10月23日(木)より開幕しました第27回東京国際映画祭が、本日31日(金)に閉幕、クロージングセレモニーが行われました。

今年の「コンペティション」にて唯一の日本代表作品となりました『紙の月』は、観客賞・最優秀女優賞を受賞いたしました。

映画『紙の月』 第27回東京国際映画祭 クロージングセレモニー&受賞者会見 概要

【日時】10月31日(金)クロージングセレモニー17:00〜19:00 審査員&受賞者会見19:30〜21:00
【会場】TOHOシネマズ六本木

邦画で唯一コンペティション部門にノミネートされた『紙の月』は、観客賞と最優秀女優賞を受賞いたしました。
クロージングセレモニーでは、冒頭にミューズの中谷美紀さんが登壇し、「コンペ作品15作品をすべて見させていただきましたが、
同じ日本の女優として『紙の月』宮沢りえさんの女優賞に期待しています!」と語り、その予言通りの結果となりました。

午前中にすでに授賞式が行われた観客賞の発表では、再度吉田大八監督が、主演の宮沢りえさんを伴って登壇しました。
吉田監督は「観終わったあと、観客の皆さんがこの映画を好きかどうか考えてくださり、多くの作品の中で『紙の月』がいちばん好きだと思ってくださったことに大変な重みを感じ、これからの励みにしていきたいと思います」
と喜びを噛みしめていました。艶やかな着物姿で監督と仲良く腕を組んで登壇された宮沢さんは「Thank you very mucn! 公開前に国際映画祭ですばらしい賞をいただくことができ、大変うれしく思っています。
これを励みに、すばらしい公開日を迎えることが出来るよう頑張りたいと思います」と語りました。

また、最優秀女優賞の発表では、審査員満場一致で『紙の月』主演の宮沢りえさんに決定いたしました。
最優秀女優賞を日本人女優が受賞したのは、第16回(2003年)『ヴァイブレータ』の寺島しのぶさん以来11年ぶりの快挙で、「意味深い、奥深い演技。卓越した精神。繊細な脆さの表現。表情だけですべてを語る演技力。彼女の芸術貢献に感謝します。
そして言葉に表せないほど美しい方」と審査員のイ・ジェハン氏が宮沢さんを評しました。
宮沢さんは驚きと喜びで言葉に詰まりながらも「震えています。おみくじで大吉を引いたときの『ヤッター』という気持ちと自分をひきしめなきゃという気持ちに似ています」と率直な気持ちを語り、「7年ぶりの映画主演ということで不安もありましたが、吉田監督の粘り強い、厳しい、愛のこもった演出により、主人公の梅澤梨花という手ごわい役を乗り越えられたと思っています。
このトロフィーを半分に分けることができるなら、その半分を最優秀演出賞として、私から監督にあげたいくらいです」と監督への感謝を述べました。

その後の受賞者会見にも、吉田監督が出席し記者からの質問に答えました。
宮沢りえさんが最優秀女優賞を受賞したことに対して「彼女自身が賞をもらうことに驚いていましたね。いつもスピーチが上手な方ですが、今日は緊張されているのがわかりました。
宮沢りえの映画と言っても過言ではない作品なので、最優秀女優賞は欲しい賞でした」と語り、観客賞を受賞できた理由をご自身で分析すると?の質問には「わかりやすい映画ではないし、シンプルに共感できる映画でもないので、自信があったわけではない」と謙遜しつつ、「宮沢さんや他の俳優陣が演技で魅せてくれました。監督としてそこは自信を持っていますし、そこを評価してくれたのかな」と俳優への賛美を口にしました。
最後に宮沢さんのスピーチでの「トロフィーを割って、監督に半分あげたい」に対する感想を聞かれ、「そのときは監督賞の発表がまだだったので、獲れたら同じことを言おうと思ってました(笑)」と茶目っ気たっぷりに返していました。