の度10月25日(土)より公開したグザヴィエ・ドラン監督&主演作『トム・アット・ザ・ファーム』。
観た方の感想では“その世界に引き込まれた”、“衝撃を受けた”など現在大きな反響を呼んでいます。
本作の公開を記念し、映画ライターのよしひろまさみちさんと細谷美香さんが初日のトークイベントに登壇しました。

・日時:2014年10月25日(土)
・場所:新宿シネマカリテ (http://qualite.musashino-k.jp/)
・ゲスト:よしひろまさみち(映画ライター・編集者)・細谷美香(映画ライター)

昨年の東京国際映画祭で上映され、公開が待ち望まれていたグザヴィエ・ドラン監督の新作『トム・アット・ザ・ファーム』が10月25日(土)より公開。
それを記念し、日本テレビ系『スッキリ!!』の映画コーナーでおなじみのオネェ系映画ライターよしひろまさみち氏と、女性誌を中心に数々のメディアで執筆している映画ライターの細谷美香氏が初日のトークイベントに登壇し、作品の感想やグザヴィエ・ドランの魅力を語り合った。

これまでにグザヴィエ・ドランの過去作品を観たことがあるかと細谷氏が会場に問いかけると8割以上の方が手を挙げた。それを受けよしひろ氏は「これまでのドランの過去3作品は全てカンヌで賞を取ってきたけど、『トム・アット・ザ・ファーム』だけヴェネチア国際映画祭での受賞なんですよね。なぜかと言うと、カンヌ映画祭というのはアート系の映画がメイン。ですからドランは、当然のことながらカンヌでは支持が厚いんです。カンヌの申し子と言われている程。だけどこの作品はアート気質のカンヌっぽくなく、思いっきりサスペンスでエンターテイメント。だからヴェネチア国際映画祭ってわけ」と解説。

細谷氏は「それが一番象徴的なところですよね。これまでの3本はすごくパーソナルな題材。今回の題材ももちろんパーソナルではあるけど、他の人の戯曲を映画化したというのが上手く働いている。これまでの作品と違ってマイノリティーじゃない人々が観ても心を寄りそわせやすいし、こんなにもエンターテイメント性の高いサスペンスが撮れるなんてびっくりした」とドランを賞賛した。

よしひろ氏も「エンターテイメントも撮れるということを、みなさんも気付いてしまったはず!ルックスもよく、才能があり、“天は何物も与えるという事がある!”という事に世界の映画人はジェラシーバリバリだと思う」と熱く語った。また、本作にコメントを寄せているモデルの栗原類さんが「グザヴィエ・ドラン監督の作品を観たのは今作が初めてだったんだけど、こんな天才に出会えるタイミングに僕、生きていてよかったです」とよしひろ氏に話したことを明かすと、細谷氏も「ホントそうですよね。同じ時代に、これからの作品も含め観られるってすごいことですよね」と述べ、会場のあちこちで賛同の頷きがみられた。

最後に前作『わたしはロランス』でガス・ヴァン・サントがドランの才能に惚れ込んだ話になると、「美少年ハンターで有名なガス・ヴァン・サント先生がロック・オンしたことも有名だもんね!」という細谷氏のコメントに、よしひろ氏は「そうそう。ガス・ヴァン・サントって美少年が大好きだから日々地元ポートランドでスカウトしているんだけど、中々人に心を開かない人なんだよね。だけどドランは作品で彼の心を開いた。ガス・ヴァン・サントがそこまで入れ込んだのって、マット・デイモンと『エレファント』のジョン・ロビンソンに続くと思う」とドランの才能と魅力に触れ、イベントは幕を閉じた。