その後の開幕式では、オープニングフィルム『愛琳娜』(IRINA)の監督:林靖傑さん、主演女優:陳怡蓉さん(二人とも高雄出身)等に続いて、瑛太さんと大森監督が登壇。大きな歓声が沸き起こる中、台湾語と中国語で挨拶した瑛太さんに現地のファンが歓喜し、会場は一気に盛り上がりました。
セレモニーでは、今年8月1日に高雄市内で起こった大規模なガス爆発事件に対する鎮魂の意と2011年東日本大震災で大きな支援をいただいた御礼をこめて、日本代表として瑛太さんと大森監督から陳菊市長にお守りが贈られました。

アジアプレミアの上映前には瑛太さん、大森監督が登壇。瑛太さんの台湾語の挨拶から始まり、大森監督は バンクーバー、ワルシャワなど世界で上映されていく「まほろ」について感慨深げに想いを語りました。また瑛太さんの呼びかけで、観客の半数近くが「まほろ」シリーズを見ていることが判明し、アジアにも「まほろ」人気が浸透していました!

瑛太:(台湾語で)「こんにちは、高雄。」(中国語で)「私は瑛太です。台湾に来れて嬉しいです。」
大森:「この間、バンクーバー、ポーランドのワルシャワで上映されて、そして台湾に来ました。皆さん楽しんでいってください!この映画は、難しいことを考えずに素直に楽しんでください。僕は初めて出来上がった映画を見たときに、
ずっと多田と行天を見ていたいという気持ちになったので、そんな気持ちになってくれたら、すごく嬉しいです。」

瑛太:「皆さん、このシリーズのパート1とかドラマを見た方はいますか?」
観客:(大半が)「はーい!」
瑛太:「シェイシェイ。皆さんが盛り上がってくれて、もしこの後、続編を作ることになったら、多田と行天が台湾にやってくるという話も出てました。映画を楽しんでいただき、もし気に入ってくれたら、周りの人に良かったよと伝えてください。」

アジアプレミアを台湾のファンと一緒に鑑賞した瑛太さんと大森監督。会場に笑い声が響くほど、台湾の人々の大きな反応を受けて、上映後のティーチインで再び登場した二人は、日本語で質問するお客さまもいる中、すべての質問に真摯に応えていました。
ティーチイン終了後は、お客さまとのフォトセッション、サイン&握手会を実施。最後まで、あたたかく熱狂的な台湾の人々との触れ合いを楽しんでいました。

Q 松田龍平さんについて
瑛太:「二階席で一緒に映画を見てました。皆さん、行天に会いたくなりますよね?」
観客:(歓声)「会いたい!」
瑛太:「来てないですよ(笑)今日、初めて劇場で見て自画自賛というわけではないけど、龍平とだからこそ出せる何か、間なのか空気感なのか分かりませんが、
何か映っていた気がします。」

Q 役作りについて
瑛太:「体をくたびれさせるということもありますが、それ以上に、一作目のクランクイン初日に監督がまず便利軒のセットに入らせてくれて、多田はここで一人で生活しながら便利屋を営んでいることを感じさせてくれました。過去に自分の息子を亡くしている多田の喪失感、悲しみ、孤独感もちゃんと出てくるといいなと思いました。」

Q 二人のキャラクターについて
大森:「僕は主人公の多田と行天は、どこか社会にうまく入り込めない二人にみえて、それでも二人は自分たちが保たなくてはならない、どこかキープしているルールみたいなものを持っていることが、この映画の根底にあります。やっていいことと、やってはいけないこと、それがあるので、自分の中では二人は丸くなったという感じでもないんですよね。この映画の笑える要素というのは、「まほろ」という世界観が笑いを引き寄せるという部分があって、そこは意識的に入れているところはあります。」
瑛太:「今回は多田の笑いの要素というのは、台本には書かれているけど、自分からお芝居でギャグを見せるというより、自然に多田がそうなってしまっている状態でいたいなと心がけていました。」

Q 台湾でしたいことは?
瑛太:「昨日は空港でたくさんの人に出迎えてもらえて、すごく嬉しかったです。ありがとうございます。初めての台湾なので本当はもっと滞在して、いろいろなところに行きたかったです。台湾の人たちは、けっこう日本人と顔が似ていますが言葉や文化は違っていて、それでも、こうやって一緒に映画を見ていると「まほろ」の 映画の空気感をすごく理解してくれていて、楽しんでくれているのが、とにかく嬉しかったです。」
大森:「僕は台湾で食べ歩きに行きたいです。ただダイエット中なので、台湾でやせるのは難しそうだなと思いました(笑)」

Q 撮影中のエピソード
大森:「瑛太と真木よう子さんが車の中で、キスをしようとして出来ないシーンがありますが、台本では本当にキスををすると書いてあったんですよ。そしたらテストでシートベルトが本当にひっかかってしまったので、それが面白い!と OK にしました。」

Q 瑛太さんはキスしたかった?
瑛太:「監督は作品にとっての神様ですから、神様の決める事は絶対です(笑)」

Q 子どもとの向き合い方について
瑛太:「この映画の中でも親と子ということが描かれていて、僕自身も親である以上、子どもに対しては、ただ愛情だけをもっていればいいということではなく、皆さんと同じように不安を抱えながら子どもと向き合っています。だけど親と子どもが一緒に生活しながら同じ時間を過ごすことによって、触れ合うことによって、言葉ではない何かしらの答えが見えてくるのではないかと思います。」

Q 多田と行天の関係性について
大森:「「まほろ〜」の根底には人の優しさが流れています。それがこの映画の大事なことだと思っています。」
瑛太:「多田と行天との関係性は言葉やカテゴリではめられないですね。ドラマ版の監督、大根仁さんは「ボーイズラブ」だと言ってましたけど(笑)。じつは、今回の映画の中で、多田が一度だけ言葉にしています。それはもう一度、観て確かめてください。」

Q 最後に
瑛太:「僕は今日初めて、お客さんと映画を見ましたけど、もっと台湾の人たちにも見てほしいと思いました。この「まほろ」の世界観を一緒に味わえた気がしたので、皆さんが笑ったりする声や、劇場内がざわつく感じとか、同じ空間で味わえたことがとても嬉しかったです。今日、台湾で「まほろ」が上映されたことも
何かの縁だと思うので、もしシリーズが続くならば、監督と話していたのですが、台湾の町並みの中に多田と行天がスクーターで二人乗りしてて、「どうしようか」と言っている僕たちが急に台湾語で話かけられたら、行天はなぜか台湾語をペラペラに話せて(笑)。そして最後は、路頭に 迷いながら、愛河(ラブリバー)で二人がイチャイチャする映画ができたらいいなと思いました(笑)」
大森:「今日は皆さんを見ていて、とても嬉しい気持ちになりました。ありがとうございます。僕自身もこの映画を一言で言いにくいのですが、僕はラストシーンがすごく好きで、微妙な優しさが二人の芝居からよく分かるんですね。そういう優しさが今の時代にあると、もう少し生きやすい世の中になるんじゃないかと思います。」