッとします。あったかさをはなちゃんに感じて、勝手に抱きしめたくなりました」と自然に笑顔がこぼれる。滝藤も「とてもおいしいです!すごいね!」とコメント。はなちゃんが5歳でみそ汁づくりを覚えた聞いた滝藤は「うちの5歳の子は何も出来ないよ」と感心し、飲み干してしまった。

本作でがんと闘いながらも幼い娘にみそ汁づくりを教える母親役に挑む広末は、「ドキュメンタリー番組ではなちゃんを知っていましたので、二つ返事で決めました」と出演を決めた理由を明かし、「脚本が本当に素晴らしくて声を出して笑うけれども涙がでる。いっぱい泣いたけど、悲しい、つらい、苦しい涙ではない。みなさんにもそういう想いになってもらえるように、命をかけて演じたい」と熱く語った。そんな広末と夫婦役を演じる滝藤は、「安武(信吾)さんには僕が想像できないような悲しいことや葛藤があったと思う。その分楽しいことも。そんな安武さんの人生を生きたいと強く思った。安武さん親子に負けないような家族にしたい」と意気込みを語った。阿久根監督も「闘病の物語ではない。夫婦・親子の話であり、成長する物語」とただの感動作ではないことをアピールした。

今日初対面したという広末とはなちゃん。広末の印象を聞かれはなちゃんは、「お母さんは広末さんみたいに美人じゃない」とコメントし、会場は大爆笑に。続いて記者からの質問で、同じ女性として千恵さんに一番共感した部分を尋ねられた広末は「食事を大事にする、笑いを大事にする、そして何よりはなちゃんを大事にする。この3本柱があるからこそという地に足をつけて生きるところに共感しました」とコメント。映画のテーマである「遺したいもの」にかけて、母から受け継いだものは?という質問を投げかけられると、広末は「主菜、副菜といった食卓の視覚が大事だということ」、滝藤は「悔しいと思うこと」と語り、それぞれ自身の母との想い出を明かした。
最後に広末は、これから始まる撮影に向けて「絶対にいい映画になると思います。泣かせる映画ではなく、考えさせる難しい映画でもなく、笑い泣きするようなあったかい映画になると思います。みなさん楽しみにしていてください。」と意気込みを語った。